透過率 (地質学)

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透過率
Permeability
量記号 k
次元 L2
SI単位 m2
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透過率(とうかりつ、: permeability)は、多孔性を持つ物体(多孔質)が、流体をどの程度通しやすいかを表す指標である。

単位は国際単位系ではm2であるが、ダルシー (darcy, D) もしくはミリダルシー (mD) も使われる(1 darcy 10−12m2)。

定義[編集]

多孔性を持つ物体の両端に圧力差ΔP が存在すると、その多孔質内部において流体の流れが発生する。その流れの見かけの速度v は圧力差に比例し、

で表される。ここで、μ は流体粘度Δx は多孔質の厚さである。透過率はこの関係式の比例係数k と定義され、

である。

一般的な物質の透過率[編集]

物質の透過率は、その空隙率・空隙径などによって幅広いオーダーの値を取る。

透過性 準透過性 不透性
未固結砂  砂利 砂、砂+砂利 細かい砂、シルトレスローム
未固結粘土・有機物 泥炭 層状粘土 未風化粘土
固結岩 粉砕岩石 貯留岩 砂岩 石灰岩苦灰岩 花崗岩
透過率 (cm2) 0.001 0.0001 10−5 10−6 10−7 10−8 10−9 10−10 10−11 10−12 10−13 10−14 10−15

Source: modified from Bear, 1972

透過率テンソル[編集]

物質中の空隙の構造に異方性がある場合は、物質の透過率はテンソルによって表記される。テンソルは3×3の正定値対称行列となる。また、その固有ベクトルの方向は、物質中の圧力勾配の方向と流速ベクトルが一致する方向となる。

関連項目[編集]