要池

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
要池


要池(2021年令和3年)10月)

要池の位置(愛知県内)
要池
要池
要池の位置(愛知県)
所在地 愛知県
面積 0.028 km2
最大水深 3.5 m
成因 灌漑用ため池
淡水・汽水 淡水
プロジェクト 地形
テンプレートを表示

要池(かなめいけ)は愛知県名古屋市緑区乗鞍二丁目にある名古屋市所有のため池である。

概要[編集]

都市公園である要池公園内にあり、27,800平方メートル(2.78ヘクタール)の池敷面積および211.43ヘクタールの流域面積を持つ[1]。池には雨水と神沢川が流入し、そのまま神沢川が流出して扇川に至る[2]

1670年寛文10年)の記録に要池という名前のみが現れるとされるが[注 1]、同時期の『寛文村々覚書』(寛文年間(1661年 - 1673年))には記載がみられない[4]19世紀に入り『尾張徇行記』でその名が現れる[5]。当池の水利は愛知郡鳴海村内の水田のほか、天白川を伏越して同郡鳴尾村の旧伝馬新田(現在の名古屋市南区天白町)にまで及んだという[注 2]。元々は3町5反歩(約3.47ヘクタール)の面積を有する広い池で[7]、長らくうっそうとした雑木林に囲まれていたが、1980年代頃から周辺の土地開発が進んで市街化が著しくなり、当池も一部埋め立てやコンクリートの護岸工事が行われた上で水辺公園として整備された[1]。それでも池の北東部では水面を葦原が覆い、野鳥の飛来も確認されている[1]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「寛文十庚戌年雨池堤間数ノ覚書ニ要池トノミ記載アリ」(『大日本国郡誌編輯材料』[3]
  2. ^ 「本町の水田凡三十七町二段六畝歩と鳴尾舊傳馬新田との灌漑に供せり。」(『尾張国愛知郡誌』[6]

出典[編集]

参考文献[編集]

  • 愛知郡役所 編『尾張国愛知郡誌』愛知郡役所、1923年2月28日。 
  • 山村敏行 編『尾三郷土史料叢書 第七編 尾張徇行記 上 奥付』愛知県教育会、1934年11月1日。 
  • 鳴海町 編『(なるみ叢書 第四冊)大日本国郡誌編輯材料 愛知県愛知郡鳴海村戸長役場』鳴海土風会、1962年。 
  • 『名古屋叢書続編 第一巻 寛文村々覚書(上)』名古屋市教育委員会、1964年9月30日。 
  • 榊原邦彦『緑区の史蹟』鳴海土風会、2000年10月30日。 
  • 『市内河川・ため池・名古屋港の水質の変遷』名古屋市環境局地域環境対策部地域環境対策課、2011年3月。 
  • 『市内河川・ため池・名古屋港の水質の変遷』名古屋市環境局地域環境対策部地域環境対策課、2021年3月。 

外部リンク[編集]

  • ウィキメディア・コモンズには、要池に関するカテゴリがあります。