自動演奏

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オルガン用パンチカード

自動演奏(じどうえんそう)は、人間によって楽器を操作して演奏するのではなく、機械によって自動的に楽曲を演奏すること。自動演奏をする装置のことを自動演奏楽器という。

概要[編集]

楽器を自動で演奏するという発想は、アレクサンドリアのヘロンが紀元1世紀に「風力オルガン」を設計したことが記録に残されているが、今日一般的に見られる物としてはオルゴールが良く知られている。オルゴールは大量生産された簡単な構造のものでは、ぜんまいなど動力に接続されたシリンダーに取り付けられたピンで状の機械要素としての専用楽器をはじいて音を出すが、より精巧なものではからくりなど他の要素も組み込むなどして娯楽用装置としての発達を遂げたものもあり、この方向性の先にはオートマタなど人の動作を真似た人形が楽器を操作するものも作られ、現存している。

その一方、純粋に楽器を自動で動作させ楽曲を演奏させるものも作られ、その方向性は自動ピアノという形が知られている。この装置は、ピアノロールと呼ばれるパンチカードの一種で楽器の動作を指定し、楽曲を演奏する。当時は人間による演奏をいつでも容易に再現できる、ということが自動演奏ピアノの主な存在意義であり、上流階級や富豪の間で一種のステータスシンボルとして愛好されるとともに、音楽の大衆化にも大きな役割を果たした。

蓄音機など録音装置の発達後は、ピアノのインテリア・工芸製品としての価値を引き出すことが自動演奏の主な存在意義となっている。ただし、後には『自動演奏ピアノのためのサーカス・ギャロップ』のように自動演奏を前提とした曲も書かれており、単に人間の演奏を再現するにとどまらず、人間には演奏不可能(または困難)な音楽表現を実現するための手段としても用いられる。

なお、後に機械装置を自動制御するコンピュータの発達は、電子楽器の発達と連動して、MIDIなど楽譜やピアノロールを電磁的記録に置き換えたものから自動的に楽曲を演奏する方向性も発生させており、これらは電子楽器が他の以前よりある楽器に比べ遜色の無い音質を発生させることもできるようになってきて、広く利用されている。

関連項目[編集]