名勝

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自然的名勝の代表、特別名勝・特別天然記念物の上高地
自然的名勝の代表、特別名勝特別天然記念物上高地
人文的名勝の代表、特別名勝の兼六園
人文的名勝の代表、特別名勝兼六園

名勝(めいしょう)とは、

  1. 景色の良い土地のこと。名勝地ともいう。
  2. 日本における文化財の種類のひとつで、芸術上または観賞上価値が高い土地について、日本国および地方公共団体が指定を行ったもの。特に、文化財保護法第109条第1項において規定された、国指定の文化財の種類のひとつ。

本項では2について詳述する。

目次

[編集] 概要

日本の文化財保護法は、庭園橋梁峡谷海浜山岳その他の名勝地の中で、日本国にとって芸術上また観賞上価値の高いものを、文部科学大臣が「名勝」[1]および「特別名勝」の名称で指定することができると規定している。地方公共団体においては、文部科学大臣の指定から漏れたものに対して、それぞれの条例に基づいて教育委員会が指定を行っている。

名勝の保護制度は、1919年(大正8年)に施行された史蹟名勝天然紀念物保存法において、風致景観の優秀な土地、名所的な土地を保護する制度として始まった。1950年(昭和25年)制定の文化財保護法に引き継がれ、自然保護制度としての性格を強めている。

[編集] 国指定の名勝

[編集] 名勝

文化財保護法第2条第1項第4号では、記念物について次のとおり規定している。

貝づか、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡で我が国にとつて歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で我が国にとつて芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で我が国にとつて学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)

そして、文化財保護法第109条第1項では、名勝について次のとおり規定している。

文部科学大臣は、記念物のうち重要なものを史跡、名勝又は天然記念物(以下「史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。

文部科学省が公表している『特別史跡名勝天然記念物及び史跡名勝天然記念物指定基準』では、名勝の指定基準が次のように定められている。

左に掲げるもののうちわが国のすぐれた国土美として欠くことのできないものであつて、その自然的なものにおいては、風致景観の優秀なもの、名所的あるいは学術的価値の高いもの、また人文的なものにおいては、芸術的あるいは学術的価値の高いもの
  1. 公園、庭園
  2. 橋梁、築堤
  3. 花樹、花草、紅葉、緑樹などの叢生する場所
  4. 鳥獣、魚虫などの棲息する場所
  5. 岩石、洞穴
  6. 峡谷、瀑布、溪流、深淵
  7. 湖沼、湿原、浮島、湧泉
  8. 砂丘、砂嘴、海浜、島嶼
  9. 火山、温泉
  10. 山岳、丘陵、高原、平原、河川
  11. 展望地点

これらの条件を満たすと判断されたものが、文化審議会における専門家の審議を経た上で、名勝に指定される。2008年(平成20年)4月1日現在、311か所(次項の「特別名勝」を含む。)が名勝に指定されている。

名勝は、人文的名勝自然的名勝とに分類されることもある。人文的名勝は、日本庭園のような人為的に形成された景観である。自然的名勝は、主に自然の働きによって形成され、歴史や文化にも支えられている景観である。2007年(平成19年)3月末現在、自然的名勝に属するとされている名勝は146件、うち特別名勝は12件である。

[編集] 特別史跡

文化財保護法第109条第2項では、特別名勝(とくべつめいしょう)について次のとおり規定している。

文部科学大臣は、前項の規定により指定された史跡名勝天然記念物のうち特に重要なものを特別史跡、特別名勝又は特別天然記念物(以下「特別史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。

そして、『特別史跡名勝天然記念物及び史跡名勝天然記念物指定基準』は、特別名勝の指定基準を次のように規定している。

名勝のうち価値が特に高いもの

つまり、名勝のうち価値が特に高いものが特別名勝である。2008年(平成20年)4月1日現在、29か所が特別名勝に指定されている。

[編集] 地方公共団体指定の名勝

文化財保護法第182条第2項は、次のとおり規定している。

地方公共団体は、条例の定めるところにより、重要文化財、重要無形文化財、重要有形民俗文化財、重要無形民俗文化財及び史跡名勝天然記念物以外の文化財で当該地方公共団体の区域内に存するもののうち重要なものを指定して、その保存及び活用のため必要な措置を講ずることができる。

この規定に基づき、各地方公共団体は「文化財保護条例」等の名称の条例を制定して、名勝の指定を行っている。ただしこの条文は、国指定から漏れたものに対して地方公共団体の指定がなされると解釈されるため、国指定となったものに対しては地方指定は解除される。

[編集] 国指定名勝一覧

以下は名勝指定の事例を列記している。特別名勝太字で表記。指定地追加の折、随時データも追加していくものとする。

[編集] 2県以上にわたる物件

[編集] 北海道

  • 天都山(網走支庁網走市)
  • 旧岩船氏庭園(香雪園)(渡島支庁函館市)

[編集] 青森県

仏宇陀(仏ヶ浦)
仏宇陀(仏ヶ浦)
  • 盛美園(平川市)
  • 仏宇陀(仏ヶ浦)(佐井村)
  • 種差海岸(八戸市)
  • 金平庭園(澤成園)(黒石市)
  • 清藤氏書院庭園(平川市)
  • 瑞楽園(弘前市)

など

[編集] 岩手県

碁石海岸・恵比寿浜
碁石海岸・恵比寿浜

など

[編集] 宮城県

松島
松島

[編集] 秋田県

など

[編集] 山形県

山寺(立石寺)
山寺(立石寺)
  • 山寺(山形市)
  • 大沼の浮島(朝日町)
  • 酒井氏庭園(鶴岡市)・・・致道博物館 を参照。
  • 総光寺庭園(酒田市)
  • 玉川寺庭園(鶴岡市)
  • 金峰山(鶴岡市)

[編集] 福島県

  • 須賀川の牡丹園(須賀川市)
  • 霊山(霊山町)
  • 南湖公園(白河市)
  • 会津松平氏庭園(会津若松市)

[編集] 茨城県

常磐公園(偕楽園)
常磐公園(偕楽園)
  • 常磐公園(水戸市) …偕楽園を指す。
  • 桜川(サクラ)(桜川市)

など

[編集] 栃木県

[編集] 群馬県

[編集] 埼玉県

長瀞渓谷
長瀞渓谷

[編集] 千葉県

  • 高梨氏庭園(野田市)

[編集] 東京都

六義園
六義園

など

[編集] 神奈川県

建長寺庭園
建長寺庭園

など

[編集] 静岡県

白糸の滝
白糸の滝

など

[編集] 愛知県

など

[編集] 岐阜県

など

[編集] 三重県

二見浦
二見浦

など

[編集] 山梨県

御岳昇仙峡
御岳昇仙峡

[編集] 長野県

上高地
上高地

など

[編集] 新潟県

清津峡
清津峡

[編集] 富山県

称名滝(左)
称名滝(左)

[編集] 石川県

兼六園
兼六園

[編集] 福井県

東尋坊
東尋坊

など

[編集] 滋賀県

竹生島
竹生島
玄宮園
玄宮園
慶雲館庭園
慶雲館庭園

など

[編集] 京都府

天橋立
天橋立
西芳寺庭園
西芳寺庭園
銀閣寺庭園
銀閣寺庭園
天龍寺庭園
天龍寺庭園

[編集] 大阪府

など

[編集] 奈良県

奈良公園
奈良公園
吉野山
吉野山

など

[編集] 和歌山県

橋杭岩
橋杭岩

など

[編集] 兵庫県

但馬御火浦
但馬御火浦

など

[編集] 鳥取県

浦富海岸
浦富海岸

など

[編集] 島根県

立久恵
立久恵

など

[編集] 岡山県

岡山後楽園
岡山後楽園

など

[編集] 広島県

鞆の浦(鞆公園)
鞆の浦(鞆公園)

[編集] 山口県

青海島
青海島

など

[編集] 徳島県

旧徳島城表御殿庭
旧徳島城表御殿庭

など

[編集] 香川県

栗林公園
栗林公園

など

[編集] 愛媛県

大三島大山祇神社
大三島大山祇神社

など

[編集] 高知県

竹林寺庭園
竹林寺庭園

など

[編集] 福岡県

[編集] 佐賀県

虹の松原
虹の松原

[編集] 長崎県

  • 温泉岳(島原市)…雲仙岳のこと
  • 石田城五島氏庭園(五島市)
  • 旧金石城庭園(対馬市)

[編集] 熊本県

水前寺成趣園
水前寺成趣園
  • 水前寺成趣園(熊本市)
  • 旧熊本藩八代城主浜御茶屋(松浜軒)庭園(八代市)
  • 千厳山および高舞登山(上天草市)
  • 妙見浦(天草市)
  • 龍ヶ岳(天草市)
  • 龍仙島(片島)(天草市)
  • 六郎次山(天草市)

[編集] 大分県

耶馬渓
耶馬渓

[編集] 宮崎県

高千穂峡
高千穂峡
  • 五ヶ瀬川渓谷(高千穂峡谷)(高千穂町)
  • 比叡山および矢筈岳(延岡市・日之影町)
  • 妙国寺庭園(日向市)
  • 尾鈴山瀑布群(都農町)

[編集] 鹿児島県

[編集] 沖縄県

識名園
識名園


[編集] 脚注

  1. ^ 文化財保護法上は、単に「名勝」と称した場合は文部科学大臣指定の名勝を指しており、官報でも「名勝」と表記される。しばしば「国指定名勝」と称されるが、これは地方公共団体指定の名勝と区別するための便宜的な用語である。

[編集] 参考文献

  • 文化財保護法研究会『最新改正 文化財保護法』ぎょうせい、2006.5、ISBN 4324078734
  • 中村賢二郎『わかりやすい文化財保護制度の解説』ぎょうせい、2007.9、ISBN 4324082944

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク