治山ダム
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治山ダム(ちさんダム)とは、森林法に基づき設置されるダム様構造物のこと。谷止工、床固工とも呼ばれる。山腹や河川の縦・横浸食を軽減し、河川に面する森林(保安林)の維持・造成を行うために設置される。ダムの設置により山脚(崩壊地末端部)や乱れがちな流路が固定され、上流側に渓畔林や緑地が造成されていく。基本的に土留の延長であるため、ダムの後背部は完成当初から満砂に近い状態になっている。このため貯水機能はなく、上流で生産されて流下する土砂もダムを通過していくことが特徴。
[編集] 構造
- 重力式コンクリートダムに似る。主に山脚の固定を目的に設置されることから、基本的にダムの背面は土砂で埋め戻される。このため、渓流内で設置される場合でもダムの背面に掛かる水圧は考慮しない、もしくは満水時の数分の一で計算される場合がほとんどである。
[編集] 治山ダムの効果
渓流に部分的な緩斜面を造成することにより、河川の流速を落ち着かせ、流向をコントロールする。このため、必ずしもダムの背面が空っぽである必要はなく、完成時点でほぼ満砂状態となっていることが普通である。主な効果は次の通り。
- 渓流内の勾配を緩和:浸食傾向の激しい渓流に設置することにより、ダム背部の渓流勾配を緩和し、水平方向の渓岸浸食、鉛直方向の渓床浸食を防止する。
- 崩壊地の拡大防止:崩壊地の直下流に設置することにより、崩壊地の拡大を防止する。
- 不安定土砂の固定:過去の土石流などで堆積した土塊の下流部に設置することにより、再移動(再土石流化)を防止する。
- 土石流による荒廃防止:土石流の流下による渓岸浸食の防止、土石流の流速緩和ひいては抑止する。
- 流木対策:流木被害を防止するため、スリットダム化した治山ダムも存在する。
[編集] 砂防ダムとの違い
- 砂防ダムと類似の構造であるが、目的が異なるため、概ね堤高が低く厚みも薄い(概ね砂防ダムの厚みは3m以上、治山ダムの厚みは2m以下)。

