東京リーダーターフェル1925

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男声合唱団東京リーダーターフェル1925(とうきょうリーダーターフェル1925、英:M.G.V.TOKYO LIEDERTAFEL 1925、略称:TLT)は、東京都を本拠地とする男声合唱団社会人をメンバーとする男声合唱団としては、国内で最も長い歴史をもつ。創立以来ドイツ合唱界との交流が深く、長い間日本唯一のドイツ合唱連盟海外会員として活躍している。また、韓国台湾ともジョイントコンサートを行ない草の根の交流を続けている。2025年には創立100周年を迎える。

略歴[編集]

  • 1925年大正14年)同志社大学グリークラブ七代目指揮者であった山口隆俊が東京都芝区(現港区)の職場の仲間秋山日出夫 (後に全日本合唱連盟副理事長)らを募って男声合唱団を創立[1]。伝統を持つドイツリーダーターフェルフェラインの趣旨に共鳴する山口隆俊は、東京リーダーターフェルフェラインと命名した。
  • 1927年昭和2年)ドイツリーダーターフェル会長に入会の申し込みをしたところ快諾の返信を受け、正式にドイツリーダーターフェルの中の一団として東京リーダーターフェルが認められ、以降当協会との交流が始まった。11月28日明治神宮外苑の日本青年舘で第1回合唱音楽祭が開催された。当団はこれに出場し第2位となった(賞品はオルガン)。
  • 1929年(昭和4年)第1回演奏会開催。
  • 1930年(昭和5年)愛宕山JOAKでラジオ初出演
  • 1934年(昭和9年)秋山日出夫が指揮者に就任。
  • 1939年(昭和14年)合唱コンクール優勝、以降3年連続で優勝する。この前年あたりから、団員である東辰三作詞作曲の「つわものの歌」「荒鷲の歌」など軍歌のJOAK放送の機会が増える。
  • 1946年(昭和21年)戦後復活した合唱コンクールに優勝。
  • 1954年(昭和29年)荒木宏明(声楽家)が指揮者に就任。
  • 1958年(昭和32年)戦後初めての定期演奏会、以後原則として毎年開催。
  • 1959年(昭和34年)ディートリッヒ・シュミットを客員指揮者に迎える。
  • 1963年(昭和38年)定期演奏会で、団員三木稔の作品「合唱による風土記・阿波」「レクイエム」「オペレッタ・牝鶏亭主」(いずれも初演)を上演し、芸術祭に参加。
  • 1968年(昭和43年)ドイツ合唱連盟祭に招待されて訪独[1]。第1回訪独演奏旅行。帰国後、当団の名称のフェラインを削除し「男声合唱団東京リーダーターフェル1925」と改称。
  • 1973年(昭和48年)日本男声合唱協会(JAMCA)を、東海メールクワイアーとのジョイントコンサートを基盤に拡大して6団体で組織し、第1回の演奏会を開催[1]
  • 1976年(昭和51年)創立50周年記念演奏会を開催。第2回訪独演奏旅行。
  • 1982年(昭和57年)荒谷俊治が常任指揮者に就任。
  • 1985年(昭和60年)第1回日韓交歓演奏会開催(東京)[2]。その後隔年に両国で開催。
  • 1987年(昭和62年)ヴォイス・トレーナーに移川澄也が就任。以後、ターフェルトーンと言われる響きに磨きをかける。
  • 1995年(平成7年)堀俊輔が常任指揮者に就任。当団OBによる男声合唱団リーダーターフェルジルヴァーナー1995 発足。
  • 1998年(平成10年)第38回定期演奏会を、開館したばかりのすみだトリフォニーホールで開催。2000年以降は当ホールでの開催が続いている。
  • 2002年(平成14年)樋本英一が常任指揮者に就任。
  • 2009年(平成21年)団員獲得のためのワンステージメンバー企画開始。
  • 2012年(平成24年)第6回訪独演奏旅行(フランクフルトで全ドイツ合唱祭参加。ベルリン、ジークブルク、ニーダーヴェルシュタットで交歓演奏会)。
  • 2014年(平成26年)台湾への演奏旅行(台北中山堂、台南成功大学で交歓演奏会)。山形県庄内地方への演奏旅行(酒田で交歓演奏会)。
  • 2015年(平成27年)創立90周年企画として「昭和浪漫」CD録音・販売。日本の音楽文化の興隆と発展に寄与することを目的に、NPO法人「男声合唱団東京リーダーターフェル1925」設立。
  • 2016年(平成28年)第12回日韓ジョイントコンサート(ソウル・ロッテホール、春川で交歓演奏会)。
  • 2020年(令和2年)予定していた第13回日韓ジョイントコンサート、第59回定期演奏会は、いずれも新型コロナウィルス禍の影響で開催を中止。
  • 2021年(令和3年)8月に創立95周年企画として「昭和浪漫Ⅱ」CD録音、12月に定期演奏会開催。
  • 2022年(令和4年)11月12日に定期演奏会開催。
  • 2023年(令和5年)11月25日に韓國男聲合唱團と「日韓親善男声合唱演奏会」を開催予定(於:すみだトリフォニーホール)

主なディスコグラフィー[編集]

  • 日本の合唱名曲選(1967:ビクター)
  • 阿波・月光とピエロ(1969:コロンビア)
  • ヒンデミット合唱作品集、三木稔「合唱による風土記”阿波”」(1971:キング)
  • 嗚呼玉杯に花うけて他11曲(1975:コロンビア)
  • 蘇る日本の歌 新作男声合唱集(1992)
  • 2009年定期演奏会<以降ほぼ毎年>
  • 昭和浪漫(2015)
  • 昭和浪漫Ⅱ(2021)

主な関連人物[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 男声合唱団東京リーダーターフェル1925 55年史(1980年発行)
  2. ^ 男声合唱団東京リーダーターフェル1925 70年史(1995年発行)