日日薬

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日日薬(ひにちぐすり)は関西方言からの言葉。

概要[編集]

月日が経つということがの代わりになるということ[1]

京都大阪兵庫の方言の辞典でこの言葉が見られる。病気怪我をしていても薬を用いないで、じっと我慢をしていることで治るようなことと意味されている[2]

関西では医者が診た場合に薬を出さないで、その症状に対して日にち薬だねと言うことがある[3]

日にち薬は病院で診てもらうような症状だけでなく、の傷などにも効果がある。心の傷への日にち薬を効きやすくするには、周囲の人々の思いやりが重要である[3]

神戸女子大学教授によると、月日が経つことが薬のように癒してくれるという発想は日本全国で使われる言い回しだろうが、この『日にち薬』という言葉は関西の方言であるとのこと[4]

この言葉は2008年からの『三省堂国語辞典第6版』に新たに収録されており方言には留まっていない[5]

2018年に放送されたNHK連続テレビ小説のワンシーンでは、妻を亡くした男性に風吹ジュンが日にち薬だよと語る場面がある[5]

脚注[編集]

  1. ^ デジタル大辞泉. “日日薬(ヒニチグスリ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年3月16日閲覧。
  2. ^ レファレンス事例詳細”. 国立国会図書館. 2024年3月16日閲覧。
  3. ^ a b wpmaster (2015年7月21日). “本日の朝礼は「日にち薬」です。”. 『月刊朝礼』コミニケ出版. 2024年3月16日閲覧。
  4. ^ 大阪人からLINE「あとは日にち薬ですね」これ、どういう意味?SNSで「方言なの!?」と驚きの声 識者に聞いた|まいどなニュース”. まいどなニュース (2023年11月1日). 2024年3月16日閲覧。
  5. ^ a b 「日にち薬」はどこの言葉? 全国区の知名度と、現代人に響くわけ:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年1月19日). 2024年3月16日閲覧。