山根道公

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山根 道公
やまね みちひろ
人物情報
出身校 早稲田大学
立教大学大学院
学問
研究分野 日本近代文学
(キリスト教文学)
研究機関 ノートルダム清心女子大学キリスト教文化研究所
学位 博士(文学)
学会 遠藤周作学会
日本キリスト教文学会(中国支部長)
国際芥川龍之介学会
脚注
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山根 道公(やまね みちひろ、Yamane Michihiro 1960年 - )は、日本の近代文学研究者。研究対象は遠藤周作を中心に八木重吉、宮沢賢治、芥川龍之介等のキリスト教文学。ノートルダム清心女子大学教授[1]

来歴[編集]

1960年、岡山県倉敷市に生まれる。早稲田大学第一文学部卒業、立教大学大学院修了後、日本大学明治大学等の非常勤講師を経て[2]、1998年よりノートルダム清心女子大学キリスト教文化研究所に所属[1]

遠藤周作の親友で共にフランスで学んだ井上洋治神父が、1986年、日本の文化的風土のなかにイエスの福音が根をおろし、開花することをめざして、若い人たちと共にはじめた運動「風(プネウマ)の家」創設に参加し、機関誌「風(プネウマ)」の編集に携わる[3]。共に活動した「風の家」出身には、カトリック司祭の伊藤幸史、批評家の若松英輔、東京大学教授の山本芳久、ノートルダム清心女子大学教授の山根知子らがいる[4]

遠藤周作らが設立した日本キリスト教芸術センターの会員となり、遠藤周作が中心となって行われた勉強会(月曜会)に参加[5]。1996年、遠藤周作の没後、『遠藤周作文学全集』全15巻(新潮社、1999年から2000年)の編集に協力、全巻の解題を担当し、詳細年譜・著作目録を作成。また、2014年3月に帰天した井上洋治神父の遺稿を整理し年譜と解説・解題を付した『井上洋治著作選集』全10巻別巻(2015年-2019年、日本キリスト教団出版局)の編集・解題の担当を行った。2021年4月に刊行した遠藤周作学会編『遠藤周作事典』(2021年、鼎書房)で責任編者を務めている。

受賞歴[編集]

2006年 『遠藤周作  その人生と「沈黙」の真実』(2005年、朝文社)により2006年日本キリスト教文学会奨励賞受賞。

著書[編集]

  • 『遠藤周作  その人生と「沈黙」の真実』2005年、朝文社
  • 『遠藤周作『深い河』を読む マザー・テレサ、宮沢賢治と響きあう世界』2010年、朝文社
  • 『遠藤周作と井上洋治 日本に根ずくキリスト教を求めた同志』2019年、日本キリスト教団出版局

共著[編集]

  • 『風のなかの想い―キリスト教の文化内開花の試み』1989年、井上洋治・山根道公 日本キリスト教団出版局
  • 『イーハトーヴからのいのちの言葉―宮沢賢治の名言集―』1996年、山根道公・山根知子 角川書店
  • 『生命論への視座』1998年、大明堂
  • 『遠藤周作を読む』2004年、笠間書院
  • 『遠藤周作 挑発する作家』2008年、至文堂
  • 『異文化の中の日本文学』2013年、弘学社
  • 『文学における神の物語』2014年、リトン

編著[編集]

  • 『遠藤周作文学全集』全15巻 1999年-2000年、新潮社
  • 『井上洋治著作選集』全10巻別巻 2015年-2019年、日本キリスト教団出版局
  • 『遠藤周作事典』2021年、鼎書房、遠藤周作学会編

脚注[編集]

  1. ^ a b c 教員紹介  - 山根 道公  _ ノートルダム清心女子大学”. 2021年10月9日閲覧。
  2. ^ 山根道公(プロフィール・講座) - 『風』編集室 - 井上洋治創設「風の家」機関誌公式”. 2021年10月9日閲覧。
  3. ^ “風の家 − 機関誌『風(プネウマ)』編集室 - 『風』編集室 - 井上洋治創設「風の家」機関誌公式”. www.kazehensyuusitu.jp. 2021年9月30日閲覧。
  4. ^ 講座・対談の講師紹介 - 『風』編集室 - 井上洋治創設「風の家」機関誌公式”. 2021年10月9日閲覧。
  5. ^ 『『遠藤周作『深い河』を読む マザー・テレサ、宮沢賢治と響きあう世界』』朝文社、2010年、290頁。