妄執

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妄執(もうしゅう)とは、妄想がこうじて、ある特定の考えに囚われてしまう事、またはその状態を指す。

概要[編集]

ある特定の主義思想感化され同調する事は誰にでも起こりうる事だが、妄執の場合には、その対象となる妄想自体が根拠や妥当性に欠けるために、客観的に見て甚だ困った状態に陥る事になる。

何かに固執する事は、頑なな態度とセットになって、初めて成立しうる。頑なであると言う事は、己の信奉する主義思想を捨てない…言い換えれば、否定されると極めて感情的に反応しうると言う事でもある。それだけに、あからさまに間違いや問題点を指摘されうる妄執においては、益々感情的に対応する機会が増えるという事でもある。

特に妄執の場合において、最も他人が行ってはいけないことは、当人の主張を真っ向から否定する事である。否定された「当人=妄執の人」は、信奉しているモノが「正しいかどうか」を考える前に、「何故否定するか」を推論し、信奉対象を擁護する立場から、逆により強硬な感情反応を招いたりすることになる。本当に妄執を取り除くのは、周囲の理解と助けを得た当人自身の手だけである。

関連項目[編集]