国鉄ワ14000形貨車

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国鉄ワ14000形貨車
基本情報
車種 有蓋車
運用者 鉄道省
運輸通信省
所有者 鉄道省
運輸通信省
種車 ワコ100形、ワコ110形
改造年 1944年(昭和19年)
改造数 130両
消滅 1945年(昭和20年)*
主要諸元
車体色
軌間 1,067 mm
荷重 12 t
備考 *除籍年
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国鉄ワ14000形貨車(こくてつワ14000がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)の前身である鉄道省に在籍した12 t 積みの有蓋車である。

本形式と同様の経歴を持つワ10形ワコ70形ワ21800形ワム800形スコ400形についても本項目で解説する。

概要[編集]

1943年(昭和18年)4月1日に樺太内地編入に伴い、樺太庁から鉄道部門(樺太庁鉄道)が鉄道省(樺太鉄道局)に移管された。この際同時にワ10形 29両(ワ10 - ワ38)、ワコ70形 14両(ワコ70 - ワコ83)、ワコ100形 10両(ワコ100 - ワコ109)、ワコ110形 120両(ワコ131 - ワコ254,4両欠)、スコ300形 25両(スコ300 - スコ324)、スコ400形 26両(スコ400 - スコ425)、ワム800形 102両(ワム800 - ワム901)の7形式の有蓋車車籍も鉄道省に編入された。

ワコ100形、ワコ110形、スコ300形はいずれも10 t 積み二軸車でありスコ400形は12 t 積み二軸車、ワム800形は15 t 積み二軸車であった。

当時多くの私鉄が国有化され、多くの貨車が鉄道省車籍に編入されたが、この際鉄道省形式に改番された車両と、改番されずに私鉄時代の形式番号のまま運用された車両の2種類が存在した。鉄道省形式が付与されなかった理由は、形式両数が少なかった、積載荷重10 t 以下の小型車であった、車両の構造が鉄道省貨車に対して差異が大きかったなどがある。改番されずに私鉄時代の形式番号のまま運用された車両は、運用制限車(地域限定運用車)となり数年で廃車又は他形式へと改造され形式消滅した。

ワ14000形[編集]

前述のワコ100形ワコ110形は、鉄道省へ移管後の1944年(昭和19年)に積載荷重を12 t 積みに改造され形式名はワ14000形(ワ14000 - ワ14129)1形式にまとめられ変更された。

戦局の悪化により樺太は車両残留のまま放棄され1945年(昭和20年)に除籍となり形式消滅となった。

ワ21800形[編集]

前述のスコ300形は、鉄道省へ移管後の1944年(昭和19年)に積載荷重を12 t 積みに改造され形式名はワ21800形(ワ21800 - ワ21824)に変更された。

戦局の悪化により樺太は車両残留のまま放棄され1945年(昭和20年)に除籍となり形式消滅となった。

ワ10形、ワコ70形、スコ400形、ワム800形[編集]

前述のワ10形ワコ70形スコ400形ワム800形の4形式は、鉄道省へ移管後改造、改番される事なく旧形式名のまま運用された。尚ワ10形はワ10形初代が前年の1942年(昭和17年)に形式消滅しているため 2 代目に当たる。

戦局の悪化により樺太は車両残留のまま放棄され1945年(昭和20年)に除籍となり形式消滅となった。

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 車輛形式図 貨車上巻 鉄道省工作局 復刻 鉄道史資料保存会[要ページ番号]
  • 貨車技術発達史編纂委員会 編「日本の貨車―技術発達史―」2008年、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊[要ページ番号]

関連項目[編集]