佐束川

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佐束川
佐束川(上から下へ)と小貫川(左から佐束川に合流)の航空写真(1988年撮影)
佐束川(上から下へ)と小貫川(左から佐束川に合流)の航空写真(1988年撮影)。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
水系 一級水系 菊川[1]
種別 一級河川[2]
延長 5.580[3] km
水源 可和地橋[3]
静岡県掛川市高瀬
字天伯918番の2地先[3]
河口・合流先 菊川5.8キロメートル地点[1]
(静岡県菊川市
流路 静岡県
流域 静岡県
地図地図
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佐束川(さづかがわ[3][† 1]英語: Sazuka River)は、静岡県を流れる河川[3]一級河川に指定されている[2]

概要[編集]

静岡県を流れる一級河川である[2]一級水系である菊川水系に属しており、菊川の右支川にあたる[1]。なお、国土交通大臣より静岡県知事に対して管理が委託されている[2]。また、準用河川に指定されている区域もある[2]

流路[編集]

小笠山の丘陵にその源を発しており[1]、具体的には静岡県掛川市の可和地橋を起点とする[3]。菊川の5.8キロメートル地点に合流するが[1]、その合流地点を終点としている[3]。その延長は5580メートルに達する[3]。かつての小笠郡佐束村の村域を北から南に縦断しており、その流路に沿って市街地が形成されている。

地形[編集]

佐束川(上から下へ)と小貫川(左から佐束川に合流)の航空写真(1975年撮影)。佐束川の上中流部(上)は掘り込み形状、下流部(下)は築堤形状を形成している。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

小笠山の東に形成された南南東に開く浅い谷底平野を[1]、右支川である小貫川と合流しながら直線的に流下する[1]。上流や中流は掘り込み形状となっているが[1]、下流は築堤形状を形成している[1]

なお、菊川との合流地点から明僧橋に至るまでの一帯は、菊川の背水の影響を受けるため[1]、2005年度(平成17年度)までに整備が行われた[1]

歴史[編集]

平安時代の『倭名類聚抄』の影印[4]遠江国城飼郡の一つとして「狭束」[4]と記載されており、和訓は「㔫豆加」[4]となっている

河川名の「佐束」は極めて古い地名であり、かつては「狭束」とも表記された。

奈良時代の文献に「狭束郷」の使用例が見られ、それによれば遠江国城飼郡に属していた11のの一つとされていた[5]。「佐束」および「狭束」のいずれの表記も「谷間の流水を集め束ねて流す」[5]という意が込められているとされ、高瀬村や小貫村の狭い佐谷から流れ出た渓流が、中方村で束ねられていく様を表している[5]

平安時代の『倭名類聚抄』においても、遠江国城飼郡の郷の一つとして「狭束」[4]と記載されている。また、和訓については「㔫豆加」[4]と記されている。

明治時代に入ると、佐束川が流れる高瀬村、小貫村、中方村が合併することになり、1889年(明治22年)に佐束村が設置された。佐束川は佐束村の中央を北から南に貫いており、文字どおり村の中心となっている。

流域の自治体[編集]

主な支流[編集]

脚注[編集]

註釈[編集]

  1. ^ 「さずかがわ」ではなく「さづかがわ」[3]である。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 「佐束川の概要」『菊川水系の水系と流域の概要|しずおか河川ナビゲーション静岡県交通基盤部河川砂防局河川企画課
  2. ^ a b c d e 山下甫「河川の種類と河川管理者」『第505回 河川の種類と河川管理者 - 掛川市掛川市役所、2014年10月10日。
  3. ^ a b c d e f g h i j 「河川ごとの紹介」『菊川水系の基本情報|しずおか河川ナビゲーション静岡県交通基盤部河川砂防局河川企画課
  4. ^ a b c d e 東京帝國大學編纂『古簡集影』11輯、七條書房、1932年。
  5. ^ a b c 鵜藤哲郎「佐束(現在掛川市の1地方名、狭束とかいた時代もあった)」『佐束の歴史』佐束地区センター、2007年9月。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]