レイモンド・ラフッド

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レイモンド・ラフッド

レイモンド・ラフッド(Raymond LaHood, 1945年12月6日 - )は、アメリカ合衆国政治家共和党に所属し、1995年から2009年までイリノイ州選出連邦下院議員、2009年からアメリカ合衆国運輸長官を務めた。

生い立ちと初期の経歴[編集]

1945年12月6日、ラフッドはイリノイ州ピオリアにおいて誕生した。父親のエドワード・M・ラフッドはレバノン系アメリカ人、母親のメアリー・A・ヴォーゲルはドイツ系アメリカ人であった[1][2][3]。ラフッドはイリノイ州ピオリアのスポールディング高校を卒業し、1971年にブラッドリー大学で教育学の学士号を取得した。

ラフッドは学校教師[4]ロックアイランド郡青年局長を経て、1977年から1982年まで連邦下院議員トム・レイルスバックの補佐官を務めた。ラフッドは1982年から1983年までイリノイ州下院議員を務めた後、1983年から1994年まで連邦下院議員ロバート・ミシェルの補佐官を務めた。ラフッドは共和党穏健派が構成するメインストリート派に加わった。

アメリカ合衆国下院議員[編集]

イリノイ州第18連邦下院選挙区選挙結果(1994年-2006年)[5]
民主党候補 得票  % 共和党候補 得票  %
1994年 スティーヴンズ 78,332 39 ラフッド 119,838 60 [6]
1996年 カラン 98,413 41 ラフッド 143,110 59
1998年 (候補者なし) ラフッド 158,175 100 [7]
2000年 ハラント 85,317 33 ラフッド 173,706 67
2002年 (候補者なし) ラフッド 192,567 100
2004年 ウォーターワース 91,548 30 ラフッド 216,047 70
2006年 ウォーターワース 73,052 33 ラフッド 150,194 67

ラフッドは連邦下院議員ロバート・ミシェルの引退を受けて、その後任の座を獲得した。ラフッドは1994年に共和党革命の流れに乗じて、連邦下院議員選挙に勝利した。ラフッドはニュート・ギングリッチが中心となって作成した共和党の公約「アメリカとの契約」に署名を行わなかった[8]

ラフッドは2006年のイリノイ州知事選挙において、再選を目指すロッド・ブラゴジェビッチの対抗馬と目された。だが2005年8月18日、ラフッドは州知事選挙への出馬を否定し、自身の選挙区以外のことはほとんど把握していないと述べた。

ラフッドは2006年の連邦下院議員選挙において、民主党スティーヴ・ウォーターワース[9]を得票率67パーセント対33パーセントで下した[10]。ラフッドはエイブラハム・リンカーンの業績を強く支持し、リンカーンの生誕200年記念委員会の立ち上げに関する法律を起草した。ラフッドは加えて、リンカーン大統領図書館の設置にも関与し、生誕200年記念委員会の委員15人とともに設置を後押しした。

2007年、ラフッドは母校ブラッドリー大学の学長選挙立候補を打診された[11]。これは前学長デイヴィッド・ブロスキーの引退を受けてのものであったが、ラフッドはこの要請を辞退した[12]

下院退役軍人委員会で質疑応答を行うラフッド下院議員

ラフッドの議会下院における投票行動に関しては、いくつかの市民団体がそれぞれの基準で評価を行った。2007年に保守派団体「成長クラブ」が実施した評価では、ラフッドの投票行動のうち成長クラブが好ましいと判断した投票は0パーセントであった[13]。また同じく2007年に「政府の浪費に反対する市民の会」が実施した評価では、ラフッドの投票行動のうち政府の浪費に反対する市民の会が好ましいと判断した投票は11パーセントであった[14]

ラフッドは下院議員在任中、政治専門ケーブルチャンネルC-SPANに論客として最も多く出演した[15]クリントン大統領の弾劾手続きに際しては、弾劾反対側の議員として司会進行役を務めた。

2007年7月26日、ラフッドは翌年の下院議員選挙に立候補しないことを表明した。ラフッドは2009年1月の任期満了をもって下院議員を引退すると言及した[16]

アメリカ合衆国運輸長官[編集]

2008年12月19日、次期大統領バラク・オバマは、次期運輸長官にラフッドを指名したと発表した。ラフッドの指名に関しては、気候変動問題やドーナツ化現象への対応が期待された[17][18][19][20]。多くの批評家はラフッドの経歴に言及し、輸送に関する問題を扱った経験が少ないと指摘した。

ラフッドは運輸長官指名当時、運輸委員会の委員ではなかった。また歳出委員会では運輸予算の拠出に否定的であった[21]。ラフッドの運輸長官起用に関しては、党の枠を超えて支持が集まった。また専門知識の少ないラフッドを起用したことは、運輸省の役割縮小を示唆するものと考えられた。2009年の主要政策討議において運輸省の重要度は低いものとなり、ラフッドには儀礼的な役割が期待された。運輸政策については民主党所属の下院運輸委員会ジェイムズ・オバスター委員長がより大きな影響力を有しており、オバスター委員長には強い指導的役割が期待されていた。オバスター委員長はラフッドについてその気質や経営的才能を賞賛した。またラフッドは1990年代に運輸委員会に所属していた経験があり、オバスター委員長にはその当時のラフッドの人物像について質問が投げかけられた。これについてオバスター委員長は、すぐには思い出せないと口を濁し、「私は、彼(ラフッド委員)が起草した法律について、詳細に述べることができない」と述べた。またオバスター委員長は、「彼(ラフッド委員)は終始一貫して、チームプレイに努めてくれた」とも言及した。そしてオバスター委員長はラフッドについて「政策立案は骨の折れる仕事だが、きっと支援任務を果たしてくれるだろう」と期待を示した[22]

ラフッドは2009年1月21日に連邦上院において、発声投票で運輸長官就任が承認された。ラフッドはオバマ政権閣僚における唯一の共和党員であった[23]

トヨタ・バッシング[編集]

2009年から2010年にかけてのトヨタ・バッシング(トヨタ自動車の大規模リコール)の際にも運輸長官として様々な対応をとった。なお、2011年2月8日の運輸省最終報告ではトヨタ車に事故の原因とみられた欠陥は一切見つからなかったと公表された。

注釈[編集]

  1. ^ Brownson, Charles Bruce (1978). Congressional Staff Directory. Congressional Staff Directory. pp. 765. ISBN. 
  2. ^ http://freepages.genealogy.rootsweb.ancestry.com/~battle/celeb/lahood.htm
  3. ^ Arab Americans
  4. ^ Rep. LaHood Talks History at Holy Family School”. Peoria, Illinois: WEEK-TV (2008年10月8日). 2009年1月27日閲覧。 “Before he entered politics, LaHood was a social studies teacher at Holy Family. "To come back here is really to come back full circle. My interest in politics really was sparked by what I was doing in terms of teaching kids here at Holy Family about the constitution and about government," said LaHood.(ラフッド氏は政界入りする以前、ホーリーファミリー高校で社会科の教師をしていました。ラフッド氏は教師生活の時代について、次のように述べました。「ここに戻ってくるということは、本当に一巡りして戻ってくることなのです。私はホーリーファミリー高校で、子供たちに憲法や政府について教えていました。私が真の意味で政治に興味を抱いたのは、その頃でした。」)”
  5. ^ Election Statistics”. Office of the Clerk of the House of Representatives. 2008年1月10日閲覧。
  6. ^ 記名投票955票および泡沫候補あり
  7. ^ 記名投票2票あり
  8. ^ Obama to Add GOP's LaHood to Cabinet
  9. ^ Waterworth for Congress
  10. ^ Elections 2006 CNN
  11. ^ LaHood Ponders Post The Peoria Star, June 2, 2007
  12. ^ LaHood stays put The Hill, July 10, 2007
  13. ^ The 2007 Club for Growth RePORK Card "The Club For Growth", August 9, 2007
  14. ^ Citizens Against Government Waste 2007 House Scorecard "Citizens Against Government Waste", August 27, 2008
  15. ^ U.S. Congressman Ray LaHood (Archived version from 2003)
  16. ^ LaHood will not seek re-election The Swamp, July 26, 2007
  17. ^ http://www.worldchanging.com/archives/009299.html
  18. ^ http://www.treehugger.com/files/2009/01/congressman-from-caterpillar-transport.php
  19. ^ http://www.alternet.org/environment/114080/ray_lahood_at_transportation,_what_is_obama_thinking/
  20. ^ http://gristmill.grist.org/story/2008/12/17/102613/31
  21. ^ JONATHAN WEISMAN and CHRISTOPHER CONKEY (2008年12月18日). “LaHood to Get Transportation Post”. Wall Street Journal. 2008年12月18日閲覧。
  22. ^ Christopher Conkey (2008年12月18日). “What Role Will LaHood Play in the Obama Cabinet?”. Wall Street Journal. 2008年12月19日閲覧。
  23. ^ http://www.nytimes.com/2009/01/22/us/politics/22lahood.html

外部リンク[編集]

公職
先代:
トーマス・バレット
代理
アメリカ合衆国運輸長官
2009年1月22日 -
次代:
-