リュースナン川

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リュースナン川
リュースナン川 2015年撮影
ヘデヴィーケン(Hedeviken)付近を流れるリュースナン川。
延長 430 km
平均流量 230 m³/s
流域面積 19,820 km²
水源 スカルスフィエレット山ノルウェー語版付近(ヘリエダーレン地方
河口・合流先 ボスニア湾ユースネ英語版スウェーデン語版
流域  スウェーデン
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リュースナン川(リュースナンがわ、Ljusnan / Ljusnanälven)は、スウェーデンの中北部、ヘリエダーレン地方ヘルシングランド地方を流れる河川である。総延長430km、流域面積は19,820km2[1][2]。スウェーデンでは9番目に大きな河川である[3]リュスナン川ユースナン川ユスナ川などとも表記。

地理[編集]

リュースナン川の流路

スウェーデンとノルウェーの国境付近にある、スカンディナヴィア山脈中部のスカルスフィエレット山ノルウェー語版付近を水源とする。スウェーデンの中央部をほぼ横断して概ね南東に流れ、セーデルハムン英語版スウェーデン語版南方のユースネ英語版スウェーデン語版ボスニア湾に流入する[1][4]

流域に多くの湖沼や支流を持ち、流域全体の4%が湖沼にあたる。最大の支流はヴォクスナン川英語版スウェーデン語版[1][2]ロッセン湖スウェーデン語版スヴェグスヨン湖スウェーデン語版などのダム湖がある。

上流部と中流部は針葉樹林地帯で、下流部が農耕地となっている[2]

産業[編集]

河口のユースネのかつての様子。大量の木材を降ろすために発破をかけている。

ヴォクスナン川との合流点にあるボルネスなど、流域には林産加工を中心産業とする小都市をいくつか抱えている[1]

かつては木材流送が盛んであったが、今日では水力発電が発達している。流域内に25か所の水力発電所が建設され、国内での重要な電源地帯のひとつとなっている[1][4][5]

文化[編集]

夏の時期は釣りなどのレジャーが楽しめる。漁業保護のために、禁漁期の指定、ボートの使用制限、餌付きの釣りを禁止しフライ・フィッシング限定とするなどの規制がある[3]

スウェーデンの作家、ハンス・リッドマンスウェーデン語版が作品の舞台とした「スヴァルタン」(Svartån)は、この流域付近を指すとされる[5]

画像[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 『世界地名大事典』(2016)。
  2. ^ a b c 『日本大百科全書』(1988)。
  3. ^ a b Fiska i Ljusnan - Ljusdals Fiskevårdsområde. 2024-03-16閲覧。
  4. ^ a b 『ブリタニカ』小項目6(1991)。
  5. ^ a b Ljusnan River” (Swedish) (2006年11月). 2010年8月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月16日閲覧。

参考文献[編集]

  • 『世界地名大事典 6 ヨーロッパ・ロシア〈ヒ-ワ〉』 朝倉書店、2016年、3185頁「ユースナン川」項(塚田秀雄著)。
  • 『日本大百科全書 23』 小学館、1988年、32頁「ユースナン川」項(田口雄作著)。
  • 『ブリタニカ国際大百科事典 6 小項目事典TBSブリタニカ、1974年初版/1991年第2版改訂、848-849頁「リュースナン川」項。