ミッシュブロート

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オーストリアのロッゲンミッシュブロート

ミッシュブロートドイツ語: Mischbrot)はドイツのパングラウブロートドイツ語: Graubrot)と呼ばれることもある[1]

概要[編集]

ミッシュ(混ぜる)、ブロート(パン)の意味であり、「ライ麦小麦粉を混ぜて作ったパン」である[2]。また、ライ麦粉で作るロッゲンブロート(ライ麦パン黒パン)とヴァイツェンブロート(ヴァイスブロート、白パン)との間、黒パンと白パンの間という意味で、「灰色のパン(グラウブロート)」とも呼ばれるが、実際に色が灰色というわけではない[1]

ドイツでは、味の指標としてライ麦比率が表示されていることが多い[2]。これは、ライ麦の比率が高いほど、生地が重たくなり、酸味も強くなる傾向があるためである[2]。一般的にはライ麦比率が高いパン(重たい生地のパン)ほど薄めにスライスした方が食べやすい[2]

ドイツ食品法の規定[編集]

ドイツ連邦食糧・農業省が定める「大型と小型パンの指導原則(Leitsätze für Brot und Kleingebäck)」では以下のように定められている[3][4]

ヴァイツェンミッシュブロート(ドイツ語: Weizenmischbrot
小麦粉の比率が51%から89%で製造されている(ライ麦粉の比率が50%未満)のパン[4]
ロッゲンミッシュブロート(ドイツ語: Roggenmischbrot
ライ麦粉の比率が51%から89%で製造されている(小麦粉の比率が50%未満)のパン[4]

なお、比率が90%を超える場合はミッシュブロートではなく、ヴァイツェンブロート、ロッゲンブロートとなる。

別名[編集]

ミッシュブロート、グラウブロートのどちらの名称を用いるかは販売、製造する業者、パン屋に任されているが、各地域の伝統的な名称で呼ばれることも多い[1]。以下に例示する[1]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 森本智子「グラウブロート」『ドイツパン大全: 100以上におよぶパンの紹介をはじめ、材料、作り方、歴史や文化背景、食べ方やトレンドまでを網羅』誠文堂新光社、2017年、33頁。ISBN 978-4416517314 
  2. ^ a b c d ドイツパンをおいしく食べるコツ”. 日清製粉グループ. 2022年12月27日閲覧。
  3. ^ Leitsätze für Brot und Kleingebäck” (ドイツ語). 連邦食糧・農業省. 2022年12月27日閲覧。
  4. ^ a b c 【独逸見聞録】ブロートの定義 ~大型パン(其の壱)~”. 辻調グループ校 (2011年6月15日). 2022年12月27日閲覧。

関連項目[編集]