マーシン・パトルザレク

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Marcin Patrzałek
出身地 ポーランド
職業 ミュージシャン、ギタリスト、アレンジャー
担当楽器 アコースティックギター
活動期間 2015-
レーベル ソニーミュージック、ソニーマスターワークス
公式サイト https://marcinofficial.com/

マーシン・パトルザレク(ポーランド語:Marcin Patrzałek, 2000年10月6日 - )は、 ポーランドのギタリスト、作曲プロデューサー。フィンガースタイルとパーカッシブギターの技法を現代の電子音楽や管弦楽と組み合わせたクロスオーバーな音楽を創作している。[1][2][3][4] 2015年にポーランドの才能発掘番組『Must Be The Music』[5] で優勝し、賞金約300万円(100,000 Polish złoty)と、ポーランドのラジオ局RMF FM[6]での約300万円分のプロモーション費を獲得した。ポーランドでの成功の後、デビューアルバム『HUSH』をリリース。 このアルバムにはパーカッシブにアレンジしたイサーク・アルベニス"Asturias";[7] が含まれており、ミュージックビデオはフィンガースタイルレーベルの CandyRat Recordsより公開された。 人気はポーランド国外に急速に広がり、ミュージックビデオはローリング・ストーンや、Metal Hammer、 Classic FM、 Guitar World、Billboard など主要媒体で取り上げられている[8][9][1][10][11]

パトルザレクのパフォーマンス動画は2億回以上再生されており [要出典]、アコースティックギター1本で奏でるピアノソナタ第14番 (ベートーヴェン)交響曲第5番 (ベートーヴェン)等クラシック音楽のアレンジから、ポピュラー、ロック、そして自作曲に至るまで、幅広いジャンルの演奏をアップしている。

2018年には、日本発のギターブランドとして知られるIbanez acoustic guitarsの公式エンドーサーになった。[2][3]同年、イタリアの才能発掘番組である Tu Si Que Valesの第5シーズンで優勝し、Canale 5[12]で放送され、審査員からのスタンディングオベーションを受ける。その時の賞金は10万ユーロであった[13]。後に、『アメリカズ・ゴット・タレント』に出場し、海外での知名度を高めると同時に、パフォーマンスはネット上でも非常に話題を呼び[14]InstagramTikTok で、 トム・モレロポール・スタンレー、 Dweezil Zappa、Tosin Abasi 、ヴァーノン・リードなどの著名人からも称賛を得ている.[10]

2020年初頭、Sony Musicの子会社であるSony Masterworksと独占レコーディング契約を結び、2枚のシングルがリリースされた。[15]2023年には、Netflixの実写ドラマ『ONE PIECE (テレビドラマ)』で、ミホークのキャラクターのテーマ曲を作曲。

2010–2015: キャリアのスタートと『Must Be The Music』 での優勝[編集]

地元の教師であった Jerzy Pikorの指導の下、10歳でクラシック・ギター を弾き始める。[6][16] 2年後、スペインのギタリストCarlos Pinanaからフラメンコ の奏法を学び、13歳の頃にはアコースティックギターでフィンガースタイルの演奏を始めた。[2][6] それから1年間、自己流の練習を続け、2015年にポーランドの才能発掘番組『Must Be The Music』の第9シーズンで優勝。また、その頃には、パソコンで電子音楽を制作し、それをギター演奏と組み合わせることを始め、デビューアルバム『HUSH』に繋がっている。

2016–2018: デビューアルバムと、イタリア番組『Tu Si Que Vales』、Revamp EP[編集]

2016年16歳で、ポーランドのレーベル My Musicより、デビューアルバム『HUSH』をリリースする。このアルバムには、アコースティックギターに電子音楽や管弦楽の要素を取り入れた6つのオリジナルトラックやアレンジ、電子リミックス曲が含まれている。[17] 同年に行われた国際フィンガースタイルコンペティション「ギターマスターズ」でファイナリストに、翌年には国際クラシックギターホアキン・ロドリーゴコンペティションで優勝している。[18] 2018年3月、日本発のギターブランドIbanez guitarsの公式エンドーサーに就任。パトルザレクの使用モデルは AE900-NT。

この頃、YouTubeに投稿したソロギターアレンジ動画が注目を集め始め、特に2016年に投稿したシステム・オブ・ア・ダウン の 「Toxicity」アレンジは、YouTubeやFacebookで数千万を超える再生回数を記録し、自身初のバズとなった。その後、フィッシュマン (企業)WLゴア&アソシエイツ などの企業の広告にも起用されている.[19]

2018年、イタリアの才能発掘番組『Tsu Si Que Vale』第5シーズンに出演。オーディションの中で披露したベートーヴェン第5交響曲のアレンジは、満場一致で賛成票を獲得し、決勝進出。決勝ではQueenの「Innuendo を組み合わせた自作曲「Asturias」のアレンジを披露した。最終候補者3名の中で、視聴者票を50%以上獲得し優勝する。[12][13]

2018年11月12日、初のEPとなる『Revamp』をリリース。人気のアレンジをまとめたコンピレーションレコードである。同年、オリジナルシングル『Baba Yaga』もリリース。[7]

2019–現在まで: 『America's Got Talent』への出演とレコード契約[編集]

オーディション番組出演や、パフォーマンスビデオがネット上で話題になった後、パトルザレクは2018年と2019年に複数の国でツアーを行っている。

2019年には 『America's Got Talent』シーズン14に出演し、準決勝で敗退。 [14] [20] この時のパフォーマンスがきっかけとなり、ソニー・ミュージックの傘下であるソニー・マスターワークスと独占契約を結ぶことになる。[15] これまでに「Moonlight sonata」[21] と 「Snow Monkey」の2つのシングルがリリースされている。[22] いずれも自身のプロデュースにより、モダンでエレクトロニックな要素を含んでいる。「Snow Monkey」はこれまでの作品やスタイルとは異なり、重いレゲトン の影響を受けている。 新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)の中、InstagramやTikTokなどのソーシャルプラットフォームでの活動が増えたことにより、数百万に上るフォロワーを集めた。

2022年3月、パトルザレクはロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催された7つのコンサートに、特別ゲストとして出演している。 [23] Youtubeでは、日本人ギタリスト Ichika Nitoと初のコラボレーションを行い、「Just The Two Of Us」をギターアレンジで披露した。[24]

パトルザレクは、メジャーレーベルデビューアルバムの制作に取り組んでいると述べている。[要出典][citation needed]

Year Title
2016 Hush

脚注[編集]

  1. ^ a b This solo guitar arrangement of Beethoven's 5th Symphony is sensational” (英語). Classic FM. 2018年12月26日閲覧。
  2. ^ a b c “Marcin Patrzałek | Ibanez guitars”. オリジナルの2018年10月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20181004225816/http://www.ibanez.com/artist/u_artist_detail.php?cat_id=3&artist_id=1383 2018年10月4日閲覧。 
  3. ^ a b “Guitar Summit 2018: Acoustic & Electric Party” (ドイツ語). Gitarre & Bass. (2018年7月26日). https://www.gitarrebass.de/stories/guitar-summit-2018-acoustic-electric-party/ 2018年10月21日閲覧。 
  4. ^ Marcin - YouTube”. www.youtube.com. 2021年2月16日閲覧。
  5. ^ “Introducing talented guitarist Marcin Patrzałek” (英語). Music Crowns. (2017年8月4日). https://www.musiccrowns.org/viral/37374/ 2018年10月4日閲覧。 
  6. ^ a b c Bilska, Anna. “Chłopak z gitarą rozkochał w sobie całą Polskę. Poznajcie Marcina z Kielc zwycięzcę "Must be the Music" (Wideo)” (ポーランド語). echodnia.eu. https://echodnia.eu/swietokrzyskie/chlopak-z-gitara-rozkochal-w-sobie-cala-polske-poznajcie-marcina-z-kielc-zwyciezce-must-be-the-music-wideo/ar/8135262 2018年10月4日閲覧。 
  7. ^ a b Marcin Patrzałek” (英語). Spotify. 2018年10月4日閲覧。
  8. ^ Martoccio, Angie (16 February 2021). "Watch 20-Year-Old Guitar Virtuoso Marcin Rip Through Led Zeppelin's 'Kashmir'". Rolling Stone (アメリカ英語). 2021年2月18日閲覧
  9. ^ Marcin Patrzalek (2016-08-11), Marcin Patrzalek - Toxicity (System of a Down) - Solo Acoustic Guitar, https://www.youtube.com/watch?v=uc4gk8NLeFs 2018年10月4日閲覧。 
  10. ^ a b Owen (2021年2月15日). “This mind-blowing fingerstyle reimagining of Led Zeppelin's Kashmir has guitar heroes raving” (英語). guitarworld. 2021年2月16日閲覧。
  11. ^ "Marcin Patrzalek Mesmerises With Guitar Solo on 'America's Got Talent': Watch". Billboard. 27 August 2019. 2021年2月16日閲覧
  12. ^ a b Rep”. rep.repubblica.it (2018年12月21日). 2018年12月26日閲覧。
  13. ^ a b Chi è Marcin Patrzalek, vincitore di 'Tu si que vales 2018'” (イタリア語). Today. 2018年12月26日閲覧。
  14. ^ a b Archived at Ghostarchive and the Wayback Machine: Judge Cuts 3 CRAZY RESULTS: Did Your Faves Make It? America's Got Talent 2019”. YouTube. 2021年2月16日閲覧。
  15. ^ a b Marcin” (英語). Sony Masterworks. 2021年2月16日閲覧。
  16. ^ Studium gitary klasycznej w Kielcach – Jerzy Pikor Nauka gry na gitarze. » O szkole” (ポーランド語). sgk-kielce.pl. 2018年10月4日閲覧。
  17. ^ Marcin Patrzałek Hush CD” (ポーランド語). mymusicshop.pl. 2018年10月21日閲覧。
  18. ^ Guitar Masters 2016 - Fingerstyle - Live Stream, (2016-11-15), https://www.youtube.com/watch?v=BYbhw9W9ShE&t=36616 2018年10月4日閲覧。 
  19. ^ Shadrick (2020年1月18日). “Fishman PowerTap Earth Demo” (英語). www.premierguitar.com. 2021年2月16日閲覧。
  20. ^ 'America's Got Talent' jaw-dropper: Luke Islam eliminated one week before Season 14 Finals”. 2019年9月12日閲覧。
  21. ^ Marcin - Moonlight Sonata on One Guitar (Official Video)”. YouTube (2020年6月26日). 2024年4月18日閲覧。
  22. ^ Marcin - Snow Monkey (Official Video)”. YouTube (28 Aug 202). 2024年4月18日閲覧。
  23. ^ Classical Spectacular”. www.royalalberthall.com. 2022年4月12日閲覧。
  24. ^ Matt Owen (2022年4月5日). “Ichika Nito and Marcin trade exhilarating six-string blows in epic electric vs acoustic guitar duel” (英語). guitarworld. 2022年4月12日閲覧。

外部リンク[編集]