バスコ・ベアルネーズ

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バスコ・ベアルネーズ

バスコ・ベアルネーズフランス語: Basco-béarnaise)またはバスカ・カランサナ (バスク語: Vasca Carranzana)は、バスク地方原産の家畜化されたヒツジ品種である。利用は羊乳の生産に限られ[1]、羊毛や羊肉の利用は行われない。

起源[編集]

垂れ下った羊毛を持つヒツジの品種の系統に起源を持つ。これらのヒツジはジロンド川沿いの平原を越えたピレネー山脈周辺のバスク地方ベアルン地方の牧草地に群がっており、1960年代にバスコ・ベアルネーズに発展した。

形態[編集]

オス・メスともに白色の単色であり[2]、頭部と蹄は赤みがかった黄色である。オスには必ずが生えるが、メスには角が生えるものも生えないものもいる[1]。羊毛は長く、白く、垂れ下っており、角は耳の周りで渦を巻いている。成熟したオスの平均体重は80kg、鬐甲部までの平均体長は90cmである。成熟したメスの平均体重は55kg、鬐甲部までの平均体長は75cmである[2]

利用[編集]

バスコ・ベアルネーゼは農村品種であり、春には子羊を産み、夏には羊乳を生産する。メスは授乳期間130日間に、脂肪分(7.42%)とタンパク質(5.39%)が豊富な羊乳を約120リットル生産する。羊乳はAOC認定されているオッソー・イラティ(チーズ)などに使用される。

脚注[編集]

  1. ^ a b Basco-Béarnais”. Breeds of Livestock. オクラホマ州立大学動物科学学科. 2008年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年5月15日閲覧。
  2. ^ a b Béarnais/France”. Breed data sheet. Domestic Animal Diversity Information System. 2009年5月15日閲覧。