ハイアワサの歌

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ハイアワサと妻ミネハハの像(アメリカ合衆国・ミネアポリス

ハイアワサの歌』(ハイアワサのうた、The Song of Hiawatha)は、1855年に発表されたヘンリー・ワーズワース・ロングフェロー叙事詩で、インディアンの英雄を謳った英雄譚である。

主人公の「ハイアワサ」は、イロコイ連邦をまとめ上げた、実在のモホーク族インディアンの戦士、酋長である。しかし、実際のストーリーはハイアワサの部族とは関係のない、オジブワ族のトリックスターである「ナナボーゾ」の神話をベースにしている。これは、19世紀中頃にこの詩を編纂したヘンリー・スクールクラフトによる混同がもととなっている。つまり、ロングフェローは「ナナボーゾの歌」のつもりであったが、いつの間にか「ハイアワサの歌」にすり替わってしまい、現在も誤解されたままになっているのである。

北欧神話の『カレワラ』とイメージが共通しているが、これはインディアン神話も北欧神話もそのモチーフを「水の中から大地が生まれ世界が形成された」と伝えているからである。

結局、何の関係もないハイアワサは、この詩による誤解によってステレオタイプなインディアンのイメージを植え付けられることとなった。

イロコイ連邦国のひとつ、タスカローラ族のエリアス・ジョンソン酋長はこの「ハイアワサの歌」が植え付けるインディアンへの「悪いイメージ」についてこう抗議している[1]

「ありとあらゆるインディアンの肖像が、手に頭皮剥ぎのナイフとトマホークを持った姿で描かれて、まるで野生の蛮人の象徴扱いにされている。 それはキリスト教徒たちの国が、彼らの仕事、正義の象徴として、常に大砲や弾丸、剣、およびピストルを伴っているのと同じような具合で行き渡らされているように思える。

脚注[編集]

  1. ^ 『Legends, Traditions and Laws of the Iroquois, or Six Nations, and History of the Tuscarora Indians』(1881年)

関連項目[編集]