ニコラス・ペリコン

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ニコラス・ペリコン(ニコラス・ペリコーン、Dr. Nicholas Perricone、 1948年7月23日 - )は、ミシガン州立大学医学部准教授、皮膚科医、米国栄養学会(FACN)役員、アンチエイジングの研究者、エイジングケアを目的としたスキンケアサプリメントブランドPerriconeMD(ペリコンMD)の開発者。

概要[編集]

米国の皮膚科医でエイジングケア研究者。細胞レベルの炎症が疾病や老化を引き起こすとして、活性酸素による細胞へのダメージを最小化するライフスタイルの啓蒙活動を行っている。食事、サプリメント、スキンケアで抗酸化力の高い天然の栄養素を取り入れるThe 3-Tiered Philosophyは、老化防止だけでなく、美肌を作るとしている。

研究[編集]

栄養学[編集]

青年期に、自らのニキビ症とアレルギー体質を克服するために、ビタミンCの提唱者である医師ライナス・ポーリング(Linus Carl Pauling)や、栄養士のアデル・デービス(Adelle Davis)などの栄養学の著書を読みあさり、ビタミンの経口投与を試した結果、肌や体調に改善がみられたことから、栄養学に興味を持つようになる。その後、筋ジストロフィー協会のコネチカット州の支局長となり、ビタミンEを大量摂取した筋ジストロフィー患者の症状が改善したという事例に感銘を受け、慢性の治療不能な疾患の治療薬としてのビタミンの研究に本格的に着手した。

抗炎症理論[編集]

ガン細胞の研究から、細胞レベルでの炎症が、ガンなどの急性、又は慢性病の根本的な原因であるとし、これを押さえる物質を摂ることで疾病の予防につながるとした。

炎症と老化[編集]

老化も、時間の経過によって自然に起こる内因性老化に加え、外部からの刺激によって引き起こされる炎症に起因する外因性老化があるとし、ライフスタイルの改善でその予防が可能であるとしている。外的刺激を受ける行動を控えることと、それによって引き起こされる活性酸素の働きを抑える抗酸化物質を摂取することである。活性酸素を増加させるものとして、紫外線、大気汚染、喫煙、過度な運動、睡眠不足、糖の消化、水分補給不足、刺激のあるスキンケアの使用などを挙げている。

The 3-Tiered Philosophy[編集]

食事、サプリメント、スキンケアで抗酸化物質を補う生活をすることで、老化を遅らせ、また細胞ダメージを修復できるとした理論を発表し、その啓蒙書を出版。内3冊は、米国ニューヨーク・タイムズ紙の実用書ベストセラーとなる。

抗酸化物質の皮膚からの投与[編集]

活性酸素が肌の細胞やコラーゲンを破壊し、ハリを失わせ、シワを作ることから、抗酸化物質によりダメージを遅らせ、また、修復する機能性化粧品を開発した。配合される成分には、以下のものがある。

  • ビタミンCエステル
  • アルファリポ酸
  • ジメチルMEA
  • ホスファチジルコリン
  • アスタキサンチン
  • トコトリエノール
  • オリーブ・ポリフェノール
  • アシル・グルタチオン

ビタミンCエステル(脂溶性ビタミンC)[編集]

活性酸素はハンガリーの科学者イムレ・ナジ(Imure Nagy)博士の発見「老化細胞膜仮説」(the membrane hypothesis of aging)から、ニコラス・ペリコンは、活性酸素による細胞のダメージは分子密度の高い細胞膜に集中することに着目し、脂肪に覆われた細胞膜に浸透し、長く留まる脂溶性のビタミンC(ビタミンCエステル)を局所的投与するスキンケアを開発した。ビタミンCエステルは、水溶性のLアスコルビン酸に比べ、肌への吸収性、安定性が高く、酸化しにくく、赤み・刺激が起こりにくい。また、分子生物学者のオルガ・マルコ(Olga Marko)博士は、ビタミンCエステルの一種パルミチン酸アスコルビル(Ascorbyl Palmitate)を人の肌に塗布する実験により、コラーゲンとエラスチンを生成する繊維芽細胞の成長促進効果があることを証明した。

ジメチルMEA(DMAE, ジメチルアミノエタノール)[編集]

老化によって体内の神経伝達物質アセチルコリンが減少することにより、筋肉の緊張が失われ、頬や首のたるみが表れることから、アセチルコリンの前駆体であるジメチルMEAをスキンケアに配合し塗布する実験を行った結果、表情筋のたるみが改善しシワの減少が見られた。ジメチルMEAは、脳の働きに対する効果も報告されている。

アシル・グルタチオン[編集]

中枢神経系疾患の治療のために薬物投与されている患者の肌が、治療後に若返って見えることから、脳と肌の関係性の研究に着手。S-アシル-グルタチオン誘導体のS-パルミトイルグルタチオン(S-Palmitoylglutathione)がコラーゲンやエラスチンを生成する繊維芽細胞に作用し、シワの刻まれた肌を復元し若返らせるという実験結果を得た。アシル・グルタチオンはトランスケトラーゼを活性し、タンパク質糖化、及び、AGE形成を阻害するため、コラーゲンの硬化を防ぎ、シワを予防する効果がある。また、皮膚の明色化(美白)作用も報告されている。グルタチオンは、体内で生成される物質であるが、加齢と共にその量が減少する。

The Brain-Beauty Connection(脳と肌の関係性)[編集]

アセチルコリンやグルタチオンなどの脳の活性化に効果が見られる物質に肌を若返らせる効果が見られるのは、肌と脳は人間の発生段階に同じ外肺葉から発生するため、脳や神経系の活動を促進するものは、肌にも効果がみられるのではないかと考察、The Brain-Beauty Connection(脳と肌の関係性)として著書で発表した。

3日間フェイスリフトダイエット[編集]

長年のエイジングケア研究と臨床事例を一般向け紹介した最初の著書 The Wrinkle Cure(リンクルキュア)が話題を呼び、米国ABCのテレビ番組「グッドモーニング・アメリカ」に出演。3人の一般女性の肌を、自ら開発した3日間の食事プログラム(Three Day Nutritional Face Lift )で若返らせる実験を行った。パーソナリティーのダイアン・ソイヤー(Diane Sawyer)は最初懐疑的であったが、その結果に驚いた。

略歴[編集]

  • 1997年-2002年 エール大学医学部皮膚科 助教授
  • 2002年-現在 ミシガン州立大学医学部 准教授
  • 1997年-現在 国際肌老化シンポジウム(International Symposium on Aging Skin)会長  

所属団体[編集]

  • 米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology)役員
  • 米国皮膚科評議会(American Board of Dermatology)役員
  • 米国栄養学会(American College of Nutrition)役員
  • ニューヨーク科学アカデミー(New York Academy of Sciences)

著書[編集]

  • ペリコーン博士のアンチエイジング革命―今から間に合うカラダ改革!10年前の肌を取り戻せ!(幻冬舎ルネッサンス 、2005)
  • カリスマ名医ペリコーン博士の美肌革命―きれいになりたい人の奇跡のプログラム (青春出版社、2003)
  • リンクルキュア―こうすればシワは治せる(ネコパブリッシング、2002)
  • Forever Young: The Science of Nutrigenomics for Glowing, Wrinkle-Free Skin and Radiant Health at Every Age. (Atria Books, 2010)
  • Ageless Face, Ageless Mind: Erase Wrinkles and Rejuvenate the Brain. (Ballantine Books, 2007)
  • Dr. Perricone's 7 Secrets to Beauty, Health, and Longevity: The Miracle of Cellular Rejuvenation. (Ballantine Books, 2006)
  • The Perricone Weight-Loss Diet: A Simple 3-Part Plan to Lose the Fat, the Wrinkles, and the Years. (Ballantine Books, 2005)
  • The Perricone Promise: Look Younger, Live Longer in Three Easy Steps. (Warner Books, 2004)
  • Dr. Nicholas Perricone's Programme: Grow Young, Get Slim, in Days! (Thorsons, 2004)
  • The Clear Skin Prescription : The Perricone Program to Eliminate Problem Skin. (HarperCollins, 2004)
  • The Acne Prescription: The Perricone Program for Clear and Healthy Skin at Every Age. (HarperCollins, 2003)
  • The Perricone Prescription: A Physician's 28-Day Program for Total Body and Face Rejuvenation. (Harper, 2002)
  • The Wrinkle Cure: The Formula for Stopping Time. Vermilion, 2001.
  • The Wrinkle Cure: Unlock the Power of Cosmeceuticals for Supple, Youthful Skin. (Rodale, 2000)

参考文献[編集]

  • The Wrinkle Cure: Unlock the Power of Cosmeceuticals for Supple, Youthful Skin. (Rodale, 2000)
  • Forever Young: The Science of Nutrigenomics for Glowing, Wrinkle-Free Skin and Radiant Health at Every Age. (Atria Books, 2010)
  • カリスマ名医ペリコーン博士の美肌革命―きれいになりたい人の奇跡のプログラム (青春出版社、2003)
  • 3層のフィロソフィー(The 3-Tiered Philosophy) 
  • Dr. Perricone's Three Day Nutritional Face Lift
  • Nagy I. The Membrane Hypothesis of Aging. CRC Press. 1994.

外部リンク[編集]