チョン・カーケイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2018年11月8日、香港中文大学

蔣嘉琦チョン・カーケイKei Chiong1992年12月10日 - )は、香港ジョッキークラブに所属していた元見習騎手

来歴[編集]

2012年2月22日、香港ジョッキークラブが運営する見習騎手学校に入学し、騎手訓練を開始する。その後、これまでの見習騎手同様に、ニュージーランドに渡り、同地で見習騎手として騎乗を開始し、通算453戦44勝を記録した。

2015年8月に香港へ戻り、呂健威厩舎の所属騎手となって引き続き指導を受け、ジョッキークラブより見習騎手免許を獲得。2015/2016年シーズンより香港での騎乗を開始した。香港では、1993年に最初の女性騎手が誕生してから5人目の女性騎手デビューとなり、また2000年5月に余詠詩騎手が引退して以来、15年ぶりのジョッキークラブ所属女性騎手となった。

なお2016年3月10日までは、沙田競馬場のみ騎乗可能な限定免許であったが、以後はハッピーバレー競馬場でも騎乗可能となった。

騎乗記録[編集]

2015年9月6日、沙田競馬場で香港での騎乗を開始し、この日は4戦して2着が1回だけであったが、10月10日の第4競走で香港での初勝利を挙げた。

しかし、12月13日の第3競走にて、ゴール直前で落馬して指を骨折し、2016年2月21日までの2ヶ月間、休養を余儀なくされた。

2月28日、第1競走にて復帰後初勝利を挙げると、3月6日には特別競走[1]で勝利を挙げ、また3月16日には、ハッピーバレー競馬場でも初勝利を記録した。

4月10日には、11競走中7回騎乗して4勝(2着1回)を挙げ、騎師王[2]こそジョアン・モレイラ騎手に譲ったものの、現地メディアでは、「香港競馬の歴史を創った。」と高く評価された[3]

5月1日、第5競走でその日2勝目を挙げて通算20勝目に到達し、それまでの余騎手が持っていた女性騎手の勝利数記録である19勝を、わずか1季で破った。またこれにより、デビュー以来10ポンドの減量が与えられていたのが、7ポンドに変更となった。

5月7日終了時点で22勝を記録し、リーディング争いでも10位につけていた。

7月10日のシーズン終了を持って37勝を記録した。

2018年1月8日をもって騎手を引退した。

日付 競馬場・開催 競走名 馬名 頭数 人気 着順
初騎乗 2015年9月6日 沙田競馬場5R クラス4ハンディ 尊皇速龍 14頭 9 6着
初勝利 2015年10月10日 沙田競馬場4R クラス4ハンディ 頌友 12頭 2 1着
重賞初騎乗 2016年6月19日 沙田競馬場3R G3 精英プレート 人強馬勁 7頭 3 6着

年度別成績表[編集]

  • 香港競馬
シーズン 騎乗数 勝利 勝率 獲得賞金
勝数 順位
2015年/2016年 319戦 37勝 6位 (香港籍1位) 11.6% 34,408,800香港ドル
通算 319戦 37勝 6位 (香港籍1位) 11.6% 34,408,800香港ドル

※金額の単位は香港ドル、成績は2016年7月10日時点(通算成績は、香港ジョッキークラブでの記録のみ)。

人物・エピソード[編集]

  • 香港では15年ぶりの女性騎手という事もあって、デビュー以来大変注目されており、ファンやメディアからは、「蔣小妹」・「嘉琦BB」(BBは「ベイビー」の意味)などの愛称で呼ばれている。女性騎手という事で、当初はアイドル的な扱いも受けたが、その後は騎乗技術を評価されている。

脚注[編集]

  1. ^ いわゆる「ステークス」(讓賽)の事で、一般競走より賞金が高く、勝利騎手や馬主には、記念品などが贈呈される。
  2. ^ その日最も活躍する騎手を予想する投票。
  3. ^ 最初の騎師王は、4月27日のハッピーバレー競馬場での競走で獲得した(7戦2勝2着2回)。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]