タクシ
| 氏族 | アイシン･ギョロ氏 (ギョロ氏)[1] |
| 名称表記 | |
|---|---|
| 仮名 | タクシ |
| 転写 | taksi |
| 漢文 | |
| 廟号 | 顕祖 (iletulehe mafa) |
| 諡号 | 宣皇帝 (hafumbuha hūwangdi) |
| 生歿即位 | |
| 出生年 | 不詳[4] |
| 死歿年 | 万暦11 (1583) |
| 一族姻戚 | |
| 祖父 | フマン |
| 父 | ギョチャンガ |
| 子 | ヌルハチ |
タクシは、ギョロ氏 (アイシン･ギョロ氏)[1]女真族。アイシン･グルン (後金) 始祖・ヌルハチの父。明朝後期の建州左衛の酋長。
同じ建州部のトゥルン (turun, 図倫) 城主・ニカン･ワイラン (nikan wailan, 尼堪外蘭) がグレ (gure, 固勒) 城主・アタイ (タクシの姪婿) を攻めた為、救出にむかったが、巻き込まれて父・ギョチャンガとともに殺害された。
一族[編集]
父祖兄弟[編集]
- フマン：清興祖直皇帝。
妻妾子孫[編集]
- 正妻[5]・エメチ (額穆斉, emeci)：ヒタラ (hitara, 喜塔喇) 氏。アグ (agu, 阿古) 都督の娘。宣皇后。
- 後妻[6]・コンジェ (懇哲, kenje)：ハダナラ氏。ハダ国主・ワンの養女。
- 子・バヤラ (bayara, 巴雅喇)：出生年不詳。尊号：ジョリクトゥ (卓里克図)、諡号：篤義剛果貝勒。
- 側室 (名不詳)
- 子・ムルハチ (murhaci, 穆爾哈斉)：1561年生。尊号：チン･バトゥル (青巴･図魯)、諡号：誠毅勇壮貝勒。
脚註[編集]
- ^ a b アイシン･ギョロ･ハラは、ヌルハチがアイシン･グルン (後金) を樹立した際に考え出された氏族名で、それまではギョロ･ハラか、あるいは別の氏族名 (トゥンギャ･ハラ＝佟佳氏?) であった、とも言われるため、ここには二つ記載した。なお、タクシより下の世代をアイシン･ギョロのウクスン (宗室) とし、タクシの父・ギョチャンガの兄弟 (長祖、二祖、三祖、五祖、六祖) はギョロ･ハラとして区別された。
- ^ 『清朝全史』上巻に、明朝側でこう呼称されるとあるが、『明實錄』には該当する人物がみつからない。(同名が多く、建州左衛の塔失でも恐らく二人はいる。)
- ^ 編輯前から記載があったため、一応のこしたが、典拠不詳。
- ^ 『明英宗實錄』巻361「天順八年正月14日」の記事に「○建州左等衛女直都指揮塔失等……俱來朝貢馬」とみえる。その前の年7年の記事にも同名の人物はみられるが「弗提等衛指揮使塔失」「毛憐衛指揮僉事塔失」と、別の衛。ただ、仮に天順8年時点で20歳だとすると、万暦11 (1583) 年の死歿時点で139歳ということになってしまう。天順の次の成化にみられるのは全て別の衛。その次に古いのは弘治18 (1505) 年で、この時20歳だとすると、死亡時で98歳となり、同日にタクシの父・ギョチャンガも殺害されていることを思えばやはり非現実的。
- ^ 『滿洲實錄』巻1「嫡福金」
- ^ 『滿洲實錄』巻1「側福金」
参照[編集]
史籍[編集]
- 編者不詳『滿洲實錄』四庫全書, 1781 (漢文) ＊中央研究院歴史語言研究所版
- 編者不詳『manju i yargiyan kooli (滿洲實錄)』四庫全書, 1781 (満文)
研究書[編集]
- 稻葉岩吉『清朝全史』早稲田大学出版部, 1914
- 今西春秋『満和蒙和対訳 満洲実録』刀水書房, 1992 (和訳) ＊和訳自体は1938年に完成。
- 安双成『满汉大辞典』遼寧民族出版社, 1993 (中国語)
- 胡增益 (主編)『新满汉大词典』新疆人民出版社, 1994 (中国語)
- 『五体清文鑑訳解』京都大学文学部内陸アジア研究所 (和訳)
Webサイト[編集]
- 栗林均「モンゴル諸語と満洲文語の資料検索システム」東北大学
- 「明實錄、朝鮮王朝実録、清實錄資料庫」中央研究院歴史語言研究所 (台湾)