シューター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

シューター

  • 射撃競技者。
  • 総合格闘技の修斗(シューティング)の競技選手。
  • シューティングゲーム。当該項目を参照。(英語では、"shooter" と表記することが一般的)
  • シューティングゲームを好んでプレイするゲーマーの名称。本項では、これについて記述する。

ビデオゲームでの用語として使われる『シューター』とは、シューティングゲーム、特に縦横方向強制スクロールのシューティングゲーム(狭義には、アーケードゲームに限定される)をすることを好む人(ゲーマーおたく)のこと。

この言葉の初出は明らかではないが、アーケードゲーム専門誌「ゲーメスト」の中で度々用いられたことがシューターという呼称の普及に大きく関わっていると言う説がある。

目次

[編集] シューターの特徴

シューティングゲームはコンピューターゲームの中でも歴史が長く、基本システムがほぼ完成されている一方で、完成されているが故にその難易度の高さや、慣習的攻略方法の多さ、とっつきの悪さからプレイする人を選ぶ傾向がある。このためシューターとなるには訓練(やりこみ)やセンス(反射神経)が必要となる。これは特にライトゲーマーカジュアルゲーマー)の志向とは対極的で、中でもシューティングゲームを好む女性は少数とされる。また、画面遅延(操作遅延)が起きることを嫌うため、よりコアなシューターはCRTディスプレイでやりこみを行う事が多い。同様の理由で無線式コントローラーを嫌う。

また、大部分のシューティングゲームは硬派志向で、萌えを持ちこむことは上級シューターの間では(プレイヤーの趣味に関わらず)嫌われる傾向にあった。2006年12月現在、硬派志向は根強いものの、一時期ほどではないと思われる。萌えとシューターを参照。

以上の二点から自らジャンルの幅と客層を狭めてしまうことになったことがシューティングゲームの衰退する要因の一つとなったと言われている。

[編集] プレイの傾向

一般にシューターと呼ばれる人間は、以下のような点でプレイの傾向が入門者と一線を画す。逆に、下記の操作を自然にこなせるようになると、シューターの仲間入りと言える。

  • レバーの逆手持ち:主に中指と薬指の間にレバーを挟み、親指・人差し指・中指でボールを包み込むように持つ。シューターに限らず年季の入ったゲーマーは大抵この持ち方になっている。但し、テーブル筐体全盛期以前の短いレバーでこれを行うと指を負傷する可能性がある。
  • 自機の行動範囲:常時動き回ることはしない。一定のエリアに陣取り、細かな操作で弾を避ける傾向が強くなる。下手に動き回ると当たり判定を増やして自分から敵弾に当たりにいくようなものだからである(但し、基本的に敵弾が自機を精密に狙ってくるようなタイトルは例外で、この場合は動きを止めた瞬間に集中砲火を浴びる)。
  • 敵弾の「見切り」:敵弾のコースから、発射された時点で自分に当たるか否か、おおよその弾道が読めるようになる。よって敵弾が自分の近くまで届いたとき、何処が「安地」なのか感覚的に把握できる。近年のゲームでは「覚えていなければ避けられない」レベルの高速弾や「避けても追尾してくる」誘導弾がほとんどなくなったため、「見切り」が容易且つ重要になっている。
  • ボムの適切な使用:初心者がよくやりがちである抱え死に(落ち)をしにくくなる。尤も、これに関しては対象となるゲームへの慣れも必要だが初見の(普遍的なシステムの)ゲームでそれを行えれば一人前である。但し、ボムを全く使わないでプレイすることが稼ぎの一要素になることも多いため、撃たないと決めてプレイしているプレイヤーも存在する。このため、必ずしも「抱え死に=初心者」とはいえない。

また、思想的な面での特徴は、

  • スコア至上主義:致命的なミスをしたプレイでは捨てゲーも辞さない。
  • アーケード至上主義:シューティングゲームはアーケード版だけが本物と考えるシューターは多く、チートの問題もあり、コンシューマーでのプレイは練習以上の意味を持たない。このことから、コンシューマー専売タイトルや同人ゲームは歯牙にもかけないことが多い。

などがある。

[編集] シューターの技・用語

複数のジャンルにまたがる用語については、内部リンクを参照。

アチョー
気合。映画俳優ブルース・リーの代名詞でもある「アチョー!」という怪鳥音が語源。パターン化ではなくアドリブでの弾避け、もしくはそれを行うシューターのこと。ゲーム専門雑誌「ゲーメスト」等によって広まった用語らしいが正確なルーツは不明。
安全地帯
自機を置いても敵の攻撃が当たらない場所のこと。通称「安地(あんち)」。「安置」と呼ばれることもしばしば。近年のタイトルでは基本的にある程度の時間以上静止していても安全な安全地帯が出来ないようにデザインされることが普通。
1面番長
いちめんばんちょう。後述の「稼ぎ」行為に没頭するあまり、全ステージの攻略よりも1面や序盤の高得点だけに執着するプレイヤーをこう呼ぶ。ほとんどの場合が蔑称。但し、彼らからは「稼ぎ」を行わず安全ルートでの低スコアクリアをする「クリアラー」は軽蔑の対象である。
永久パターン
ゲーム中のある場面で、そこから一切先に進むことなくプレイを続けることができるパターンのこと。これができるゲームは発覚した時点で一般にスコア集計の対象外となる。技術的に困難なものは「実力永久パターン(実力永パ)」と呼ばれる。1クレジットで長時間プレイができるため、ゲームセンターの営業上好ましい行為とされず、通例上禁止されている(実際には、スコアが無意味になることでプレイヤーそのものが離れてしまうことが多い)。
解説君
ゲーム中の人のプレイ内容やそのシーンの攻略方法について実況する人。シューターの多くの性格上、その場でのトラブルに発展する事は稀だが電子掲示板上では忌み嫌われている。
稼ぎ
ゲーム内における点数稼ぎのこと。「テンカセ」とも呼ばれる。2007年現在では、作品ごとに異なるユニークな得点増加の仕組みを熟知し、通常のプレイでは出せない高得点を目指す行為が根幹となっているものが多い。アイテムを連続で取る・連続で破壊なとで獲得点数が倍になっていくゲームもある。より効率的な稼ぎのために故意にミスをし同じ場面を繰り返す等の方法もある。
切りかえし
敵弾を画面片側に誘導しておいてから、敵弾同士の隙間の広い場所を見定めて逆サイドに突破する技。
クリアラー
「稼ぎ」を全く行わず、クリアのみを目的にプレイする者。コンシューマーゲームをメインにプレイする人に多い(コンシューマーゲームにおいてはスコアは意味を持たないため)。「1面番長」とは対立する関係にある。アーケードにおいては、シューターのコミュニティにおいて全く相手にされないことが多い。
コンコン避け
敵の遠隔攻撃が自機の居た場所を正確に狙ってくるシューティングゲームでは文字通り「コン、コン」とレバーを小さく叩いて移動する事で難なく攻略できる状況、およびその動作のこと(別称として、チョンチョン避け、ドット避けとも呼ばれる)。但し、昔のタイトルでは当たり判定が大きく敵弾が速いため成立しない(大きく避けないと当たってしまう)場合が多い(弾幕がある場合に「弾幕全体を大きな一つの弾」と見なして大きく避けないと当たるようなタイトルが該当する)。
自爆
ゲームによってはパワーアップなどの結果で上がりすぎた難易度(ランク)を一時的に下げるため、または有限で復活時に多く与えられるリソース(ボムなど)を得るためにわざとやられることがある。やられて復活が難しい場合に諦めて使うことや、同じ場面を繰り返して(主に最終面)稼ぐために使うこともある。
捨てゲー
ゲーム開始直後や序盤で重要な稼ぎに失敗した際、速やかにゲームを終了すること。もしくはゲーム内で様々な実験を行うこと。甚だしい場合は電源を切って強制終了する場合もあるが、近年の基板では再起動に時間が掛かることが多いため、自爆によって終了させる方が早い。ちなみに、他ジャンルでは、レースゲームには速やかに捨てゲーを行えるように、一定時間(5秒程度)逆走すると強制的にゲームオーバーに出来るようなシステムが組み込まれていることが多い。また、前回のプレイ過程が次回プレイの難易度(ランク)に影響するようなゲーム(オトメディウスなど)で、ランクを強制的に下げる目的で、自爆の延長として初めから捨てると決めた捨てゲーが行われることもある。
脊髄反射
シューターが敵弾(主に高速弾)を紙一重でよける様を表現した語。「悟り」「見切り」という語も使われる。
ヌルシュー
簡単な(難易度がヌルい)シューティングのこと。ただしシューターにコアな層が多い現状においてその基準は一般的な「簡単」とは大きく離れている事が多い。あまり上手でないシューターが自称して「ヌルシューター(ヘタれシューター)」ということもある。
パターン化
通常の「攻略パターン」のほか、点数を稼ぐ「稼ぎパターン」、やられて自機のパワーダウンしたときに使う「復活パターン」などがある。
発狂
敵の攻撃が厳しいこと。ボスキャラの攻撃の中でも特に厳しいもののことを「発狂パターン」、ボスキャラを瀕死状態にしてから放置して攻撃が激しくなった状態のことを「発狂モード」などという。また弾幕の厳しいゲームを「発狂シューティング」と呼ぶこともあり、これをクリアできると「発狂シューター」と言われることもある。
連射
詳細は当該項目を参照。弾を多く発射するためにボタンを高速で連打する技術。ただし自動で連射が行える「連射装置」が広く用いられていることや1990年代後半からはソフト上で理想的な最高速連射が行われる仕組みが組み込まれたものが多くなったことにより、連射のノウハウは衰退しつつある。この逆が、弾数の制限されたタイトルで行われている「精密射撃」や、撃ちたい敵と撃ってはならない(撃ちたくない)敵がいる時に任意の弾数だけ撃ち無用な弾を撃たないようにする「選択撃ち」になる。

[編集] シューターの歴史

シューティングゲームの歴史も参照。

  • 1978年 - スペースインベーダーのブーム。年端も行かない幼児や児童なのに異常にゲームが上手い「インベーダー小僧」が各地に現れる。
  • 1983年 - ゼビウスのブーム。カウンターストップ(表示可能な最高得点に達する)を達成する者や、後のファミコン版で一億点を達成する者、また「名人」を名乗る者が現れる。コンピューター雑誌内での特集記事。
  • 1984年 - スターフォース。攻略に「連射」が必要となる(高橋名人を参照)。
  • 1985年 - グラディウス。1000万点プレイを達成するために、「復活パターン」の研究がされる。
  • 1986年 - スターソルジャー。スターフォースの流れを汲む連射ゲームで、発売元株式会社ハドソンの広報社員「高橋名人」の16連射を頂点とする、玩具のシュウォッチやゲームソフトに組み込まれた連射測定機能と共に日本全国を巻き込む一大超連射STGブームを巻き起こす(キャラバン)。
  • 1987年 - R-TYPE。緻密なパターン化や復活パターンが長期間にわたり研究された。
  • 1986年 - 沙羅曼蛇。完全ノーミスを要求されるゲーム内容ながら、数周目で難易度上昇が打ち止めであることが発覚し、カウンターストップを達成する人も出る。
  • 1988年 - グラディウスII達人。この年前後がシューティングブームの一つの絶頂期。難易度高騰が発生しイメージファイトなど極端な高難度化・パターン化が進み、一般人離れが起こる。
  • 1989年 - グラディウスIII - シューティングゲームの一つの転換期。難しすぎて一周クリアできるシューターも限られ、攻略にも一ヶ月以上を要した。
  • 1994年 - シューターには評判の良い作品をコンスタントに発売してきた東亜プランが倒産。主力商品をシューティングゲームとしてきた老舗の倒産により「シューティングゲームは儲からない」という認識がゲーム業界に定着。
  • 1995年 - 家庭用ゲーム機プレイステーションセガサターンが登場。この頃のアーケードシューティングゲームの移植、特に2D画面上でスプライトを多用したシューティングゲームの移植においてはセガサターンの方が都合が良かった。トップシェアにあり多彩なゲームが遊べるプレイステーションよりも良質なシューティングゲームが自宅でも遊べるという点でセガサターンはシューターに歓迎される。
  • 1997年 - 怒首領蜂(どどんぱち) 。弾幕系シューティングゲームというカテゴリーが生まれ2007年現在まで攻略方法はほぼ画一化している。

[編集] 萌えとシューター

コンピュータゲームのなかで極めて早期に登場したシューティングゲームは、多くのほかのコンピュータゲームのジャンルと比べ、特に硬派志向が強く、萌え(例えば、アニメ絵)を持ちこむことは上級シューターの間では(プレイヤーの趣味に関わらず)嫌われる傾向にあり、アダルトゲームとの結びつきも薄く、2007年に至っても市販のアダルトのシューティングゲームは数えるほどしか存在しない(『セーラー服戦士フェリス』、『スチームハーツ』、『とびでばいん』など)。

2007年12月現在でも硬派志向の根強いものの、主に新規層などを中心として萌え要素を許容する流れが見られるようになっている。 それに関しては上記のジャンル衰退による打開策によるものが大きく、近年の作品にはそれ自体が売りの一つとして宣伝されることもあるくらいである。 しかし特定のコミュニティ内部などで新規層と旧来からのいわゆる硬派志向のユーザーとの間に軋轢が生じてしまう場合があるのも事実である。

なお、同人ゲームでは東方Projectを筆頭に萌え系やアダルト系のシューティングゲームが頻繁に見られる(東方projectそのものは萌えを強く意識した作品ではないが、女性キャラクターの多さなどからそう分類される事が多い)。

[編集] 萌え系シューティングとシューターの歴史