カプセル内視鏡

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カプセル内視鏡(カプセルないしきょう、: Capsule endoscopy)は、小型カメラを内蔵したカプセル状の内視鏡


小腸大腸等の消化管の観察を目的として、口から飲み込んで撮影し肛門から排出される。

カプセル内視鏡の例(写真はギブン・イメージング社のもの)右側にカメラが内蔵されている)
ギブンイメージングの製品のカメラ側。ギブン・イメージング、オリンパスメディカルシステムズの製品は、カメラがカプセルの一方の先端部にある。

歴史[編集]

元々1980年頃より、イスラエル国防省のラファエル研究所のGavriel Iddan等によって開発が進み、2000年ネイチャーに臨床研究報告として掲載され、広く知れ渡ることとなった。

2001年にはギブン・イメージングの小腸用のカプセル内視鏡は米国FDAより認可を受けている。日本でも2007年4月に「カプセル型撮像及び追跡装置」(クラスII)として承認され、日本のフジノンと販売、部品供給及び研究開発に関して提携し、同年10月に保険適用された。

日本勢ではアールエフオリンパスがカプセル内視鏡の開発を進めてきている。オリンパスは、EU圏内で2005年より販売を開始[1]している。日本では2008年9月に製造販売承認を取得、同年10月に販売が開始された。[2]

アールエフが開発中の次世代カプセル内視鏡は、ギブン・イメージングのものより小さく、バッテリーは内蔵せず電波により送電する方式を採用、外部コントローラによって移動やカプセルの向きを自由に指示・制御することができる、とされている。カメラは本体中央に配置され360度回転できるため、消化管内の全面をくまなく撮影することが可能である、とされている。なお、アールエフのものは未承認であり市場流通はしていない。

構造[編集]

カプセル内視鏡の形状は薬のカプセルに類似している。ギブン・イメージングオリンパスメディカルシステムズの製品は、外径10mm前後で、一般的な薬のカプセル剤よりも一回り程度大きい。

カプセルにはCMOSCCDで構成されたカメラ及び無線装置を内蔵する。患者が内服したカプセル内視鏡は、蠕動運動によって消化管内を運ばれ、前進しながら非侵襲的に消化管内を撮影し、画像データを体外に送信する。画像データの受信は、患者が装着するベストに内蔵された受信機で行う。撮影を終えたカプセルは自然排出される。カプセルは再使用しない(使い捨て)。

製品[編集]

日本で認可されているものは以下の2つの製品がある。基本的に保険適応は「原因不明の消化管出血の精査」上部消化管内視鏡大腸内視鏡検査を施行されていることが前提である。

その他認可されていないが以下の製品が存在する

評価[編集]

ギブン・イメージングのカプセル内視鏡(両端にカメラが設置されている)を用いた検査直後に大腸内視鏡検査を実施する方法で、18歳以上の大腸疾患患者約300人を対象として行われた比較試験によれば[3]

  1. 内服から排出(口から肛門)までの所要時間は、平均で4時間51分、中央値は4時間1分。1例を除き、16時間以内に排出。
  2. 90%以上の患者で内服から10時間以内にカプセルが排出された。また、カプセルは1~2時間程度で大腸を通過する。腸管の洗浄状態と大腸通過に要する時間は無関係。
  3. 病変部位の検出感度には有意な差があり、通常の内視鏡検査より劣る。更に、腸管の洗浄状態の影響を受け、洗浄状態が良好であるほど検出感度は上がる。

と報告されている。

脚注[編集]

外部リンク[編集]