アブー・アル・ファラジュ・アル・イスファハーニー

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アブル・ファラジュ著『歌の書』挿絵

アブー・アル・ファラジュ・アル・イスファハーニー ( أبو الفرج الأصفهاني, Abu al-Faraj al-Isfahani897年 - 967年 ) は、ムスリムの学者。アブル・ファラジュ( Abu-l-Faraj )とも呼ばれる。中世イスラーム世界で活躍し、大著『歌の書』で知られる。

ウマイヤ朝最後のカリフであるマルワーン2世の家系にあたる。先祖はアッバース家の攻撃を逃れてイラクのブワイフ家の保護を受け、アブル・ファラジュはエスファハーンに生まれた。やがて、音楽家のイブラーヒーム・アルマウシリー( Ibrahim Al-Mausili )がまとめた100首の詩と楽譜をもとにして、古代からアッバース朝にいたるアラブ人の詩歌の伝記集成を編纂する。これが『歌の書』( Kitab al-Aghani )であり、アラブ音楽、詩人、音楽家を中心とした逸話や風俗が盛りこまれた百科全書的な内容で21巻の大部となった。

『歌の書』の執筆には50年を要し、完成した際には、ハムダーン朝サイフッダウラに献上された。サイフッダウラは彼に金貨1000枚を与え、それでも足りないと考えて詫びた。アンダルスハカム2世もこれを欲し、金貨1000枚をアブル・ファラジュに贈って写本を入手しようとした。ブワイフ家の宰相だったイスマーイール・ビン・アッバードは、30頭のラクダで書物を運ぶのを常としていたが、『歌の書』を手に入れてからはこれのみですませたという。イブン・ハルドゥーンは『歴史序説』において、この書を「アラブ人の文書庫」として賞賛している。

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