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'''コクラン共同計画'''({{lang-en|Cochrane Collaboration; '''CC'''}})とは、治療と予防に関する医療情報を定期的に吟味し、人々に伝えるために、世界展開している組織である{{sfn|津谷喜一郎、正木朋也|2006}}。 [[1992年]]に、[[イギリス]][[国民保健サービス]] (NHS) による[[根拠に基づく医療]]政策と実践、またその定量的な評価の一環として活動を開始した{{sfn|津谷喜一郎、正木朋也|2006}}。
'''コクラン共同計画'''({{lang-en|Cochrane Collaboration; '''CC'''}})とは、治療と予防に関する医療情報を定期的に吟味し、人々に伝えるために、世界展開している組織である{{sfn|津谷喜一郎、正木朋也|2006}}。 [[1992年]]に、[[国民保健サービス|イギリスの国民保健サービス]](NHS)による[[根拠に基づく医療]](EBM)政策と実践、またその定量的な評価の一環として活動を開始した{{sfn|津谷喜一郎、正木朋也|2006}}。


[[ランダム化比較試験]] (RCT) を中心として、臨床試験をくまなく収集し、評価し、分析する[[システマティッレビュー]] (sytematic review) を行い結果を、医療関係者や医療政策決定者、さらには消費者に届け、合理的意思決定に供すること目的としている。
[[ランダム化比較試験]](RCT)を中心に[[治験|臨床試験]]をくまなく収集し、評価し、分析した系統的レビュー「'''コランレビュー'''」は抄録や一般語訳(医学専門用語避けて書かれた平易な要約)が付けられ、医療関係者や医療政策決定者、さらには専門知識をもたい一般市民が[[エビデンス]](科学的根拠)の内容を理解する助けている<ref name="mori" /><ref>{{Cite web|url=http://mis.umin.jp/34/program/ab/e-13.pdf |title=コクランレビューの利用普及に向けた取り組み |format=PDF |publisher =医学情報サービス研究大会 |accessdate=2021-07-28}}</ref>


現在にいたるまで、世界50か国と地域に支部をもち、130か国以上の科学者が参加し、8000以上の'''[[メタアナリシス]]'''(メタ分析)が行われ「コクランレビュー」が作成されている<ref name="sasaki">{{Cite book|和書|author=佐々木敏 |title=データ栄養学のすすめ |publisher=女子栄養大学出版部 |date=2018 |page=317 |isbn=978-4-7895-5449-7}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://japan.cochrane.org/sites/japan.cochrane.org/files/public/uploads/3yi_liao_wei_xin_m3.com_.pdf |title=コクランを「エビデンスのワンストップソリューションに」-渡辺範雄・コクランジャパン代表/ 京都⼤⼤学院准教授 |format=PDF |publisher =医療維新 |date=2019-10-17 |accessdate=2021-07-28}}</ref>。国際的な[[NPO]](非営利団体)の形態をとり、企業からの資金提供やその他の利害関係のない、信頼性の高い情報を生み出すことを大切にしている<ref name="ncchd">{{Cite web |url=https://www.ncchd.go.jp/press/2014/topic140530-1.html |title=日本初のコクラン共同計画日本支部 が国立成育医療研究センターに設置 |publisher =国立成育医療研究センター |accessdate=2021-07-27}}</ref><ref name="mori">{{Cite web|url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/60/12/60_855/_pdf |title=コクラン 医療と研究における意思決定と患者一般参画 |format=PDF |publisher =J-STAGE |accessdate=2021-07-27}}</ref>。
コクラン共同計画の[[日本]]支部は、2014年に設立された<ref name="日本支部報道"/>。

コクランレビューの一部は日本語訳が提供され、抄録部分がホームページで無料で公開されている。この翻訳事業は、日本コクランセンターによって進められている。コクラン共同計画の日本支部は、2014年に設立された<ref name="日本支部報道"/>。


== 設立 ==
== 設立 ==
コクラン共同計画を冠す{{仮ンク|アーチボルド・コクラン|en|Archie Cochrane}}は、[[根拠に基づく医療]] (EBM) の3人の父のうち1人と言われ、以下のことを提唱した{{sfn|津谷喜一郎|2000|pp=316-317}}。イギリスの無料の社会保健は、有効な治療のみ無料とすること、イギリスではじめて行われた[[ランダム化比較試験]]を重視すること、そうしたデータを批判的に吟味し、遅れることなく必要とする人に届けることの提唱である{{sfn|津谷喜一郎|2000|pp=316-317}}。
コクランの名称は、[[メタアナシス]]の積極的な活用を主張した研究者[[:en:Archie Cochrane|アーチボルド・コクラン]]氏に由来する<ref name="sasaki" />。コクランは、[[根拠に基づく医療]] (EBM) の3人の父のうち1人と言われ{{sfn|津谷喜一郎|2000|pp=316-317}}、3つのことを提唱している第1は、[[国民保健サービス|イギリスの国民保健サービス]](NHS)は、有効な治療のみ無料とすること」。それにより限られた医療資源はより効率的に使われる。第2は、有効を立証するためイギリスではじめて行われた[[ランダム化比較試験]]を重視すること」。第3はそうしたデータを定期的批判的に吟味し、調査を必要とする人に遅れなく届けること{{sfn|津谷喜一郎|2000|pp=316-317}}<ref>{{Cite web|url=https://www.niph.go.jp/journal/data/49-4/200049040003.pdf |title=コクラン共同計画とシステマティック・レビュー -EBMにおける位置付け |format=PDF |publisher =国立保健医療科学院 |date=2000-09-21 |accessdate=2021-07-27}}</ref>


コクランの弟子、イギリスの産婦人科医のイアン・チャマーズは、周産期領域で行っていた[[システマティック・レビュー]]を1992年にすべの領域で開始{{sfn|津谷喜一郎正木朋也|2006|pp=317-318}}、国民保健サービスの研究開発プログラムをサポトするために設立されたイギリスコクランセンターのセンター長となった{{sfn|イアイン・チャーマーズ、ダグラス・G.アルトマン|2000|pp=ix}}。
コクランの設立者あるイアン・チャマーズは1993年[[周産期]]分野の[[治験|臨床試験]]を集めデータベースを作成し、その後の全医療分野臨床研究ータとなった{{sfn|イアイン・チャーマーズ、ダグラス・G.アルトマン|2000|pp=ix}}。現在、このデータベースはCENTRALと呼ばれ、一般に公開され、医療系文献データベースの一つとなっている<ref name="mori" />


===コクラン25年目の半数の理事の辞任===
===コクラン25年目の半数の理事の辞任===
北欧コクランの[[ピーター・ゲッチェ]]は、製薬産業は組織犯罪として無益な医療を告発してきており、別のコクランの著者による2018年5月の[[ヒトパピローマウイルスワクチン]]についてのレビューについての論文について、7月に議論を起こしていた<ref name="Enserink2018"/>。その ''BMJ Evidence Based'' に掲載された「コクラン HPV ワクチンのレビューは不完全かつバイアスについての重要な証拠を無視している」では、ピーターらの1月の調査で既に46件のランダム化試験が完了しているのに、26件の試験を使ったしその他の副作用についての情報をいくつかの点で見落としていると指摘していた<ref name="pmid30054374">{{cite journal|author=Jørgensen L, Gøtzsche PC, Jefferson T|title=The Cochrane HPV vaccine review was incomplete and ignored important evidence of bias|journal=BMJ Evid Based Med|date=July 2018|pmid=30054374|doi=10.1136/bmjebm-2018-111012|url=https://doi.org/10.1136/bmjebm-2018-111012}}</ref>。
北欧コクランの[[ピーター・ゲッチェ]]は、製薬産業は組織犯罪として無益な医療を告発してきており、別のコクランの著者による2018年5月の[[ヒトパピローマウイルスワクチン]]のレビューの論文について、7月に議論を起こしていた<ref name="Enserink2018"/>。その『[[イギリス医師会雑誌]]』(''British Medical Journal; BMJ''に掲載された論説「コクラン [[HPVワクチン]]のレビューは不完全かつ[[バイアス]]についての重要な証拠を無視している」では、ピーターらの1月の調査で既に46件の[[ランダム化比較試験]]が完了しているのに、26件の試験を使ったその他の副作用についての情報をいくつかの点で見落としていると指摘していた<ref name="pmid30054374">{{cite journal|author=Jørgensen L, Gøtzsche PC, Jefferson T|title=The Cochrane HPV vaccine review was incomplete and ignored important evidence of bias|journal=BMJ Evid Based Med|date=July 2018|pmid=30054374|doi=10.1136/bmjebm-2018-111012|url=https://doi.org/10.1136/bmjebm-2018-111012}}</ref>。


9月14日<ref name="Vesper2018">{{cite journal| last1=Vesper| first1=Inga| title=Mass resignation guts board of prestigious Cochrane Collaboration| journal=Nature| year=2018| doi=10.1038/d41586-018-06727-0|url=https://doi.org/10.1038/d41586-018-06727-0 }}</ref>、ピーターの追放について12人の理事の6人が賛成、5人が反対し、追放の決定後にこのような追放はコクランの精神に反するとして4人の理事が辞任を表明した<ref name="Enserink2018"/>。続いて2人が辞任を求め、コクランは理事の半分を失うことにつながった<ref name="Trish">{{cite web |author=Trish Greenhalgh |title=Trish Greenhalgh: The Cochrane Collaboration—what crisis? |url=https://blogs.bmj.com/bmj/2018/09/17/trish-greenhalgh-the-cochrane-collaboration-what-crisis/ |date=2018-09-17 |publisher= |accessdate=2018-09-20}}</ref>。
9月14日<ref name="Vesper2018">{{cite journal| last1=Vesper| first1=Inga| title=Mass resignation guts board of prestigious Cochrane Collaboration| journal=Nature| year=2018| doi=10.1038/d41586-018-06727-0|url=https://doi.org/10.1038/d41586-018-06727-0 }}</ref>、ピーターの追放について12人の理事の6人が賛成、5人が反対し、追放の決定後に4人の理事がこのような追放はコクランの精神に反すると抗議して辞任を表明した<ref name="Enserink2018"/>。続いて2人が辞任を求め、コクランは理事の半分を失うことにつながった<ref name="Trish">{{cite web |author=Trish Greenhalgh |title=Trish Greenhalgh: The Cochrane Collaboration—what crisis? |url=https://blogs.bmj.com/bmj/2018/09/17/trish-greenhalgh-the-cochrane-collaboration-what-crisis/ |date=2018-09-17 |publisher= |accessdate=2018-09-20}}</ref>。


ゲッチェは倫理統制の危機だという声明を発し、[[サイエンス]]マガジンの取材に対して、コクランへの出資者が圧力をかけたのではないかと漏らした。2012年にマーク・ウィルソンがコクランのCEOとなってから、商業に対して友好的になってきており、追放はこうした動きの一部だと述べている<ref name="Enserink2018">{{cite journal| last1=Enserink| first1=Martin| title=Evidence-based medicine group in turmoil after expulsion of co-founder| journal=Science| year=2018| doi=10.1126/science.aav4490}}</ref>
ゲッチェは倫理統制の危機だという声明を発し、[[サイエンス]]の取材に対して、コクランへの出資者が圧力をかけたのではないかと漏らした。2012年にマーク・ウィルソンがコクランのCEOとなってから、商業に対して友好的になってきており、追放はこうした動きの一部だと述べている<ref name="Enserink2018">{{cite journal| last1=Enserink| first1=Martin| title=Evidence-based medicine group in turmoil after expulsion of co-founder| journal=Science| year=2018| doi=10.1126/science.aav4490}}</ref>


== システマティック・レビュー ==
== システマティック・レビュー ==
コクラン共同計画により、'''[[システマティック・レビュー]] '''(系統的レビュー)と呼ばれる手法が確立された。[[システマティック・レビュー]]とは、ある課題に関して行われた研究を数多くある文献データベースなどを基に網羅的に検索し、その文献の情報の質(研究の質)を系統的に評価し、一定の情報の質をもつものだけ残しそれぞれの研究結果を可能な範囲で統計学的に統合したものである<ref name="mori" />。

{{See also|システマティック・レビュー}}
{{See also|システマティック・レビュー}}
1993年7月にイギリスのコクランセンターがBMJ(イギリス医師会雑誌, ''British Medical Journal'')と共同で会議を開き、1994年に論文となったものが、『システマティック・レビュー』(''Systematic Reviews'') として出版されている{{sfn|イアイン・チャーマーズ、ダグラス・G.アルトマン|2000|p=vi}}。それはシステマティック・レビューとメタアナリシスに関する章で構成されており、システマティック・レビューに関しては、バイアスとエラーを最小にする方法が議論されている{{sfn|イアイン・チャーマーズ、ダグラス・G.アルトマン|2000|pp=vi-vii}}。バイアスを避けた試験であるランダム化比較試験を、バイアスを避けるために未公表試験を含めてメタアナリシスすることで、[[根拠に基づく医療]]で用いるための良質の根拠を得ようとしているわけである{{sfn|津谷喜一郎|2003}}。そして、そのようにして得られたシステマティック・レビューは、遅れることなく情報を必要とする人々へ届けられなければならない{{sfn|津谷喜一郎、正木朋也|2006|p=6}}。
1993年7月にイギリスのコクランセンターが『[[イギリス医師会雑誌]]』(''BMJ'')と共同で会議を開き、1994年に論文となったものが、『[[システマティック・レビュー]]』(''Systematic Reviews'') として出版されている{{sfn|イアイン・チャーマーズ、ダグラス・G.アルトマン|2000|p=vi}}。[[システマティック・レビュー]][[メタアナリシス]]に関する章で構成されており、[[システマティック・レビュー]]に関しては、[[バイアス]](偏り)とエラーを最小にする方法が議論されている{{sfn|イアイン・チャーマーズ、ダグラス・G.アルトマン|2000|pp=vi-vii}}。


=== 声明 ===
=== 声明 ===
{{See also|出版バイアス}}
{{See also|出版バイアス}}
[[抗うつ薬]][[パロキセチン]](パキシル)における、否定的な試験結果の[[グラクソ・スミスクライン]]による隠蔽は、[[出版バイアス]]の議論から、[[アメリカ合衆国連邦政府]]の法改正や、[[世界保健機関]]による試験の登録制度の構築など、試験の事前登録の制度の構築へと繋がっていった<ref>{{cite journal|last1=Bian|first1=Zhao-Xiang|last2=Wu|first2=Tai-Xiang|title=Legislation for trial registration and data transparency|journal=Trials|volume=11|issue=1|pages=64|year=2010|pmid=20504337|pmc=2882906|doi=10.1186/1745-6215-11-64|url=http://www.trialsjournal.com/content/11/1/64}}</ref>。2011年10月5日に、コクラン共同計画も、試験の登録とデータの透明性を求める声明を行った<ref name="WeNeed">{{cite news |author=Peter C Gøtzsche|authorlink=ピーター・ゲッチェ |title=We need access to all data from all clinical trials |url=http://www.thecochranelibrary.com/details/editorial/1359903/We-need-access-to-all-data-from-all-clinical-trials.html |date=October 04, 2011 |publisher=The Cochrane Collaboration |accessdate=2013-01-30}}</ref>。声明の内容は、選択的な出版によるデータの隠蔽が有効性や有害性の誤った認識をもたらし、危険な臨床的な実践に繋がり、そしてデータの公開は多大な利益をもたらすために、データが公開されること、およびそのための司法制度の導入を求めるものである<ref name="WeNeed"/>。
[[抗うつ薬]][[パロキセチン]](パキシル)における、否定的な試験結果の[[グラクソ・スミスクライン]]による隠蔽は、[[出版バイアス]]の議論から、[[アメリカ合衆国連邦政府]]の法改正や、[[世界保健機関]](WHO)による試験の登録制度の構築など、試験の事前登録の制度の構築へと繋がっていった<ref>{{cite journal|last1=Bian|first1=Zhao-Xiang|last2=Wu|first2=Tai-Xiang|title=Legislation for trial registration and data transparency|journal=Trials|volume=11|issue=1|pages=64|year=2010|pmid=20504337|pmc=2882906|doi=10.1186/1745-6215-11-64|url=http://www.trialsjournal.com/content/11/1/64}}</ref>。2011年10月5日に、コクラン共同計画も、試験の登録とデータの透明性を求める声明を行った<ref name="WeNeed">{{cite news |author=Peter C Gøtzsche|authorlink=ピーター・ゲッチェ |title=We need access to all data from all clinical trials |url=http://www.thecochranelibrary.com/details/editorial/1359903/We-need-access-to-all-data-from-all-clinical-trials.html |date=October 04, 2011 |publisher=The Cochrane Collaboration |accessdate=2013-01-30}}</ref>。声明の内容は、選択的な出版によるデータの隠蔽が有効性や有害性の誤った認識をもたらし、危険な臨床的な実践に繋がり、そしてデータの公開は多大な利益をもたらすために、データが公開されること、およびそのための司法制度の導入を求めるものである<ref name="WeNeed"/>。


== コクラン・ライブラリ ==
== コクラン・ライブラリ ==
'''コクラン・ライブラリ'''({{lang-en|Cochrane Library}})は、コクラン・コラボレーションによって編纂された文書集である。四半期に一度更新され、全文(フルテキスト)[[CD-ROM]]、またはインターネットを通じたオンライン購読の形販売されている{{sfn|津谷喜一郎、正木朋也|2006|p=7}}。[[日本]]では多くの大学や病院等が法人契約を結んでいる。それぞれのレビュー記事の概要 (abstract) については、コクラン・コラボレーションのサイトやPubMedを通じ、広く一般に無料で開放されている。
'''コクラン・ライブラリ'''(Cochrane Library)は、コクラン共同計画によって編纂された文書集である。以前はCD-ROMで年4回販売されていが、現在はオンライン購読がメインる{{sfn|津谷喜一郎、正木朋也|2006|p=7}}。日本では多くの大学や病院等が法人契約を結んでいる。それぞれのレビュー記事の抄録 (abstract) については、コクラン共同計画のサイトや[[PubMed]]を通じ、広く一般に無料で開放されており、原文も公表後1年経ったものは無料で⾒られるようになっている<ref>{{Cite web|url=https://japan.cochrane.org/sites/japan.cochrane.org/files/public/uploads/1yi_liao_wei_xin_m3.com_.pdf |title=現時点で最も正しい医療情報が分かる仕組み |format=PDF |publisher =医療維新 |date=2019-10-17 |accessdate=2021-07-28}}</ref>


コクラン・ライブラリは、EBMの手法について検証した {{en|The Cochrane Database of Methodology Reviews}}、適切にデザインされた臨床試験についてのリファレンスを集積した {{en|The Cochrane Central Register of Controlled Trials}} など、いくつかの文書データベースの集積である。その中でも、{{en|The Cochrane Database of Systematic Reviews}} と呼ばれる[[データベース]]は、EBMの考え方に基づき、過去の多くの臨床試験などの論文から、エビデンスレベルの高いものを集めて吟味するシステマティック・レビュー」(systematic review) の手法を使い、その時点での最良の治療法のエビデンスを提示する記事の集合として、コクラン・ライブラリの中核を成している。
コクラン・ライブラリは、[[根拠に基づく医療]]('''EBM''':evidence-based medicine)の手法について検証した'''コクランレビュー'''( {{en|The Cochrane Database of Methodology Reviews}}、適切にデザインされた[[治験|臨床試験]]についての[[リファレンス]]を集積した'''CENTRAL''' {{en|The Cochrane Central Register of Controlled Trials}} など、いくつかの文書データベースの集積である。その中でも、'''コクランレビュー''' と呼ばれる[[データベース]]は、[[根拠に基づく医療|EBM]]の考え方に基づき、過去の多くの[[治験|臨床試験]]などの論文から、[[エビデンスレベル]]の高いものを集めて吟味する'''[[システマティック・レビュー]]'''の手法を使い、その時点での最良の治療法の[[エビデンス]]を提示する記事の集合として、コクラン・ライブラリの中核を成している。


{{en|The Cochrane Database of Systematic Reviews}} における典型的なEBM記事の評価においては、まず、対象となっている具体的な疑問を挙げたあと、該当分野の{{en|"Working Group"}}から、独立して通常複数のレビュアーが任命される。レビュアーはそれぞれ独立に、コクラン・ライブラリ自身の {{en|The Cochrane Central Register of Controlled Trials}} や {{en|Medline}} から、適切にランダム化された試験を検索・抽出し、その試験の妥当性や有効性を評価し、統計的な手法を用いることで、疑問について回答を導き出す。
コクランレビュー における典型的な[[根拠に基づく医療|EBM]]記事の評価においては、まず、対象となっている具体的な疑問を挙げたあと、該当分野の{{en|"Working Group"}}から、独立して通常複数のレビュアーが任命される。レビュアーはそれぞれ独立に、コクラン・ライブラリ自身の {{en|The Cochrane Central Register of Controlled Trials}} や {{en|Medline}} から、適切に[[ランダム化比較試験|ランダム化された試験]]を検索・抽出し、その試験の妥当性や有効性を評価し、統計的な手法を用いることで、疑問について回答を導き出す。


EBMの考えに厳格に基づこうとする文献データベースとして、[[2004]]現在、コクラン・ライブラリは世界最大規模のものであり、多くの医療従事者が信頼を置いている。
[[根拠に基づく医療|EBM]]の考えに厳格に基づこうとする文献データベースとして、2018年現在、コクラン・ライブラリは世界最大規模のものであり、多くの医療従事者が信頼を置いている<ref name="sasaki" />

[[日本語]]翻訳されたものは部分的に、日本医療機能評価機構のMINDS<ref>http://minds.jcqhc.or.jp/ Minds医療情報サービス</ref>にて公開されている{{sfn|津谷喜一郎、正木朋也|2006|p=8}}。


=== インパクトファクター ===
=== インパクトファクター ===
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== 日本支部 ==
== 日本支部 ==
コクラン共同計画の日本支部が設立されたことが2014年5月30日に発表された<ref name="日本支部報道">{{cite news |title=コクラン日本支部が始動‐根拠に基づく医療推進へ |url=http://www.yakuji.co.jp/entry36530.html |date=2014-06-02 |newspaper=薬事日報 |accessdate=2014-06-04}}</ref>。日本の臨床研究環境の改善につなげたトされた<ref name="日本支部報道"/>。2014年は、『[[ネイチャー]]』における[[刺激惹起性多能性獲得細胞|STAP細胞の論文不正]]や、『[[ランセット]]』における[[ディオバン事件]]といった、一流論文誌における[[科学における不正行為]]への疑惑解明が相次いだ。
2014年にコクラン共同計画の日本支部が設立された。コクランジャパンでは、コクランレビュー作成のサポートやトレーニングを行い、日本の医療や政策の[[科学的根拠]]基づい意思決定を促進している<ref name="日本支部報道">{{cite news |title=コクラン日本支部が始動‐根拠に基づく医療推進へ |url=http://www.yakuji.co.jp/entry36530.html |date=2014-06-02 |newspaper=薬事日報 |accessdate=2014-06-04}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://japan.cochrane.org/ja/コクランジャパンについて |title=クラジャパンについて |publisher =コクラン共同計画 |accessdate=2021-07-28}}</ref>。2014年は、『[[ネイチャー]]』における[[刺激惹起性多能性獲得細胞|STAP細胞の論文不正]]や、『[[ランセット]]』における[[ディオバン事件]]といった、一流論文誌における[[科学における不正行為]]への疑惑解明が相次いだ<ref name="日本支部報道"/>

コクランレビューの日本語翻訳は、[[日本医療機能評価機構]]のMINDSが長く行ってきたが{{sfn|津谷喜一郎、正木朋也|2006|p=8}}、2016年4月よりコクランジャパンが翻訳事業を引き継いでいる<ref>{{Cite web |url=https://www.cochrane.org/ja/translation |title=日本語訳について |publisher =コクラン共同計画 |accessdate=2021-07-28}}</ref>。

== パートナーシップ==
===世界保健機関(WHO)===
2011年から、コクランは[[世界保健機関]](WHO)と公式に提携関係を結んでいる<ref name="BeroBero2011">{{cite web |title= Non-State actors in official relations with WHO |url= https://www.who.int/about/collaborations-and-partnerships/who-s-engagement-with-non-state-actors/non-state-actors-in-official-relations-with-who |website= World Health Organization |access-date= 26 July 2017}}</ref>、コクランは[[:en:World Health Assembly|世界保健総会]]などのWHOの会議に投票権のない代表者を任命し、WHOの保健に関する決議に発言し説明文を加える権利を与えられている<ref name="partner">{{Cite web |url=https://www.cochrane.org/ja/about-us/our-funders-and-partners |title=私たちの資金提供者とパートナー |publisher =コクラン共同計画 |accessdate=2021-07-27}}</ref>。

===Wikipedia===
Wikipediaでは、医学関連記事の閲覧回数が毎月1億8千万回を超える一方、正式な[[査読]]のプロセスを経たものは1パーセント未満である<ref name="partner" />。インターネットで利用できる健康に関する[[エビデンス]](科学的根拠)の質や内容を根本から変えるべく、2014年にコクランとウィキペディアは正式なパートナーシップを結んだ。コクランは、ウィキペディアの医療情報に[[エビデンス|根拠]]を含めることや、可能な限り正確なものになるようリソースを提供している<ref>{{cite web|url=https://www.cochrane.org/news/cochrane-wikipedia-partnership-2016-0|title=The Cochrane-Wikipedia partnership in 2016|work=Cochrane|access-date=2019-02-24}}</ref><ref>{{cite journal |last1= Mathew |first1= Manu |last2= Joseph |first2= Anna |last3= Heilman |first3= James |last4= Tharyan |first4= Prathap |title= Cochrane and Wikipedia: the collaborative potential for a quantum leap in the dissemination and uptake of trusted evidence[editorial] |journal= Cochrane Database of Systematic Reviews |date= 2013 |issue= 10 |doi= 10.1002/14651858.ED000069 |pmid= 24475488 |volume= 10 |pages= ED000069}}</ref>。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
*[[システマティック・レビュー]]
*[[システマティック・レビュー]]
*[[メタアナリシス]]
*[[根拠に基づく医療]]
*[[根拠に基づく医療]]
*[[ジョアンナブリッグス研究所]]
*[[ジョアンナブリッグス研究所]]
*[[ピーター・ゲッチェ]]
*[[国民保健サービス|イギリスの国民保健サービス]](NHS)


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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* [http://www.cochrane.org/ Cochrane Collaboration] {{en icon}}
* [http://www.cochrane.org/ Cochrane Collaboration] {{en icon}}
* [http://japan.cochrane.org/ja/ コクラン日本] {{ja icon}}
* [http://japan.cochrane.org/ja/ コクラン日本] {{ja icon}}
* {{YouTube|channel = channelid|Cochrane}}


{{Normdaten}}
{{Normdaten}}

2021年7月28日 (水) 04:08時点における版

The Cochrane Collaboration
標語 Working together to provide the best evidence for health care
設立 1993年 (1993)
種類 NPO
目的 ヘルスケア情報
本部 イギリスの旗 イギリス オックスフォード
貢献地域 世界の旗 世界
公用語 英語
Steering Group Co-Chairs Jeremy Grimshaw,
Jonathan Craig[1]
ボランティア数
28,000人(2011年[2]
ウェブサイト http://www.cochrane.org
テンプレートを表示

コクラン共同計画英語: Cochrane Collaboration; CC)とは、治療と予防に関する医療情報を定期的に吟味し、人々に伝えるために、世界展開している組織である[3]1992年に、イギリスの国民保健サービス(NHS)による根拠に基づく医療(EBM)政策と実践、またその定量的な評価の一環として活動を開始した[3]

ランダム化比較試験(RCT)を中心に臨床試験をくまなく収集し、評価し、分析した系統的レビュー「コクランレビュー」は、抄録や一般語訳(医学の専門用語を避けて書かれた平易な要約)が付けられ、医療関係者や医療政策決定者、さらには専門知識をもたない一般市民がエビデンス(科学的根拠)の内容を理解するのを助けている[4][5]

現在にいたるまで、世界50か国と地域に支部をもち、130か国以上の科学者が参加し、8000以上のメタアナリシス(メタ分析)が行われ「コクランレビュー」が作成されている[6][7]。国際的なNPO(非営利団体)の形態をとり、企業からの資金提供やその他の利害関係のない、信頼性の高い情報を生み出すことを大切にしている[8][4]

コクランレビューの一部は日本語訳が提供され、抄録部分がホームページで無料で公開されている。この翻訳事業は、日本コクランセンターによって進められている。コクラン共同計画の日本支部は、2014年に設立された[9]

設立

コクランの名称は、メタアナリシスの積極的な活用を主張した研究者アーチボルド・コクラン氏に由来する[6]。コクランは、根拠に基づく医療 (EBM) の3人の父のうち1人と言われ[10]、3つのことを提唱している。第1は、イギリスの国民保健サービス(NHS)は、「有効な治療のみ無料とすること」。それにより、限られた医療資源はより効率的に使われる。第2は、有効を立証するためイギリスではじめて行われた「ランダム化比較試験を重視すること」。第3は、「そうしたデータを定期的批判的に吟味し、調査を必要とする人に遅れなく届けること」[10][11]

コクランの設立者であるイアン・チャルマーズは1993年、周産期分野の臨床試験を集めてデータベースを作成し、その後の全医療分野の臨床研究データベースとなった[12]。現在、このデータベースはCENTRALと呼ばれ、一般に公開され、医療系文献データベースの一つとなっている[4]

コクラン25年目の半数の理事の辞任

北欧コクランのピーター・ゲッチェは、製薬産業は組織犯罪だとして無益な医療を告発してきており、別のコクランの著者による2018年5月のヒトパピローマウイルスワクチンのレビューへの論文について、7月に議論を起こしていた[13]。その『イギリス医師会雑誌』(British Medical Journal; BMJ)に掲載された論説「コクラン HPVワクチンのレビューは不完全かつバイアスについての重要な証拠を無視している」では、ピーターらの1月の調査で既に46件のランダム化比較試験が完了しているのに、26件の試験を使ったとし、その他の副作用についての情報をいくつかの点で見落としていると指摘していた[14]

9月14日[15]、ピーターの追放について12人の理事の6人が賛成、5人が反対し、追放の決定後に4人の理事がこのような追放はコクランの精神に反すると抗議して辞任を表明した[13]。続いて2人が辞任を求め、コクランは理事の半分を失うことにつながった[16]

ゲッチェは倫理統制の危機だという声明を発し、サイエンス誌の取材に対して、コクランへの出資者が圧力をかけたのではないかと漏らした。2012年にマーク・ウィルソンがコクランのCEOとなってから、商業に対して友好的になってきており、追放はこうした動きの一部だと述べている[13]

システマティック・レビュー

コクラン共同計画により、システマティック・レビュー (系統的レビュー)と呼ばれる手法が確立された。システマティック・レビューとは、ある課題に関して行われた研究を数多くある文献データベースなどを基に網羅的に検索し、その文献の情報の質(研究の質)を系統的に評価し、一定の情報の質をもつものだけ残しそれぞれの研究結果を可能な範囲で統計学的に統合したものである[4]

1993年7月にイギリスのコクランセンターが『イギリス医師会雑誌』(BMJ)と共同で会議を開き、1994年に論文となったものが、『システマティック・レビュー』(Systematic Reviews) として出版されている[17]システマティック・レビューメタアナリシスに関する章で構成されており、システマティック・レビューに関しては、バイアス(偏り)とエラーを最小にする方法が議論されている[18]

声明

抗うつ薬パロキセチン(パキシル)における、否定的な試験結果のグラクソ・スミスクラインによる隠蔽は、出版バイアスの議論から、アメリカ合衆国連邦政府の法改正や、世界保健機関(WHO)による試験の登録制度の構築など、試験の事前登録の制度の構築へと繋がっていった[19]。2011年10月5日に、コクラン共同計画も、試験の登録とデータの透明性を求める声明を行った[20]。声明の内容は、選択的な出版によるデータの隠蔽が有効性や有害性の誤った認識をもたらし、危険な臨床的な実践に繋がり、そしてデータの公開は多大な利益をもたらすために、データが公開されること、およびそのための司法制度の導入を求めるものである[20]

コクラン・ライブラリ

コクラン・ライブラリ(Cochrane Library)は、コクラン共同計画によって編纂された文書集である。以前はCD-ROMで年4回販売されていたが、現在はオンライン購読がメインである[21]。日本では多くの大学や病院等が法人契約を結んでいる。それぞれのレビュー記事の抄録 (abstract) については、コクラン共同計画のサイトやPubMedを通じ、広く一般に無料で開放されており、原文も公表後1年経ったものは無料で⾒られるようになっている[22]

コクラン・ライブラリは、根拠に基づく医療EBM:evidence-based medicine)の手法について検証したコクランレビューThe Cochrane Database of Methodology Reviews)、適切にデザインされた臨床試験についてのリファレンスを集積したCENTRALThe Cochrane Central Register of Controlled Trials )など、いくつかの文書データベースの集積である。その中でも、コクランレビュー と呼ばれるデータベースは、EBMの考え方に基づき、過去の多くの臨床試験などの論文から、エビデンスレベルの高いものを集めて吟味するシステマティック・レビューの手法を使い、その時点での最良の治療法のエビデンスを提示する記事の集合として、コクラン・ライブラリの中核を成している。

コクランレビュー における典型的なEBM記事の評価においては、まず、対象となっている具体的な疑問を挙げたあと、該当分野の"Working Group"から、独立して通常複数のレビュアーが任命される。レビュアーはそれぞれ独立に、コクラン・ライブラリ自身の The Cochrane Central Register of Controlled TrialsMedline から、適切にランダム化された試験を検索・抽出し、その試験の妥当性や有効性を評価し、統計的な手法を用いることで、疑問について回答を導き出す。

EBMの考えに厳格に基づこうとする文献データベースとして、2018年現在、コクラン・ライブラリは世界最大規模のものであり、多くの医療従事者が信頼を置いている[6]

インパクトファクター

コクランデータベースのインパクトファクターは、以下の通り[23]

2015年
6.103
2014年
6.035
2013年
5.939
2012年
5.785

日本支部

2014年にコクラン共同計画の日本支部が設立された。コクランジャパンでは、コクランレビュー作成のサポートやトレーニングを行い、日本の医療や政策の科学的根拠に基づいた意思決定を促進している[9][24]。2014年は、『ネイチャー』におけるSTAP細胞の論文不正や、『ランセット』におけるディオバン事件といった、一流論文誌における科学における不正行為への疑惑解明が相次いだ[9]

コクランレビューの日本語翻訳は、日本医療機能評価機構のMINDSが長く行ってきたが[25]、2016年4月よりコクランジャパンが翻訳事業を引き継いでいる[26]

パートナーシップ

世界保健機関(WHO)

2011年から、コクランは世界保健機関(WHO)と公式に提携関係を結んでいる[27]、コクランは世界保健総会などのWHOの会議に投票権のない代表者を任命し、WHOの保健に関する決議に発言し説明文を加える権利を与えられている[28]

Wikipedia

Wikipediaでは、医学関連記事の閲覧回数が毎月1億8千万回を超える一方、正式な査読のプロセスを経たものは1パーセント未満である[28]。インターネットで利用できる健康に関するエビデンス(科学的根拠)の質や内容を根本から変えるべく、2014年にコクランとウィキペディアは正式なパートナーシップを結んだ。コクランは、ウィキペディアの医療情報に根拠を含めることや、可能な限り正確なものになるようリソースを提供している[29][30]

関連項目

脚注

  1. ^ The Cochrane Collaboration Steering Group & Subgroups. Retrieved 2011-01-28.
  2. ^ The Cochrane Collaboration - Newcomers' Guide. Retrieved 2011-01-28.
  3. ^ a b 津谷喜一郎、正木朋也 2006.
  4. ^ a b c d コクラン 医療と研究における意思決定と患者一般参画” (PDF). J-STAGE. 2021年7月27日閲覧。
  5. ^ コクランレビューの利用普及に向けた取り組み” (PDF). 医学情報サービス研究大会. 2021年7月28日閲覧。
  6. ^ a b c 佐々木敏『データ栄養学のすすめ』女子栄養大学出版部、2018年、317頁。ISBN 978-4-7895-5449-7 
  7. ^ コクランを「エビデンスのワンストップソリューションに」-渡辺範雄・コクランジャパン代表/ 京都⼤⼤学院准教授” (PDF). 医療維新 (2019年10月17日). 2021年7月28日閲覧。
  8. ^ 日本初のコクラン共同計画日本支部 が国立成育医療研究センターに設置”. 国立成育医療研究センター. 2021年7月27日閲覧。
  9. ^ a b c “コクラン日本支部が始動‐根拠に基づく医療推進へ”. 薬事日報. (2014年6月2日). http://www.yakuji.co.jp/entry36530.html 2014年6月4日閲覧。 
  10. ^ a b 津谷喜一郎 2000, pp. 316–317.
  11. ^ コクラン共同計画とシステマティック・レビュー -EBMにおける位置付け” (PDF). 国立保健医療科学院 (2000年9月21日). 2021年7月27日閲覧。
  12. ^ イアイン・チャーマーズ、ダグラス・G.アルトマン 2000, pp. ix.
  13. ^ a b c Enserink, Martin (2018). “Evidence-based medicine group in turmoil after expulsion of co-founder”. Science. doi:10.1126/science.aav4490. 
  14. ^ Jørgensen L, Gøtzsche PC, Jefferson T (July 2018). “The Cochrane HPV vaccine review was incomplete and ignored important evidence of bias”. BMJ Evid Based Med. doi:10.1136/bmjebm-2018-111012. PMID 30054374. https://doi.org/10.1136/bmjebm-2018-111012. 
  15. ^ Vesper, Inga (2018). “Mass resignation guts board of prestigious Cochrane Collaboration”. Nature. doi:10.1038/d41586-018-06727-0. https://doi.org/10.1038/d41586-018-06727-0. 
  16. ^ Trish Greenhalgh (2018年9月17日). “Trish Greenhalgh: The Cochrane Collaboration—what crisis?”. 2018年9月20日閲覧。
  17. ^ イアイン・チャーマーズ、ダグラス・G.アルトマン 2000, p. vi.
  18. ^ イアイン・チャーマーズ、ダグラス・G.アルトマン 2000, pp. vi–vii.
  19. ^ Bian, Zhao-Xiang; Wu, Tai-Xiang (2010). “Legislation for trial registration and data transparency”. Trials 11 (1): 64. doi:10.1186/1745-6215-11-64. PMC 2882906. PMID 20504337. http://www.trialsjournal.com/content/11/1/64. 
  20. ^ a b Peter C Gøtzsche (2011年10月4日). “We need access to all data from all clinical trials”. The Cochrane Collaboration. http://www.thecochranelibrary.com/details/editorial/1359903/We-need-access-to-all-data-from-all-clinical-trials.html 2013年1月30日閲覧。 
  21. ^ 津谷喜一郎、正木朋也 2006, p. 7.
  22. ^ 現時点で最も正しい医療情報が分かる仕組み” (PDF). 医療維新 (2019年10月17日). 2021年7月28日閲覧。
  23. ^ Cochrane Database of Systematic Reviews - Impact factor”. The Cochrane Collaboration (2016年). 2016年8月21日閲覧。
  24. ^ コクランジャパンについて”. コクラン共同計画. 2021年7月28日閲覧。
  25. ^ 津谷喜一郎、正木朋也 2006, p. 8.
  26. ^ 日本語訳について”. コクラン共同計画. 2021年7月28日閲覧。
  27. ^ Non-State actors in official relations with WHO”. World Health Organization. 2017年7月26日閲覧。
  28. ^ a b 私たちの資金提供者とパートナー”. コクラン共同計画. 2021年7月27日閲覧。
  29. ^ The Cochrane-Wikipedia partnership in 2016”. Cochrane. 2019年2月24日閲覧。
  30. ^ Mathew, Manu; Joseph, Anna; Heilman, James; Tharyan, Prathap (2013). “Cochrane and Wikipedia: the collaborative potential for a quantum leap in the dissemination and uptake of trusted evidence[editorial]”. Cochrane Database of Systematic Reviews 10 (10): ED000069. doi:10.1002/14651858.ED000069. PMID 24475488. 

参考文献

外部リンク