「ノーウォークウイルス」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Frankytt (会話 | 投稿記録)
他言語版の追加
Frankytt (会話 | 投稿記録)
参考文献追加
37行目: 37行目:
|pages = 311-312
|pages = 311-312
|year = 2003
|year = 2003
}}</ref><ref>
}}</ref>。[[2002年]]の同委員会での承認によって、「ノーウォーク様ウイルス属」は「[[ノロウイルス]]属」へと名称変更が行われ、現在では「ノーウォークウイルス種」は「カリシウイルス科」-「ノロウイルス属」に含まれている。ノロウイルス属にはノーウォークウイルス種のみが含まれている。そのため、ノーウォークウイルス(種)はノロウイルス(属)と混同されることが多く、[[メディア]]や[[医療]]/[[保健]]の各機関などでノロウイルスという属名が頻繁に使用されるようになっている。
{{cite journal
|url= http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10550679
|author= Pringle CR
|title= Virus Taxonomy at the XIth International Congress of Virology, Sydney, Australia, 1999
|journal=Archives of Virology
|volume=144
|issue=10
|pages=2065–2070
|year=1999
|pmid=10550679}}</ref>。[[2002年]]の同委員会での承認によって、「ノーウォーク様ウイルス属」は「[[ノロウイルス]]属」へと名称変更が行われ、<ref>
{{cite journal
|url=http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12181683
|author= Mayo MA
|title= A summary of taxonomic changes recently approved by ICTV
|journal=Archives of Virology
|volume=147
|issue=8
|pages=1655–1663
|year=2002
|pmid=12181683}}</ref>現在では「ノーウォークウイルス種」は「カリシウイルス科」-「ノロウイルス属」に含まれている。ノロウイルス属にはノーウォークウイルス種のみが含まれている。そのため、ノーウォークウイルス(種)はノロウイルス(属)と混同されることが多く、[[メディア]]や[[医療]]/[[保健]]の各機関などでノロウイルスという属名が頻繁に使用されるようになっている。


このような状況の一方で、[[日本]]を初め世界中において「ノロ(NORO)」という名字が確認されることから、「『ノロ(NORO)』姓の子供たちがいじめやからかいを受けるおそれがある」との指摘が国際ウイルス分類委員会に寄せられていた。そこで同委員会は、[[2011年]]3月以降、現在および過去の委員や関係者との議論を重ね、9月の札幌での国際微生物学連合2011会議<ref>{{Citation
このような状況の一方で、[[日本]]を初め世界中において「ノロ(NORO)」という名字が確認されることから、「『ノロ(NORO)』姓の子供たちがいじめやからかいを受けるおそれがある」との指摘が国際ウイルス分類委員会に寄せられていた。そこで同委員会は、[[2011年]]3月以降、現在および過去の委員や関係者との議論を重ね、9月の札幌での国際微生物学連合2011会議<ref>{{Citation

2013年1月6日 (日) 16:57時点における版

ノーウォークウイルス
分類
: 第4群(1本鎖RNA +鎖)
: カリシウイルス科 Caliciviridae
: ノロウイルス属 Norovirus
: ノーウォークウイルス Norwalk virus

ノーウォークウイルス: Norwalk virus)とは、ウイルス性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種である。ウイルスが発見された米国地名ノーウォークにちなんで命名された。

国際ウイルス分類委員会により、ウイルスは「」-「」-「」という階層で分類されており[1][2]、「ノーウォークウイルス種」は「カリシウイルス科」-「ノーウォーク様ウイルス属」に属していた[3][4]2002年の同委員会での承認によって、「ノーウォーク様ウイルス属」は「ノロウイルス属」へと名称変更が行われ、[5]現在では「ノーウォークウイルス種」は「カリシウイルス科」-「ノロウイルス属」に含まれている。ノロウイルス属にはノーウォークウイルス種のみが含まれている。そのため、ノーウォークウイルス(種)はノロウイルス(属)と混同されることが多く、メディア医療/保健の各機関などでノロウイルスという属名が頻繁に使用されるようになっている。

このような状況の一方で、日本を初め世界中において「ノロ(NORO)」という名字が確認されることから、「『ノロ(NORO)』姓の子供たちがいじめやからかいを受けるおそれがある」との指摘が国際ウイルス分類委員会に寄せられていた。そこで同委員会は、2011年3月以降、現在および過去の委員や関係者との議論を重ね、9月の札幌での国際微生物学連合2011会議[6]において「ノロウイルス」名称の提案者を含めた各国の専門家たちと深く議論を行っている。2011年9月14日には「『ノロウイルス』というのは属名であって、そのようなウイルス種名は存在しない。ゆえに正しい呼称(種名である『ノーウォークウイルス』)を使用すべきである。またノーウォークウイルスに起因する病気の発生に対して『ノロウイルス』という用語を使用しないよう、メディア、医療/保健の各機関、科学者団体に強く求める」という結論を公式のプレスリリースで発表している[7]。また、同内容を同委員会公式ホームページ会報[8]上でも発表している。

脚注

  1. ^ Virus Taxonomy: 2011 Release (current), 国際ウイルス分類委員会, http://www.ictvonline.org/virusTaxonomy.asp 
  2. ^ ICTV Master Species List 2011 v2, 国際ウイルス分類委員会, (2012年2月21日), http://talk.ictvonline.org/files/ictv_documents/m/msl/4090.aspx 
  3. ^ 武田直和 白土東子 岡 智一郎 片山和彦 宇田川悦子 名取克郎 宮村達 (2003). “カリシウイルスの命名変更について”. 病原微生物検出情報月報 (国立感染研究所) 24 (12): 311-312. http://idsc.nih.go.jp/iasr/24/286/dj2861.html. 
  4. ^ Pringle CR (1999). “Virus Taxonomy at the XIth International Congress of Virology, Sydney, Australia, 1999”. Archives of Virology 144 (10): 2065–2070. PMID 10550679. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10550679. 
  5. ^ Mayo MA (2002). “A summary of taxonomic changes recently approved by ICTV”. Archives of Virology 147 (8): 1655–1663. PMID 12181683. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12181683. 
  6. ^ IUMS 2011 congressホームページ, 国際微生物学連合, http://www.congre.co.jp/iums2011sapporo/index.html 
  7. ^ Press release, 国際ウイルス分類委員会, (2011年9月14日) 
  8. ^ 2011 ICTV Newsletter #9, November 2011, 国際ウイルス分類委員会, (2011年11月14日), http://talk.ictvonline.org/files/ictv_documents/m/newsletters/4069.aspx 

関連項目