「中心結節」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
m +en,zh-min-nan |
編集の要約なし |
||
| 1行目: | 1行目: | ||
{{Medical}} |
{{Medical}} |
||
'''中心結節'''（ちゅうしんけっせつ）とは、[[歯]]の形態異常、結節の一つ。咬合面中央部に出現する、円錐状や棒状の小突起<ref>[[#藤田|藤田 他]], p. 197</ref>。[[小臼歯]]、[[大臼歯]]の他、まれに[[上顎側切歯]]にも見られることがあるが、好発は[[下顎第二小臼歯]]である。ただし、小臼歯の物と他の物が同一の物かは議論がある<ref>[[#藤田|藤田 他]], pp. 197-198</ref>。 |
'''中心結節'''（ちゅうしんけっせつ）とは、[[歯]]の形態異常、異常結節<ref name="noda106">[[#野田|野田]], p.106</ref>の一つ。咬合面中央部に出現する、円錐状や棒状の小突起<ref>[[#藤田|藤田 他]], p. 197</ref>。[[小臼歯]]、[[大臼歯]]の他、まれに[[上顎側切歯]]にも見られることがある<ref name="daijiten1727">[[#歯科医学大辞典|歯科医学大辞典]], p.1727</ref>が、好発は[[下顎第二小臼歯]]である<ref name="noda106" />。ただし、小臼歯の物と他の物が同一の物かは議論がある<ref>[[#藤田|藤田 他]], pp. 197-198</ref><ref name="daijiten1727" />。 |
||
== 疫学 == |
|||
モンゴロイドの特徴とも言われる<ref>[[#須田|須田]], p.594</ref>。第二下顎小臼歯における出現率は1～4%とされる<ref name="noda106" />。 |
|||
== 破折 == |
== 破折 == |
||
中心結節は咬合により破折することがある。 |
中心結節は萌出直後の咬合や咀嚼により破折することがある<ref name="hayashih240">[[#林宏行|林宏行ら]], p.240</ref>。中心結節が大きな物では、結節内に[[歯髄]]が有るために[[露髄]]し、[[歯髄炎]]や[[根尖性歯周炎]]を引き起こすことがあり<ref>[[#今村|今村 他]], p.26</ref>、注意が必要である。 |
||
=== 予防 === |
=== 予防 === |
||
事前の削合<ref>[[#本川|本川 他]], p.160</ref>や、早期の接着性レジン等による保護 |
破折を未然に防ぐために事前の削合<ref>[[#本川|本川 他]], p.160</ref>や、早期の接着性レジン等による保護<ref name="hayashi140">[[#林玲子|林玲子]], p. 140</ref>、[[シーラント (歯科)|シーラント]]による保護が有効とされる<ref name="noda106" />が、削合は不顕性露髄の恐れもある<ref name="noda106" />。 |
||
=== 症状 === |
|||
歯髄腔の開放されているので、急性歯髄炎の症状が出ることは少ないが、食物残渣が入る込むことによる急性発作を引き起こすことがある<ref name="hayashih240" />。 |
|||
=== 処置 === |
=== 処置 === |
||
露髄した場合、症状に応じて[[アペキソゲネーシス]]、[[アペキシフィケーション]]等の治療が選択される<ref name="hayashi140" />。 |
|||
== 脚注 == |
== 脚注 == |
||
| 15行目: | 21行目: | ||
== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
||
* {{Cite book|和書 |
* {{Cite book|和書 |editor=歯科医学大辞典編集委員会 |title=歯科医学大辞典縮刷版 |edition=第1版第6刷 |date=2001-01-20 |publisher=[[医歯薬出版]] |location=[[東京都]][[文京区]] |isbn=4-263-44010-9|ref=歯科医学大辞典}} |
||
* {{Cite book|和書|author=[[ |
* {{Cite book|和書|author=[[今村基尊]]・[[土屋友幸]]|editor=編著代表 [[町田幸雄 (歯科)|町田幸雄]]・[[下岡正八]]|title=小児の歯科臨床[診断と処置]|edition=初版|date=2002-03-30|publisher=[[永末書店]]|isbn=4-8160-1116-1|pages=pp. 17-40|chapter=II 歯の異常（形成障害）|ref=今村}} |
||
* {{Cite journal|和書|author=[[須田英明]] |year=1991 |month= |title=最近の歯内治療学について |journal=口腔病学会雑誌 |volume=58 |issue=3 |pages=591-597 |publisher=[[口腔病学会]] |location= |issn=0300-9149 |doi=10.5357/koubyou.58.591 |naid=80006112731 |id={{JOI|JST.Journalarchive/koubyou1952/58.591}} |url=http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=koubyou1952&cdvol=58&noissue=3&startpage=591&lang=ja&from=jnlabstract |format=PDF |accessdate=2012-01-15|ref=須田}} |
|||
| ⚫ | |||
* {{Cite book|和書|author=[[ |
* {{Cite book|和書|author=[[野田忠]] |editor=[[野田忠]]、[[佐々竜二]] |title=小児歯科臨床プラクティス |edition=第1版第2刷 |date=2001-03-20 |publisher=[[医学情報社]] |location=[[東京都]][[文京区]] |isbn=4-900807-36-2 |pages=106-107 |chapter=III.混合歯列期 歯の異常 癒合歯,中心結節 |ref=野田}} |
||
* {{Cite book|和書|author=[[林宏行]]、[[馬場忠彦]]、[[畠銀一郎]]、[[好川正孝]]、[[吉田匡宏]] |editor=[[林宏行]] |others=イラスト [[尾関進]] |title=新装版エンドに強くなる本 |edition=第1版第1刷 |date=2011-10-10 |publisher=[[クインテッセンス出版]] |location=[[東京都]][[文京区]] |isbn=978-4-7812-0227-3 |pages=240-241 |chapter=104 中心結節を有する歯の処置 |ref=林宏行}} |
|||
* {{Cite book|和書|author=[[林玲子]]|editor=監修者 [[武藤晋也]]|title=若い歯科医師の疑問に答えます Q&A70|edition=第1版|date=2009-07-01|publisher=[[医歯薬出版]]|isbn=978-4-263-44290-6|pages=140-141|chapter=Q58.中心結節にどう対処する？|ref=林玲子}} |
|||
| ⚫ | |||
* {{Cite book|和書|author=[[本川渉]]・[[久芳陽一]]|editor=編集 [[下岡正八]] 他|title=新小児歯科学|edition=第1版|date=1996-02-10|publisher=[[クインテッセンス出版]]|isbn=4-87417-501-5|pages=pp. 51-78|chapter=第4章 歯の発育|ref=本川 }} |
|||
{{Dentistry-stub}} |
{{Dentistry-stub}} |
||
2012年1月15日 (日) 00:25時点における版
 | ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 |
中心結節（ちゅうしんけっせつ）とは、歯の形態異常、異常結節[1]の一つ。咬合面中央部に出現する、円錐状や棒状の小突起[2]。小臼歯、大臼歯の他、まれに上顎側切歯にも見られることがある[3]が、好発は下顎第二小臼歯である[1]。ただし、小臼歯の物と他の物が同一の物かは議論がある[4][3]。
疫学
モンゴロイドの特徴とも言われる[5]。第二下顎小臼歯における出現率は1～4%とされる[1]。
破折
中心結節は萌出直後の咬合や咀嚼により破折することがある[6]。中心結節が大きな物では、結節内に歯髄が有るために露髄し、歯髄炎や根尖性歯周炎を引き起こすことがあり[7]、注意が必要である。
予防
破折を未然に防ぐために事前の削合[8]や、早期の接着性レジン等による保護[9]、シーラントによる保護が有効とされる[1]が、削合は不顕性露髄の恐れもある[1]。
症状
歯髄腔の開放されているので、急性歯髄炎の症状が出ることは少ないが、食物残渣が入る込むことによる急性発作を引き起こすことがある[6]。
処置
露髄した場合、症状に応じてアペキソゲネーシス、アペキシフィケーション等の治療が選択される[9]。
脚注
- ^ a b c d e 野田, p.106
- ^ 藤田 他, p. 197
- ^ a b 歯科医学大辞典, p.1727
- ^ 藤田 他, pp. 197-198
- ^ 須田, p.594
- ^ a b 林宏行ら, p.240
- ^ 今村 他, p.26
- ^ 本川 他, p.160
- ^ a b 林玲子, p. 140
参考文献
- 歯科医学大辞典編集委員会 編『歯科医学大辞典縮刷版』（第1版第6刷）医歯薬出版、東京都文京区、2001年1月20日。ISBN 4-263-44010-9{{ISBN2}}のパラメータエラー: 無効なISBNです。。
- 今村基尊・土屋友幸 著「II 歯の異常（形成障害）」、編著代表 町田幸雄・下岡正八 編『小児の歯科臨床[診断と処置]』（初版）永末書店、2002年3月30日、pp. 17-40頁。ISBN 4-8160-1116-1。
- 須田英明「最近の歯内治療学について」（PDF）『口腔病学会雑誌』第58巻第3号、口腔病学会、1991年、591-597頁、doi:10.5357/koubyou.58.591、ISSN 0300-9149、NAID 80006112731、JOI:JST.Journalarchive/koubyou1952/58.591、2012年1月15日閲覧。
- 野田忠 著「III.混合歯列期 歯の異常 癒合歯,中心結節」、野田忠、佐々竜二 編『小児歯科臨床プラクティス』（第1版第2刷）医学情報社、東京都文京区、2001年3月20日、106-107頁。ISBN 4-900807-36-2。
- 林宏行、馬場忠彦、畠銀一郎、好川正孝、吉田匡宏 著「104 中心結節を有する歯の処置」、林宏行 編『新装版エンドに強くなる本』イラスト 尾関進（第1版第1刷）、クインテッセンス出版、東京都文京区、2011年10月10日、240-241頁。ISBN 978-4-7812-0227-3。
- 林玲子 著「Q58.中心結節にどう対処する？」、監修者 武藤晋也 編『若い歯科医師の疑問に答えます Q&A70』（第1版）医歯薬出版、2009年7月1日、140-141頁。ISBN 978-4-263-44290-6。
- 原著 藤田恒太郎 改訂 桐野忠大・山下靖雄『歯の解剖学』（第22版）金原出版、1995年4月10日。ISBN 4-307-45007-8。
- 本川渉・久芳陽一 著「第4章 歯の発育」、編集 下岡正八 他 編『新小児歯科学』（第1版）クインテッセンス出版、1996年2月10日、pp. 51-78頁。ISBN 4-87417-501-5。
 | この項目は、歯学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています（プロジェクト:歯学／Portal:医学と医療）。 |