鎮静歯科治療

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鎮静歯科治療(ちんせいしかちりょう、英語: sedation dentistry)とは、歯科予約前および予約中に患者に睡眠を誘発するための薬剤の使用を指す。薬剤は通常、鎮静薬と呼ばれる薬物の種類に分類され、中枢神経系、特に意識に関係する領域を抑制することによって作用する。

中枢神経系の抑制にはさまざまな程度がある。一般に、最小限の鎮静とは、軽度に鎮静されているが、言語的刺激及び物理的刺激に素早く反応する状態を指す。中等度の鎮静では、さらに鎮静されているが、意図的な刺激に対しては依然として反応する状態を指す。深い鎮静では、意識の兆候を示さないため、刺激に反応しない。

薬理学的方法による鎮静は、2 つの一般的な経路で得ることができる。経腸経路には、口腔から消化管を通って直腸に至る消化管の内側を覆う腸膜を通過する薬剤の吸収が関係する。この経路には、飲み込んだり、口腔粘膜から吸収されたり、或いは直腸に挿入される薬剤が含まれる。非経口経路には、経腸経路以外の薬剤の吸収が関係する。静脈内、吸入、筋肉内、および粘膜下投与などが含まれる。

小児鎮静[編集]

研究者らはさらなる研究の実施を求めているが、現在の研究では、経口ミダゾラムが小児患者にとって有用な鎮静薬であることが示されている。亜酸化窒素の吸入は、不安を抱える子供の治療に有用な方法であることも証明されている[1]

脚注[編集]

  1. ^ Ashley, Paul F.; Chaudhary, Mohsin; Lourenço-Matharu, Liege (December 17, 2018). “Sedation of children undergoing dental treatment”. The Cochrane Database of Systematic Reviews 2018 (12): CD003877. doi:10.1002/14651858.CD003877.pub5. ISSN 1469-493X. PMC 6517004. PMID 30566228. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6517004/.