酒池肉林
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酒池肉林(しゅちにくりん)は、酒や肉が豊富で豪奢な酒宴という意味の四字熟語である。「肉林」の「肉」に「肉欲」の意はなく、女性に囲まれて大騒ぎをする宴というのは誤用である[1]。
語源
[編集]中国前漢時代の歴史家司馬遷によって編纂された中国の歴史書『史記』「殷本紀」に記された一節が語源である。殷の紂王が愛姫である妲己の歓心を買うため、その言うがままに日夜酒色に耽り、民を虐げた(とされる)故事に由来する[2]。
妲己を愛しみ、妲己の言これ従う。(中略)賦税を厚くして、もって鹿台の銭を実(み)たし、鉅橋の粟を盈たす。(中略)ますます沙丘の苑台を広め、[1](中略)酒をもって池と為し、肉を縣けて林と為し、男女をして倮[3]ならしめ、あいその間に逐わしめ、長夜の飲をなす。百姓怨望して諸侯畔く者有り、是において紂すなわち刑辟を重くし、炮烙の刑有り。
その他の文書における扱い
[編集]前漢以前の先秦時代に書かれた歴史書『書経』で殷代を扱った商書、周書には、同様の記述はない。
前漢より後、西晋の歴史家である皇甫謐が著した『帝王世紀』には、「夏桀は肉山脯林を為し、殷紂は酒池肉林を為す」と書かれている。肉山脯林は、肉は生肉、脯は干し肉の意味があり、豪華な宴会が開かれている様子である[4]。
脚注
[編集]- ^ 『言葉の作法』電子版「酒池肉林」
- ^ 史記 殷本紀第三 帝辛
- ^ 『裸』の異体字。
- ^ 日本国語大辞典,四字熟語を知る辞典, デジタル大辞泉,精選版. “肉山脯林とは”. コトバンク. 2022年5月16日閲覧。
参考文献
[編集]関連項目
[編集]- 鹿台
- 炮烙
- 肉山脯林(夏桀の同様の故事)
- 天国 (イスラーム)
- 太公望
- 妲己
- ワインレイク - ワインの過剰在庫
- バター・マウンテン - ヨーロッパの過剰生産で出来たバターの山。ほかに milk lakes、beef mountains も作られた。
外部リンク
[編集]- 商紂王の「酒池肉林」の存在確認、偃師で大型人工池発見←中国通信社:文化・科学・スポーツ - ウェイバックマシン(2008年9月18日アーカイブ分)
- 『酒池肉林』 - コトバンク