細菌性鰓病

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細菌性鰓病(さいきんせいえらびょう、bacterial gill disease、BGD)とは、種々のサケ科魚類に見られる疾病。

原因[編集]

グラム陰性、無芽胞性、好気性、非運動性の桿菌であるFlavobacterium branchiophilumの感染を原因とする。水温10〜15で発症しやすく、原因菌は表面で増殖する。

疫学[編集]

症状[編集]

食欲減退、狂奔遊泳、貧血眼球突出、体表の線状出血、鰓粘液の異常分泌であり、病変が進行すると呼吸困難により斃死する。

病理[編集]

病魚の鰓弁の棍棒化が認められる。

診断[編集]

鰓の一部を観察し、原因菌の存在を確認する。サイトファガ寒天培地で淡黄色、半透明の微小集落を形成する。

治療[編集]

5%食塩水に2分間浸漬する。

予防[編集]

関連項目[編集]

  • カラムナリス病 - Flavobacterium columnare(en)を原因とする淡水魚の感染症。水温15℃以上で発生し、体表に白色斑点。
  • 冷水病 - Flavobacterium psycholophilumを原因とするサケ科魚類の感染症。12℃以下の低水温で発生し、尾柄部の黒変、尾びれの欠落
  • en:Flavobacterium

参考文献[編集]

  • 畑井喜司雄; 宗宮弘明; 渡邉翼『魚病学』学窓社、1998年3月、76頁。ISBN 4-87362-077-5