「弦楽四重奏曲第4番 (グバイドゥーリナ)」の版間の差分
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2021年9月16日 (木) 03:30時点における最新版
弦楽四重奏曲第4番は、ロシアの作曲家、ソフィア・グバイドゥーリナが1993年に作曲した4つの弦楽四重奏と2つの録音テープのための作品である。
概要[編集]
作品は舞台上の1組の弦楽四重奏団と、3組の弦楽四重奏団と2つの録音済みのレイヤーの合計12の音楽パートが存在する[1]。
プログラムノートでグバイドゥーリナは、それが弦楽四重奏なのか、はたまたそれを超越した作品であるのか、あるいは「弦楽四重奏曲」というタイトルが適切か否かなどを例に挙げながら、「非現実的 (non-real)な人工物」から「現実的(real)な本物」が生まれる(決してその逆ではない)という基本的な考えに基づいているとし、T.S.エリオットの「4つの四重奏曲」の世界観を表現したと述べている[1]。
作曲の経緯[編集]
作品は、グバイドゥーリナが母国のロシアを去り、ドイツのアッペンに移住した最初の年に制作され、最終的にクロノス・カルテットに献呈された[1]。
楽曲構成[編集]
演奏時間は約12分。
2つの録音テープ上で録音された弦楽四重奏では、弦楽四重奏の各メンバーは、伸縮性のあるスチール弦(ピアノの細い線)にボールを取り付けたマレットで楽器の弦を叩き、跳ね返るようなトレモロを発生させている[1]。また、あらかじめ録音された2つの録音テープのうち片方の録音では、楽器のチューニングが四分音高く調律されており、音の知覚をさらに曖昧にし、レイヤー間のコール&レスポンスをより不気味なものにしている[1]。
関連項目[編集]
- T.S.エリオットへのオマージュ - 弦楽四重奏曲第4番が影響を受けたT.S.エリオットの「4つの四重奏曲」をテキストとして使用したグバイドゥーリナの室内楽曲。