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'''共同体主義'''(きょうどうたいしゅぎ、コミュニタリアニズム、英:communitarianism)は、20世紀後半の[[アメリカ合衆国|アメリカ]]を中心に発展してきた[[共同体]](コミュニティ)の価値を重んじる[[政治思想]]。コミュニタリアン。
'''共同体主義'''(きょうどうたいしゅぎ、コミュニタリアニズム、英:communitarianism)は、20世紀後半の[[アメリカ合衆国|アメリカ]]を中心に発展してきた[[共同体]](コミュニティ)の価値を重んじる[[政治思想]]。コミュニタリアン。


[[ジョン・ロールズ]]らが提唱する共同体主義は現代政治思想業界において[[自由主義]](リベラリズム)に対抗する思想の一つであるが、自由主義を根本から否定するものではない。共同体の価値を重んじるとは言っても、[[個人主義|個人]]を共同体に隷属させ共同体のために個人の自由や権利を犠牲にしても全く構わない、というような[[全体主義]]・[[国家主義]]の主張ではなく、具体的な理想政体のレベルでは[[自由民主主義]]の枠をはみ出るラディカルなものを奨励することはない。むしろ共同体主義が自由主義に批判的であるのは、より根源的な[[存在論]]レベルにおいてであり、政策レベルでは自由民主制に留まりつつも自由主義とは異なる側面(つまり共同体)の重要性を尊重するものを提唱する。
共同体主義は現代政治思想業界において[[ジョン・ロールズ]]らが提唱する[[自由主義]](リベラリズム)に対抗する思想の一つであるが、自由主義を根本から否定するものではない。共同体の価値を重んじるとは言っても、[[個人主義|個人]]を共同体に隷属させ共同体のために個人の自由や権利を犠牲にしても全く構わない、というような[[全体主義]]・[[国家主義]]の主張ではなく、具体的な理想政体のレベルでは[[自由民主主義]]の枠をはみ出るラディカルなものを奨励することはない。むしろ共同体主義が自由主義に批判的であるのは、より根源的な[[存在論]]レベルにおいてであり、政策レベルでは自由民主制に留まりつつも自由主義とは異なる側面(つまり共同体)の重要性を尊重するものを提唱する。
イギリスの社会学者[[ジェラード・デランティ]]の整理によれば、共同体主義には、自由主義的共同体主義(リベラル・コミュニタリアニズム)、ラディカル多元主義、公民的共和主義、統治的共同体主義(ガヴァメンタル・コミュニタリアニズム)の四潮流があるという。
イギリスの社会学者[[ジェラード・デランティ]]の整理によれば、共同体主義には、自由主義的共同体主義(リベラル・コミュニタリアニズム)、ラディカル多元主義、公民的共和主義、統治的共同体主義(ガヴァメンタル・コミュニタリアニズム)の四潮流があるという。



2006年10月13日 (金) 09:26時点における版

共同体主義(きょうどうたいしゅぎ、コミュニタリアニズム、英:communitarianism)は、20世紀後半のアメリカを中心に発展してきた共同体(コミュニティ)の価値を重んじる政治思想。コミュニタリアン。

共同体主義は現代政治思想業界においてジョン・ロールズらが提唱する自由主義(リベラリズム)に対抗する思想の一つであるが、自由主義を根本から否定するものではない。共同体の価値を重んじるとは言っても、個人を共同体に隷属させ共同体のために個人の自由や権利を犠牲にしても全く構わない、というような全体主義国家主義の主張ではなく、具体的な理想政体のレベルでは自由民主主義の枠をはみ出るラディカルなものを奨励することはない。むしろ共同体主義が自由主義に批判的であるのは、より根源的な存在論レベルにおいてであり、政策レベルでは自由民主制に留まりつつも自由主義とは異なる側面(つまり共同体)の重要性を尊重するものを提唱する。 イギリスの社会学者ジェラード・デランティの整理によれば、共同体主義には、自由主義的共同体主義(リベラル・コミュニタリアニズム)、ラディカル多元主義、公民的共和主義、統治的共同体主義(ガヴァメンタル・コミュニタリアニズム)の四潮流があるという。

共同体主義者に分類される主要な論者

関連項目

参考文献

  • ジェラード・デランティ『コミュニティ』NTT出版株式会社 ISBN 4-7571-4121-1