「クラリネット五重奏曲 (モーツァルト)」の版間の差分
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'''クラリネット五重奏曲 イ長調 [[ケッヘル番号|K. 581]]''' は、[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト]]が[[1789年]][[9月29日]]に作曲した[[クラリネット]]と[[弦楽四重奏]]のための[[室内楽曲]]。クラリネット奏者であった友人[[アントン・シュタードラー]]のために作曲されたため『'''シュタードラー五重奏曲'''』の愛称で呼ばれることもある。 |
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== 概要 == |
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[[クラリネット]]は当時はまだ目新しく、ようやく[[オーケストラ]]の仲間入りをし始めた楽器であった。しかしモーツァルトは当時の楽器のもつ可能性を利用し尽くし、クラリネット音楽の発展に対して重要な模範を提示した。この作品においても、広い音域や歌謡的能力を活用する優れた書法を見ることができる。 |
[[クラリネット]]は当時はまだ目新しく、ようやく[[オーケストラ]]の仲間入りをし始めた楽器であった。しかしモーツァルトは当時の楽器のもつ可能性を利用し尽くし、クラリネット音楽の発展に対して重要な模範を提示した。この作品においても、広い音域や歌謡的能力を活用する優れた書法を見ることができる。 |
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[[ドイツ]]の[[作曲家]][[ヨハネス・ブラームス]]はこのクラリネット五重奏曲に大いに関心を示し、同様の編成による『[[クラリネット五重奏曲 (ブラームス)|クラリネット五重奏曲 ロ短調 作品115]]』を作曲した。この作品の第4楽章は、モーツァルトの作品と同じく変奏曲形式になっている。 |
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== 曲の構成 == |
== 曲の構成 == |
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4楽章 |
全4楽章、演奏時間は30分程度。 |
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* '''第3楽章''' [[メヌエット]] |
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*: イ長調 - [[イ短調]](トリオⅠ、クラリネットは休止) - イ長調(トリオⅡ)、4分の3拍子。 |
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*: 対比的な性格の2つのトリオを持つメヌエット。 |
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* '''第4楽章''' [[wikt:allegretto|アレグレット]]・[[wikt:con|コン]]・ヴァリアツィオーニ |
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*: イ長調、4分の4拍子、[[変奏曲]]形式。 |
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== 五重奏の草稿 == |
== 五重奏の草稿 == |
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モーツァルトはこの作品のほかに、クラリネットを含む五重奏の断片をいくつか遺しており、補筆・演奏されることがある。 |
モーツァルトはこの作品のほかに、クラリネットを含む五重奏の断片をいくつか遺しており、補筆・演奏されることがある。 |
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* 断章 [[イ長調]] K. Anh. 88 (581a) |
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* ロンド [[変ホ長調]] K. Anh. 89 (516e) |
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*: クラリネット、バセットホルン、[[弦楽三重奏]]の編成。 |
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*: 演奏機会は比較的多い。 |
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* ロンド 変ホ長調 K. 516d |
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== 参考文献 == |
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『作曲家別名曲解説ライブラリー モーツァルト<2>』音楽之友社、2007 |
* 『作曲家別名曲解説ライブラリー モーツァルト<2>』音楽之友社、2007 |
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== 関連項目 == |
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== 外部リンク == |
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* [http://www.marimo.or.jp/~chezy/mozart/op5/k581.html 解説] - Mozart con grazia |
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2020年5月12日 (火) 04:44時点における版
クラリネット五重奏曲 イ長調 K. 581 は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1789年9月29日に作曲したクラリネットと弦楽四重奏のための室内楽曲。クラリネット奏者であった友人アントン・シュタードラーのために作曲されたため『シュタードラー五重奏曲』の愛称で呼ばれることもある。
概要
同年12月22日にブルク劇場でシュタードラーのクラリネットにより初演された。『クラリネット協奏曲 イ長調 K. 622』と同様に、本来はシュタードラーが用いていた "Bass-klarinet"(現在のバセットクラリネット)のために作曲されたものである。現在一般に用いられる版は1802年に通常のクラリネット用に編曲されたもので、自筆譜は協奏曲同様に現在紛失している。
クラリネットは当時はまだ目新しく、ようやくオーケストラの仲間入りをし始めた楽器であった。しかしモーツァルトは当時の楽器のもつ可能性を利用し尽くし、クラリネット音楽の発展に対して重要な模範を提示した。この作品においても、広い音域や歌謡的能力を活用する優れた書法を見ることができる。
ドイツの作曲家ヨハネス・ブラームスはこのクラリネット五重奏曲に大いに関心を示し、同様の編成による『クラリネット五重奏曲 ロ短調 作品115』を作曲した。この作品の第4楽章は、モーツァルトの作品と同じく変奏曲形式になっている。
曲の構成
全4楽章、演奏時間は30分程度。
- 第1楽章 アレグロ
五重奏の草稿
モーツァルトはこの作品のほかに、クラリネットを含む五重奏の断片をいくつか遺しており、補筆・演奏されることがある。
- 断章 イ長調 K. Anh. 88 (581a)
- ロンド 変ホ長調 K. Anh. 89 (516e)
- アレグロ ヘ長調 K. Anh. 90 (580b)
- クラリネット、バセットホルン、弦楽三重奏の編成。
- アレグロ 変ロ長調 K .Anh. 91 (516c)
- 演奏機会は比較的多い。
- ロンド 変ホ長調 K. 516d
参考文献
- 『作曲家別名曲解説ライブラリー モーツァルト<2>』音楽之友社、2007
- オスカール・クロル、ディートルルト・リーム編、大塚精治・玉生雅男共訳『クラリネット・ハンドブック』音楽之友社、1984
関連項目
外部リンク
- クラリネット五重奏曲 イ長調 K. 581の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
- 『新モーツァルト全集』におけるクラリネット五重奏曲の楽譜及び校訂報告 (ドイツ語)
- 解説 - Mozart con grazia