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[[仏教]](特に[[チベット仏教]])、[[ボン教]]、[[ヒンドゥー教]]、[[ジャイナ教]]で[[聖地]]とされる。聖地とする理由は様々であるが、例えば、ヒンドゥー教ではカイラス山を[[リンガ]](男根)として崇拝し、ポン教では開祖のシェーンラップ・ミヨが降臨した地としている。カイラス山の周囲の[[巡礼]]路を、チベット仏教徒は右回りに、ボン教徒は左回りに[[コルラ]]と呼ばれる巡礼行為を行う。ジャイナ教と安息教の信徒たちは反時計回りに山を回りながら歩く。<ref>{{Cite web|title=Mt. Kailash|url=https://www.greattibettour.com/tibet-attractions/mt-kailash-394|website=www.greattibettour.com|accessdate=2019-04-29}}</ref>一周約52kmある巡礼路は、[[ゲルワ・グーツァンパ]]が開いたといわれている。
[[仏教]](特に[[チベット仏教]])、[[ボン教]]、[[ヒンドゥー教]]、[[ジャイナ教]]で[[聖地]]とされる。聖地とする理由は様々であるが、例えば、ヒンドゥー教ではカイラス山を[[リンガ]](男根)として崇拝し、ポン教では開祖のシェーンラップ・ミヨが降臨した地としている。カイラス山の周囲の[[巡礼]]路を、チベット仏教徒は右回りに、ボン教徒は左回りに[[コルラ]]と呼ばれる巡礼行為を行う。ジャイナ教と安息教の信徒たちは反時計回りに山を回りながら歩く。一周約52kmある巡礼路は、[[ゲルワ・グーツァンパ]]が開いたといわれている。


この巡礼路沿いに[[タルチョー|タルチョ]]、いくつかのチベット僧院(ゴンパ)、[[鳥葬]]場や[[仏足跡]]を見ることができる。巡礼路最高点'''ドルマ・ラ'''は、標高5630m。日本人チベット巡礼僧の[[河口慧海]]は、「三途の逃れ坂」と呼んだ。通常の巡礼路の内側に、ナンコルと呼ばれる巡礼路もある。山麓南側にタルチェン村がある。
この巡礼路沿いに[[タルチョー|タルチョ]]、いくつかのチベット僧院(ゴンパ)、[[鳥葬]]場や[[仏足跡]]を見ることができる。巡礼路最高点'''ドルマ・ラ'''は、標高5630m。日本人チベット巡礼僧の[[河口慧海]]は、「三途の逃れ坂」と呼んだ。通常の巡礼路の内側に、ナンコルと呼ばれる巡礼路もある。山麓南側にタルチェン村がある。

2019年5月12日 (日) 23:26時点における版

カイラス山
カイラス北面
標高 6656 m
所在地 中華人民共和国の旗 中国 チベット自治区プラン県
位置 北緯31度4分0秒 東経81度18分45秒 / 北緯31.06667度 東経81.31250度 / 31.06667; 81.31250座標: 北緯31度4分0秒 東経81度18分45秒 / 北緯31.06667度 東経81.31250度 / 31.06667; 81.31250
山系 ヒマラヤ山脈 カンティセ山脈
初登頂 未登頂(伝:ミラレパ
プロジェクト 山
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カイラス山Kailash / Kailas)、または カン・リンポチェチベット語: གངས་རིན་པོ་ཆེ་中国語: 岡仁波齐峰)はチベット高原西部(ンガリ)に位置する独立峰

サンスクリット名はカイラーサकैलास Kailāsa)。カイラーサの語源は不明だが、サンスクリット水晶を意味するケーラーサ(केलास)と関係があるかもしれない。この名称が英語等へ伝わった Kailash / Kailas が、日本語における名称「カイラス」の直接の由来である。

標高6656mの未踏峰。信仰の山であるため、登頂許可は下りない。ただし聖者ミラレパ1040年 - 1123年 / 1052年 - 1135年)が山頂に達したという伝説が有る[1]

信仰

カイラス山北壁とストゥーパ

仏教(特にチベット仏教)、ボン教ヒンドゥー教ジャイナ教聖地とされる。聖地とする理由は様々であるが、例えば、ヒンドゥー教ではカイラス山をリンガ(男根)として崇拝し、ポン教では開祖のシェーンラップ・ミヨが降臨した地としている。カイラス山の周囲の巡礼路を、チベット仏教徒は右回りに、ボン教徒は左回りにコルラと呼ばれる巡礼行為を行う。ジャイナ教と安息教の信徒たちは反時計回りに山を回りながら歩く。一周約52kmある巡礼路は、ゲルワ・グーツァンパが開いたといわれている。

この巡礼路沿いにタルチョ、いくつかのチベット僧院(ゴンパ)、鳥葬場や仏足跡を見ることができる。巡礼路最高点ドルマ・ラは、標高5630m。日本人チベット巡礼僧の河口慧海は、「三途の逃れ坂」と呼んだ。通常の巡礼路の内側に、ナンコルと呼ばれる巡礼路もある。山麓南側にタルチェン村がある。

多くの巡礼者はコルラを13回行う。チベット暦の午年には、1回のコルラで12回分の功徳が得られるとされており、多くの巡礼者を集ている。五体投地(キャンヂャー)によってコルラを行う者も少なからず居り、巡礼へと向かう行為自体が功徳であると考えられていることから、五体投地を行いながらカイラス山を目指す信仰心の厚いチベット仏教徒も居る。

同一視

チベット仏教で須弥山と同一視される。ジャイナ教ではまた、最初のティールタンカラであるリシャバが没したアシュターバダと同一視される。

到達困難峰として

また、チベット仏教徒に限らず、近年では、同地を訪れる団体旅行客やバックパッカーも多い。宗教的な威厳もさることながら、公共交通手段がほとんどなく、入境許可証の入手も困難であることから、バックパッカーにとっても聖地としての色彩を帯びている。一方で、1998年には、ラサ方面からヒッチハイクでカイラス山を目指した日本人3名が行方不明になる事件も発生している。

開発

現在、カイラス山を通る自動車専用道路の建設が中国政府によって計画されており、中止を求める運動が国際的に展開されている。

脚注

  1. ^ ツァンニョン・ヘールカ1484年編『ミラレパ道歌』384頁; Garma C. C. Chang 英訳: Hundred Thousand Songs of Milarepa, 1962, 221頁

ゴンパ

  • チュク・ゴンパ
  • ディラプク・ゴンパ
  • ズゥトゥプク・ゴンパ