「マルチリンク式サスペンション」の版間の差分

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'''マルチリンク式サスペンション'''は、基本的に[[ダブルウィッシュボーン式サスペンション]]の仲間に数えられ、上下に並んだアームによって形成される[[サスペンション]]形式の一つである。
'''マルチリンク式サスペンション'''は、基本的に[[ダブルウィッシュボーン式サスペンション]]の仲間に数えられ、上下に並んだアームによって形成される[[サスペンション]]形式の一つである。

ダイムラー・ベンツ社が開発し、1982年に発表されたメルセデス・ベンツ [[190E]](W201)のリアに5リンク構成のサスペンションとして世界で初めて搭載され、'''マルチリンクサスペンション'''と命名された。


ダブルウィッシュボーンが上下二つのサスペンションアームによって形成されるのに対し、マルチリンクは''独立した数本のアーム''から成る。全てのアームが物理的に離れた存在となることで配置の自由度が増し、よりきめ細やかなセッティングを出すことが可能となる。
ダブルウィッシュボーンが上下二つのサスペンションアームによって形成されるのに対し、マルチリンクは''独立した数本のアーム''から成る。全てのアームが物理的に離れた存在となることで配置の自由度が増し、よりきめ細やかなセッティングを出すことが可能となる。


また、数本のアームによって支持することによってアライメント変化に強く、タイヤを路面に接地させる能力に秀でている。そのため、高速領域で不安定になりやすい高性能[[二輪駆動|FF車]]や、ハイパワーの後輪駆動車のトラクションを確保する目的でリアサスペンションに採用されることが多い。
また、数本のアームによって支持することによってアライメント変化に強く、タイヤを路面に接地させる能力に秀でている。そのため、高速領域で不安定になりやすい高性能[[二輪駆動|FF車]]や、ハイパワーの後輪駆動車のトラクションを確保する目的でリアサスペンションに採用されることが多い。

ダイムラー・ベンツ社が開発し、1982年に発表されたメルセデス・ベンツ [[190E]](W201)のリアに5リンク構成のサスペンションとして世界で初めて搭載され、'''マルチリンクサスペンション'''と命名された。


マルチリンク式には厳密な定義がなく、ダブルウィッシュボーンの延長線上にある形式と書かれた資料もあるが、[[ポルシェ]] 996型[[ポルシェ 911|911]]のように、Iアームと[[トレーリングアーム式サスペンション|セミトレーリングアーム]]を組み合わせたようなものもあるので、あくまで複数(主に4本以上)のアームによって構成されたサスペンションの総称といえる。
マルチリンク式には厳密な定義がなく、ダブルウィッシュボーンの延長線上にある形式と書かれた資料もあるが、[[ポルシェ]] 996型[[ポルシェ 911|911]]のように、Iアームと[[トレーリングアーム式サスペンション|セミトレーリングアーム]]を組み合わせたようなものもあるので、あくまで複数(主に4本以上)のアームによって構成されたサスペンションの総称といえる。

2006年8月11日 (金) 05:02時点における版

マルチリンク式サスペンションは、基本的にダブルウィッシュボーン式サスペンションの仲間に数えられ、上下に並んだアームによって形成されるサスペンション形式の一つである。

ダイムラー・ベンツ社が開発し、1982年に発表されたメルセデス・ベンツ 190E(W201)のリアに5リンク構成のサスペンションとして世界で初めて搭載され、マルチリンクサスペンションと命名された。

ダブルウィッシュボーンが上下二つのサスペンションアームによって形成されるのに対し、マルチリンクは独立した数本のアームから成る。全てのアームが物理的に離れた存在となることで配置の自由度が増し、よりきめ細やかなセッティングを出すことが可能となる。

また、数本のアームによって支持することによってアライメント変化に強く、タイヤを路面に接地させる能力に秀でている。そのため、高速領域で不安定になりやすい高性能FF車や、ハイパワーの後輪駆動車のトラクションを確保する目的でリアサスペンションに採用されることが多い。

マルチリンク式には厳密な定義がなく、ダブルウィッシュボーンの延長線上にある形式と書かれた資料もあるが、ポルシェ 996型911のように、Iアームとセミトレーリングアームを組み合わせたようなものもあるので、あくまで複数(主に4本以上)のアームによって構成されたサスペンションの総称といえる。

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