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2006年7月1日 (土) 07:59時点における版
象嵌(ぞうがん、象眼とも)は、工芸技法のひとつ。
この技法は、シリアのダマスカスで生まれ、シルクロード経由で飛鳥時代に日本に伝わったとされる。
江戸時代には京都などに優れた職人が多数生まれ、日本刀の拵えや甲冑、鏡や根付、文箱、重箱などに腕を振るった。素材としては金属だけではなく、彩色した木材や骨片、貝殻、陶磁器なども用いられる。
製作方法
一般的な象嵌の方法は以下の通りである。
- まず鉄や銅などの地金の表面を彫り、デザインの通りのくぼみをつくる。くぼみの内側には、後ではめ込む部品が定着しやすくするために細かな溝を彫っておく。
- 次に色彩の異なる金属などの素材をそのくぼみと同じ形に切り出し、彫ったものを埋め込む。
- 表面の微細な段差をなくし、滑らかに加工するために、漆を塗り、焼きをいれた後に研ぐ。この工程は数回繰り返される。
- 全体を再度研磨して仕上げる。はめ込んだ部品やその周囲にさらに彫刻を施す場合もある。
例えば磁器においては、いったん成型した器に彫刻を施し、そこに色の異なる土を象嵌する方法がある。 また金属ではなく、薄く削った貝殻をはめ込む技法は螺鈿(らでん)と呼ばれる。「螺」は貝のことで、「鈿」は象嵌のことである。
また、様々な色調の木材をはめあわせて絵の板を作り、それをカンナで薄く削り、和紙に貼り付けたものは、 いわゆる「寄せ木細工」の技法のひとつで、木象嵌(もくぞうがん)と呼ばれる。