「セレノプロテインP」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
 
編集の要約なし
3行目: 3行目:
セレノシステインを含むタンパク質は通常、セレノシステインを1つだけ含有す場合が多いが、セレノプロテインPでは、分子中にセレノシステインを10個含んでいる。また、ヒトにおいてはC末端側が短い分子種が報告されている。これはセレノシステインをコードする[[コドン]]が終始コドンと同一であるため、メッセンジャー[[RNA]]からタンパク質への翻訳の途中で、タンパク質合成が止まってしまうためであるとの意見があるが、現在のところ明らかではない。
セレノシステインを含むタンパク質は通常、セレノシステインを1つだけ含有す場合が多いが、セレノプロテインPでは、分子中にセレノシステインを10個含んでいる。また、ヒトにおいてはC末端側が短い分子種が報告されている。これはセレノシステインをコードする[[コドン]]が終始コドンと同一であるため、メッセンジャー[[RNA]]からタンパク質への翻訳の途中で、タンパク質合成が止まってしまうためであるとの意見があるが、現在のところ明らかではない。


血液中に見つかるセレノプロテインPは、ほぼ[[肝臓]]で合成されると考えられており、役割はセレンの抹消[[臓器]](特に[[脳]]および[[精巣]])への輸送、あるいは貯蔵に関与していると見られるが、全容の解明には至っていない。また、[[活性酸素]]を消去するとの報告もあり、活性酸素の消去をセレノプロテインPの役割とする研究者もいる。
血液中に見つかるセレノプロテインPは、ほぼ[[肝臓]]で合成されると考えられており、役割はセレンの末梢[[臓器]](特に[[脳]]および[[精巣]])への輸送、あるいは貯蔵に関与していると見られるが、全容の解明には至っていない。また、[[活性酸素]]を消去するとの報告もあり、活性酸素の消去をセレノプロテインPの役割とする研究者もいる。


{{biosci-stub}}
{{biosci-stub}}

2006年6月22日 (木) 15:24時点における版

セレノプロテインPは、分子中にセレノシステインを含むタンパク質である。血液中に見つかる主要なセレン化合物であり、セレノプロテインPのPは血漿plasma)のPに由来する。

セレノシステインを含むタンパク質は通常、セレノシステインを1つだけ含有す場合が多いが、セレノプロテインPでは、分子中にセレノシステインを10個含んでいる。また、ヒトにおいてはC末端側が短い分子種が報告されている。これはセレノシステインをコードするコドンが終始コドンと同一であるため、メッセンジャーRNAからタンパク質への翻訳の途中で、タンパク質合成が止まってしまうためであるとの意見があるが、現在のところ明らかではない。

血液中に見つかるセレノプロテインPは、ほぼ肝臓で合成されると考えられており、役割はセレンの末梢臓器(特におよび精巣)への輸送、あるいは貯蔵に関与していると見られるが、全容の解明には至っていない。また、活性酸素を消去するとの報告もあり、活性酸素の消去をセレノプロテインPの役割とする研究者もいる。