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'''フォック空間'''とは、くりこまれたパラメータを持つ[[自由粒子]]の集まりでできた[[ヒルベルト空間]]のことである。<ref name=shimizu>{{Cite book|和書|author=[[清水明]]|year=2004|title=新版 量子論の基礎―その本質のやさしい理解のために―|publisher=[[サイエンス社]]|id=ISBN 4-7819-1062-9}}</ref>[[個数演算子]]の固有ベクトルで張られた空間とも言える。
'''フォック空間'''とは、[[くりこみ|くりこまれた]]パラメータを持つ[[自由粒子]]の集まりでできた[[ヒルベルト空間]]のことである。<ref name=shimizu>{{Cite book|和書|author=[[清水明]]|year=2004|title=新版 量子論の基礎―その本質のやさしい理解のために―|publisher=[[サイエンス社]]|id=ISBN 4-7819-1062-9}}</ref>[[個数演算子]]の固有ベクトルで張られた空間とも言える。
最初にフォック空間を導入した[[ウラジミール・フォック]]にちなんで命名された。
最初にフォック空間を導入した[[ウラジミール・フォック]]にちなんで命名された。



2013年9月4日 (水) 23:07時点における版

フォック空間とは、くりこまれたパラメータを持つ自由粒子の集まりでできたヒルベルト空間のことである。[1]個数演算子の固有ベクトルで張られた空間とも言える。 最初にフォック空間を導入したウラジミール・フォックにちなんで命名された。

概要

場の量子論は、ヒルベルト空間の次元だけでなく自由度無限大である。 よってヒルベルト空間をどのように構成するのかという問題が生じる。 そこで一般的に、扱いたい状態を含んで、かつ、物理量が無駄なく既約に表現される空間にを選ぶのが普通だが、その場合によく用いられるのがフォック空間である。 いつもフォック空間が適切なヒルベルト空間となる保証は無いのだが、便利なのでよく用いられる。[1]

定義

フォック空間は1粒子ヒルベルト空間のテンソル積直和で作られるヒルベルト空間として定義される。

ここで は演算子で、ボゾンならば空間を対称的にし、フェルミオンなら空間を反対称的にする。は1粒子ヒルベルト空間である。

参考文献

  1. ^ a b 清水明『新版 量子論の基礎―その本質のやさしい理解のために―』サイエンス社、2004年。ISBN 4-7819-1062-9 

関連項目