グレートアーテジアン盆地

試掘された穴から温水が湧き出している箇所

グレートアーテジアン盆地、大鑽井盆地（だいさんせいぼんち、英：The Great Artesian Basin）は、オーストラリア大陸の中東部に広がる盆地である。面積は約176万km²とオーストラリア大陸の約23%を占め、世界最大の鑽井盆地である。

「鑽井盆地」という言葉はそもそも普通名詞であり、地質学における専門用語である。これに大（great）をつけることで固有名詞とした。

ステップ気候に属しており年間の降水量は多くないが、地下には 64,900立方キロメートルの地下水が蓄えられていると推定されており、乾燥した内陸部の貴重な水資源として活用されている。井戸を掘ると、大鑽井盆地の東側に位置するグレートディヴァイディング山脈（大分水嶺山脈）から流れ込んだ被圧地下水が自噴する。この地下水には多量の塩分が含まれており、灌漑用途には不向きである。そのため塩分濃度の許容限界が比較的大きい羊の飲み水として利用され、羊の牧畜が盛んに行われている。一部牛も放牧されている。

なお、耕作に不向きなため、教科書においてもよく取り上げられるが、羊の全国生産量に占める割合は現在5%程度にとどまっている。