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== プリント配線板 ==
== の種類 ==
基板の種類は、母材の材質としてベークライトが使われてきたが、長期の使用によりそりやゆがみが発生することが確認されたので、現在では、フェノール樹脂などで固めた浸透式のものが使われている。基板は正式呼称ではなく ベーク基板(ベークライト) 紙フェノール(紙を樹脂で固めたもの) ガラエポ(ガラス繊維をエポキシ樹脂で固めたもの) というような母材で呼ばれることが多い




母材の種類
母材の材質として古くはベークライトが使われてきたが、長期の使用によりそりやゆがみが発生することが確認されたので、現在では、フェノール樹脂などで固めた浸透式のものが使われている。基板は正式呼称ではなく ベーク基板(ベークライト) 紙フェノール(紙を樹脂で固めたもの) ガラエポ(ガラス繊維をエポキシ樹脂で固めたもの) というような母材で呼ばれることが多い


'''プリント配線板'''

あらかじめ銅をエッチングして、作る基板は プリント基板(印刷基板)と呼ばれる [[プリント基板]]として独立
基板の形態


;生基板
;生基板
基板は、母材の全面に銅箔を貼り付け、エンチングという手法で、不要な部分を溶解し電気的な接続を得る。
基板は、母材の全面に銅箔を貼り付け、エンチングという手法で、不要な部分を溶解し電気的な接続を得る。
そのための無加工の基板を生基板という。
そのための無加工の基板を生基板という。高周波の試作などでは手作業で基板を剥がしてから利用されることもある


エンチングという手法を用いずとも利用できる基板に以下のユニバーサル基板などがある。


;ユニバーサル基板、同義語(ICピッチ基板)(蛇の目基板)
;ユニバーサル基板、同義語(ICピッチ基板)(蛇の目基板)
:絶縁板に、格子状に配列した円形の銅箔(ランド)がエッチングにより形成されており、それらの中央に部品のリード線を差し込む穴が開けられた基板。[[スズ]]めっき線などで配線することにより、使用者が自由に回路のパターンを決めることができる。穴の間隔は2.54mmのものが最も一般的。片面のタイプと両面のタイプがあり、両面の物はスルーホール処理されている。[[集積回路]]の形に合わせてあらかじめ引き出し線、電源ラインなどのパターンが付けられた品種もある。小規模の試作用に用いられる。
:絶縁板に、格子状に配列した円形の銅箔(ランド)がエッチングにより形成されており、それらの中央に部品のリード線を差し込む穴が開けられた基板。[[スズ]]めっき線などで配線することにより、使用者が自由に回路のパターンを決めることができる。穴の間隔は2.54mmのものが最も一般的。片面のタイプと両面のタイプがあり、両面の物はスルーホール処理されている。[[集積回路]]の形に合わせてあらかじめ引き出し線、電源ラインなどのパターンが付けられた品種もある。小規模の試作用に用いられる。



;ストリップボード
;ストリップボード
:ユニバーサル基板と似ているが、銅箔部分が短冊(ストリップ)状につながっているもの。主に欧米で使用される。
:ユニバーサル基板と似ているが、銅箔部分が短冊(ストリップ)状につながっているもの。主に欧米で使用される。日本ではFCZ基板として同様のものが市販されている


;穴あきベーク板
;穴あきベーク板
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;[[ブレッドボード]]
;[[ブレッドボード]]
:試作実験用に用いられる、電子部品を差し込むだけで(はんだ付け不要)配線が可能な基板を指すこともあるが、プリント配線板で製品前の試作基板のことをいう場合もある
:試作実験用に用いられる、電子部品を差し込むだけで(はんだ付け不要)配線が可能な基板を指す
一部の試作会社では、プリント配線板で製品前の試作基板のことをいう。


[[Category:電子部品|きはん]]
[[Category:電子部品|きはん]]

2008年3月17日 (月) 08:17時点における版

基板(きばん)とは、電子部品を実装して配線を組み立てるために用いられる部品で、基板上に銅箔が張られており、そこに部品を装着することにより 電気的に接続されることになる。部品をプリント基板上に配線したものの総称も基板と表現して間違いはない。エレクトロニクス実装学会の定義で正式にはプリント配線板と示されている。半導体基板に関してはウェハーを参照のこと。基板のことを基盤と書いてしまう人も多くいるが、間違い。ワープロの誤変換が定着してしまったと思われる。


基板の種類

基板の種類は、母材の材質として、ベークライトが使われてきたが、長期の使用によりそりやゆがみが発生することが確認されたので、現在では、フェノール樹脂などで固めた浸透式のものが使われている。基板は正式呼称ではなく ベーク基板(ベークライト) 紙フェノール(紙を樹脂で固めたもの) ガラエポ(ガラス繊維をエポキシ樹脂で固めたもの) というような母材名で呼ばれることが多い


プリント配線板 あらかじめ銅をエッチングして、作る基板は プリント基板(印刷基板)と呼ばれる プリント基板として独立

生基板

基板は、母材の全面に銅箔を貼り付け、エンチングという手法で、不要な部分を溶解し電気的な接続を得る。 そのための無加工の基板を生基板という。高周波の試作などでは手作業で基板を剥がしてから利用されることもある。


ユニバーサル基板、同義語(ICピッチ基板)(蛇の目基板)
絶縁板に、格子状に配列した円形の銅箔(ランド)がエッチングにより形成されており、それらの中央に部品のリード線を差し込む穴が開けられた基板。スズめっき線などで配線することにより、使用者が自由に回路のパターンを決めることができる。穴の間隔は2.54mmのものが最も一般的。片面のタイプと両面のタイプがあり、両面の物はスルーホール処理されている。集積回路の形に合わせてあらかじめ引き出し線、電源ラインなどのパターンが付けられた品種もある。小規模の試作用に用いられる。


ストリップボード
ユニバーサル基板と似ているが、銅箔部分が短冊(ストリップ)状につながっているもの。主に欧米で使用される。日本ではFCZ基板として同様のものが市販されている
穴あきベーク板
格子状に小さな無数の穴が開けられた絶縁物の板。銅箔は付いておらず、部品のリード線などを用いて配線する。トランジスタが普及し始めた頃の自作に広く用いられた。
ブレッドボード
試作実験用に用いられる、電子部品を差し込むだけで(はんだ付け不要)配線が可能な基板を指す。

一部の試作会社では、プリント配線板で製品前の試作基板のことをいう。

外部リンク