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[[Image:Odin hrafnar.jpg|thumb|300px|[[18世紀]]の[[アイスランド語]]の写本より。オーディンの肩に留まって報告するフギンとムニン。]]
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'''フギン'''([[古ノルド語]]:''Huginn''[[英語]]:''Hugin'')と'''ムニン'''(古ノルド語:''Muninn''英語:''Munin'')は、[[北欧神話]]に登場する神[[オーディン]]に付き添う一対の[[ワタリガラス]]である。フギンは「[[思考]]」、ムニンは「[[記憶]]」を意味する。
'''フギン'''([[古ノルド語]]:''Huginn'', [[英語]]:''Hugin'')と'''ムニン'''(古ノルド語:''Muninn'', 英語:''Munin'')は、[[北欧神話]]に登場する神[[オーディン]]に付き添う一対の[[ワタリガラス]]である。フギンは「[[思考]]」、ムニンは「[[記憶]]」を意味する。フギンは[[アイスランド語]]の ''hugsun'' 「考え」に対応する。


フギンとムニンは、オーディンへさまざまな消息と情報を伝えるために、世界中を飛び回っている。
フギンとムニンは、オーディンへさまざまな消息と情報を伝えるために、世界中を飛び回っている。

2007年12月25日 (火) 06:08時点における版

18世紀アイスランド語の写本より。オーディンの肩に留まって報告するフギンとムニン。

フギン(古ノルド語Huginn, 英語Hugin)とムニン(古ノルド語:Muninn, 英語:Munin)は、北欧神話に登場する神オーディンに付き添う一対のワタリガラスである。フギンは「思考」、ムニンは「記憶」を意味する。フギンはアイスランド語hugsun 「考え」に対応する。

フギンとムニンは、オーディンへさまざまな消息と情報を伝えるために、世界中を飛び回っている。

スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』第38章での記述によると、2羽は夜明けに外に出され、情報を集めてから夜に帰ってくる。そしてオーディンの肩に留まり、その耳にニュースをささやくという。オーディンを指すケニングの一つに「鴉神」があるのは、このワタリガラスの存在による。

古エッダ』の『グリームニルの言葉』第20節(古ノルド語)では次のように述べられている。

Huginn ok Muninn fliúga hverian dag
iörmungrund yfir;
óomk ek of Huginn, at hann aptr ne komit,
þó siámk meirr um Muninn.
(大意:フギンとムニンが毎日世界中を飛んでいるが、落ちないか心配している)

参考文献

  • V.G.ネッケル--他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、255-256頁。