歯列弓
歯列弓 | |
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下から見た上歯列弓の永久歯 | |
上から見た下歯列弓の右半分の永久歯 | |
概要 | |
英語 | dental arch |
ラテン語 | arcus dentalis mandibularis, arcus dentalis maxillaris |
MeSH | D003724 |
グレイ解剖学 | p.1114 |
解剖学用語 |
歯列弓(しれつきゅう、アーチ、英: dental arch)は、歯の2つのアーチ(三日月配置)で、上顎と下顎に1つずつ歯列を構成する。人間や他の多くの動物は、 上顎骨の歯列弓は下顎骨の歯列弓よりも少し大きいため、正常な状態では上顎の歯は前と側面の両方で下顎骨の歯とわずかに重なる。口を閉じる際に顎、つまりは歯の歯列弓が互いに近づく方法は咬合と呼ばれ、対立する歯の咬合関係を決定し、顔や歯の発生が不完全であった場合は不正咬合(交叉咬合など)の対象となる。
上顎中切歯は下顎中切歯よりも広いため、上歯列弓の他の歯はやや遠位に配列されており、口を閉じる際は2つの歯列弓は完全に合致していない。したがって、上顎犬歯は部分的に下顎犬歯に、一部は下顎第一小臼歯にかかっており、上大臼歯の根尖は一致する下大臼歯の根尖の後ろにかかる。
ただし、2つの歯列弓は後ろのほぼ同じ部分で終わる。これは主に上歯列弓の大臼歯が小さいためである。
人間には標準的な歯の本数があるため、歯列弓の大きさは歯が生え始める際にどのように配置されるかを決定する上で非常に重要である。子供の成長に合わせて歯列弓が広がることがあるが、歯列弓が小さいと歯が必然的に接近して生えることになる。これにより歯が重なり、不適切な配置に生える可能性がある。歯がぎこちない角度で生える可能性があるので、咀嚼する際に歯茎を圧迫することがある。その結果、最終的に歯茎の状態が悪くなったり、感染症の原因になる。
歯科医は、欠損歯、損傷歯、重度の腐敗した歯を、固定または取り外し可能な義歯に置き換えて咀嚼機能を回復または改善する。どのような治療計画においても、咬合面の望ましい長さ・必須の長さという基本的な問題がある。
短縮歯列(SDA)の概念は、部分的な歯列欠損の患者に対する治療選択肢として、文献で様々な言及がなされている。多くの歯科医は、完全な歯科弓を復元することが必ずしも必要ではないことを受け入れているが、患者に手頃な価格で機能的な治療を提供する必要性があり、短縮歯列はその必要性を満たしている。[1]
半歯列弓(ヘミアーチ)は、歯列弓の右半分または左半分。それは4つの象限のうちの1つに対応する。
脚注[編集]
この記事にはパブリックドメインであるグレイ解剖学第20版(1918年)1114ページ本文が含まれています。
- ^ Debora Armellini, DDS, MS, and J. Anthony von Fraunhofer, "The shortened dental arch: A review of the literature" The Journal of Prosthetic Dentistry Vol.2 No.6