星たちの息子 (武満徹)
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『星たちの息子』(ほしたちのむすこ) は、武満徹による編曲作品。原曲は、エリック・サティ作曲の同曲から第1幕への前奏曲「天職」。1975年 (昭和50年) に編曲された。
編曲の経緯
[編集]サティの没後50年にあたる1975年 (昭和50年)、秋山邦晴は「異端の作曲家エリック・サティ連続演奏会」を企画、東京の渋谷ジァン・ジァンで3年かけてサティの室内楽曲・器楽曲の全作品の演奏会を開いた[1][注 1]。第1回目の演奏会は、サティの誕生日である5月17日に行われ[3]、以後、大体隔月で17日に連続演奏会は続けられた[4]。ジァン・ジァンが小さな劇場だったせいもあるが、演奏会は毎回超満員だったという[4]。この連続演奏会の第2回は同年12月に公演され、その時のタイトルは「ペラダンのバラ十字教団とサティ」というもので、この演奏会のために秋山が友人の武満に編曲を依頼した[1]。演奏会の半年ほど前に秋山から依頼された武満は、3曲ある前奏曲のうち第1幕への前奏曲をフルートとハープのために編曲し、秋山に手渡した[1]。武満自身、残りの2つの前奏曲を編曲する意思はあり、書かなきゃと言っていたが、結局、最初の前奏曲が編曲されただけに終わった[5]。
編成
[編集]初演
[編集]1975年12月17日、東京・渋谷ジァン・ジァンにて、小泉浩 (フルート独奏)・木村茉莉 (ハープ独奏) により初演された[1][5]。初演は好評で、アンコールに2回演奏されたが[1]、小泉浩によるとコンサート会場は非常に暑くて難儀したという[5]。
演奏時間
[編集]約5分
出版
[編集]録音
[編集]- Insomnia 眠れない夜、Philips PHCP-1812、ギドン・クレーメル (ヴァイオリン独奏)・吉野直子 (ハープ独奏)、1996年5月・紀尾井ホールで録音
- 武満徹 響きの海 室内楽全集1、キングレコード KICC 581-582、小泉浩 (フルート独奏)・木村茉莉 (ハープ独奏)、2002年4月11日 東京オペラシティリサイタルホール、武満徹全室内楽曲連続演奏会 響きの海・Ⅰ、ライブ録音