怪物の書

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怪物の書』、あるいは『リベル・モンストロルム』(ラテン語: Liber Monstrorum)は7世紀末から8世紀初頭の間に書かれたとみられる、中世ラテン語による超自然的な生物の目録[1] 。 作者は不詳であるが、作風からはアングロ・サクソン人の学者アルドヘルム英語版の影響が認められる[2]。 9世紀から10世紀にかけて幾つかの写本へと筆写されたこの目録は、イェアートのヒイェラーク王や彼がその巨躯から高名であったことにも言及しているため『ベーオウルフ』の関連資料としてしばしば研究の対象とされる。 この目録にはヒイェラークのような異様な人物や、エチオピア人のような実在の民族の歴史の報告、キュクロープスケンタウロスといった空想上の存在の報告が収められている。

出典[編集]

  1. ^ Andy Orchard, Pride and prodigies: studies in the monsters of the Beowulf-manuscript, University of Toronto Press, 2003, p. 86.
  2. ^ オーチャード, アンディ (2010). “ラテン語と現地語 二言語テキスト文化の創造”. オックスフォード ブリテン諸島の歴史 2: 265-266.