人事を尽くして天命を待つ

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人事を尽くして天命を待つ(じんじをつくしててんめいをまつ)は、中国からのことわざ

概要[編集]

自分ができるだけの全ての努力を尽くしたならば、後は天命に任せて事の成り行きを見守るということを意味する。ここでの人事とは人間が行う事柄で、人間の力でできることを意味する。この人事を尽くすという表現を用いることで、相手に対しては自らは力の限りやれることをやったというニュアンスを伝えることができる。ここでの天命とは、命令で天が人に与えた使命ということを意味する。天命を待つという状態は、自分ではどうしょうもできないため天からの命令を受け入れようとするようになっているの状態のことである[1]

歴史[編集]

この言葉は胡寅によって著された『読史管見―紀・武帝』に記されている。ここでは4世紀の中国の東晋王朝の時代に、将軍であった謝安が攻め込んできた異民族の大群を見事に撃退したということがあった。この戦いは王朝の存亡を懸けたという一戦であった。この戦いで謝安は、様々な戦略を駆使して戦いに臨んで勝つことができていた。この謝安の戦いぶりのことを胡寅は『読史管見―紀・武帝』で人事を尽くして天命を待つと述べていた[2]

脚注[編集]

  1. ^ 「人事を尽くして天命を待つ」は4パターンで使える!語源や類語も解説 | Domani 「人事を尽くして天命を待つ」正しい意味や使い方を知ってる?語源や類語も解説”. Domani (2021年12月13日). 2024年1月22日閲覧。
  2. ^ 日本国語大辞典,デジタル大辞泉,故事成語を知る辞典,ことわざを知る辞典, 精選版. “人事を尽くして天命を待つ(じんじをつくしててんめいをまつ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年1月22日閲覧。