二十二史考異
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『二十二史考異』(にじゅうにしこうい)は、中国の清代の銭大昕が乾隆45年(1780年)に著した書物。全100巻。史書の分野における清朝考証学を代表する書物であり、後世の歴史研究に大きな便宜を与えた。二十二史攷異、廿二史攷異、廿二史考異とも記される。
概要
[編集]対象とする二十二史とは正史二十四史のうち『旧五代史』『明史』を除いたものであるが、『後漢書』に含められた司馬彪『続漢書』の部分を独立して『続漢書』二巻として収録したため、総目においては二十三史となっている。
記述の体裁は『資治通鑑』に倣っており、正史の文字の異同を指摘するだけではなく、遼・金・元の言葉についての校訂を重視しており、語句の解釈や年代・地理的変遷などへも言及している。疑問とする箇所の指摘も行なっており、その綿密な考証の姿勢により、同時代の『十七史商榷』『二十二史箚記』と比べても高い評価を得ている。
テキスト
[編集]- 『廿二史攷異』(16冊、上海商務印書館、1937年)
- 『廿二史考異』(2冊、方詩銘・周殿傑校点、上海古籍出版社、2003年、ISBN 7532535355)
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 孟慶遠主編 『中国歴史文化事典』 小島晋二・立間祥介・円山松幸訳、新潮社、1998年、ISBN 4-10-730213-X(原書『新編中国文史詞典』中国青年出版社、1989年)