ロボット便座

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ロボット便座とは、排泄後のを自動的に拭き取るロボットのことをいい、「お尻拭きロボット」、「臀部拭き取り装置」ということもある。

ロボット便座は、ウォシュレットと一緒に使用され、ウォシュレットによって洗浄されたお尻の水分等を、トイレットペーパーを取り付けたアームが拭き取るという構造を有するものが多い。

概要[編集]

ロボット便座には、主に以下のタイプがある。

1.便座昇降タイプのロボット便座[編集]

便座昇降タイプのロボット便座では、便座昇降装置を利用して、便座を上昇させて、上昇した便座の下から、トイレットペーパーを取り付けたアームが露出して、お尻を拭き取る[1]

2.補高部タイプのロボット便座[編集]

補高部タイプのロボット便座では、便器と便座の上に、便座をかさ上げする補高部を設けて、補高部に設けられた隙間から、トイレットペーパーを取り付けたアームが露出し、お尻を拭き取る[2]

3.別給紙タイプのロボット便座[編集]

株式会社岡田製作所が国プロ(平成27年度「ロボット介護機器開発・導入促進事業(開発補助事業)」)にて開発したロボット便座が存在し、2016年10月12日~14日に開催された国際福祉機器展2016にて発表された[3][4]
ポータブルトイレタイプとして発表されているが、構造としては、紙を載せたガイドが便座の下の片側から露出し、アームが便座の下の別側から露出して、紙を押し上げて、水滴を拭き取るというものである。
アームと給紙とを、別々に分離したことが、過去のタイプとの大きな相違点である。

4.その他のロボット便座[編集]

株式会社日本アシストが開発したロボット便座βは、補高部を取り除いた構成となっている[5]

ニーズ[編集]

岡田製作所が発表したアンケート結果によると、介護を受けている者の3割以上は自分でお尻が拭けないとされ、お尻を拭き取るロボットが介護現場で一定のニーズがあると判断されている[6]

特許状況[編集]

株式会社岡田製作所(大阪府豊中市)の特許[編集]

株式会社岡田製作所(大阪府豊中市)が、広範囲に特許権を取得している。
特許第4641313号 特許第5065467号 特許第4195076号 特許第5653148号 特許第5653544号
特許第5863080号 特許第5863081号 特許第5863082号 特許第5918918号
特許第5528961号 特許第5738624号 特許第5864695号 特許第5709177号

ロボット便座特許権侵害事件[編集]

ロボット便座に関して、特許権侵害の裁判が行なわれていたが、株式会社岡田製作所から、2017年6月1日に、勝訴した旨のプレスリリースがなされている[7]

2020~2021年特許料不納ですべて抹消される。

開発会社[編集]

株式会社岡田製作所(大阪府豊中市)[編集]

株式会社岡田製作所が、「楽々きれっと」の商品名で、積極的に、ロボット便座の開発に取り組んでいる[8][9]

株式会社日本アシスト(大阪府大阪市)[編集]

株式会社日本アシスト(大阪府大阪市)が、「ロボット便座β」の商品名で、市場参入を試みている[10][11]

吉村學デザイン事務所(大阪府吹田市)[編集]

吉村學デザイン事務所(大阪府吹田市)が、公益財団法人テクノエイド協会の支援を受けて、ロボット便座の開発を試みている[12][13]

脚注[編集]

関連リンク[編集]