モンロー計算機

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モンロー計算機(型番6N-212)
モンロー計算機(型番6N-212)裏面
モンロー計算機(型番6N-212)側面

モンロー計算機(モンローけいさんき)はモンロー計算機社が開発した機械式計算機

歴史[編集]

モンロー計算機は世界で最初のキーボード式(ボタン操作式)計算機としてアメリカのモンロー計算機社より販売された[1][2]。日本には1918年より丸善が代理店となり販売開始となった[3]。手回し式の手動式計算機から電動式計算機へ改良が進んだ。のちに計算機は電卓によっておきかえられた。

モンロー計算機社[編集]

Portrait of Jay Randolph Monroe

1883年1月6日ミシガン州サウスヘブンで生まれたジェイ・ランドルフ・モンロー三世は、1903年ミシガン大学法学の学位を取得した。1911年にフランク・スティーヴン・ボールドウィンによるボールドウィン計算機を初めて見たモンローは、翌1912年にボールドウィンと共にモンロー計算機社を設立した。この時ボールドウィンが持つ特許を買い取った。ニュージャージー州ニューアークで計算機の製造開始後、1914年に初めての製品を発表した。

手動式[編集]

電動式[編集]

形状と使用法[編集]

形状は手前に樹脂製の数字キーが桁数分並んでいるフルキー方式である[4][5]。 加数・非加数などは数字キーでセットする。命令キーボタンを押すと自動的に計算され、計算結果表示部に表示される。計算速度は手動式より速いが音が大きい[4]

型番[編集]

SS型[編集]

  • SS-160(計算能力8×8=16桁/手動式/ケース付)
  • SS-200(計算能力10×10=20桁/手動式/ケース付)

L型[編集]

  • L-160x(計算能力8×8=16桁/手動式)
  • L-200X(計算能力10×10=20桁/手動式)
  • LA-160x(計算能力8×8=16桁/電動式)
  • LA-200X(計算能力10×10=20桁/電動式)
  • LA-5-160(計算能力8×8=16桁/電動自動式)
  • LA-5-200(計算能力10×10=20桁/電動自動式)
  • LA-6-200-C(計算能力10×10=20桁/全自動式)

M型[編集]

  • M-3-173(計算能力8×8=17桁/手動式)
  • M-3-213(計算能力10×10=21桁/手動式)
  • MA-3-173(計算能力8×8=17桁/電動式)
  • MA-3-213(計算能力10×10=21桁/電動式)
  • MA-5-173(計算能力8×8=17桁/電動自動式)
  • MA-5-213(計算能力10×10=21桁/電動自動式)

K型[編集]

  • K-120(計算能力6×6=12桁/手動式)
  • K-160(計算能力6×6=12桁/手動式)
  • K-200(計算能力10×10=20桁/手動式)
  • KAS-163(計算能力6×6=12桁/電動自動式)
  • KAS-203(計算能力10×10=20桁/電動自動式)
  • KASC-163(計算能力6×6=12桁/電動自動式)
  • KASC-203(計算能力10×10=20桁/電動自動式)

出典[編集]

  1. ^ 『丸善百年史下巻』丸善、845頁。 
  2. ^ 手塚朋子「博物館とは...ゆるぎなきものの、視える場所?」(PDF)『南山大学人類学博物館紀要』第31号、南山大学人類学博物館、2013年、51-61頁、CRID 1520853832986792576ISSN 03888711 
  3. ^ Mechanical calculator”. www.dentaku-museum.com. 2019年10月20日閲覧。
  4. ^ a b 瀬尾幸男「電子式卓上計算機技術発展の系統化調査」(PDF)『国立科学博物館技術の系統化報告』第6巻、2006年、49-115頁、CRID 1571980075720829824 
  5. ^ 数字キー配列の歴史的変化” (PDF). 2019年10月20日閲覧。

参考文献[編集]

  • 丸善株式会社 編『丸善文房具事務用品型録 改訂』丸善、1936年。 

外部リンク[編集]