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メトロエスニシティー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

メトロエスニシティーはメトロセクシャルの概念を基に国際基督教大学社会言語学John C. Maherが提唱したエスニシティー観・理論である。

従来の人種民族主義的、単一的なエスニシティー観を越え、美的な感覚を核に、遊びとして、自由にかつ複合的にエスニシティーを取り入れ使い分けるという観点を特徴としている。

氏はメトロエスニシティーを下記のような現象であると説明する。

  • 「純粋な」エスニシティーを、必要不可欠もしくは絶対的な価値ではなくする。単独の民族的(エスニック)正統性を遵守するのではなく、複合的、スフマート技法的である。民族(エスニック)の不明確化、あいまいなエスニシティー(Ethnic Ambiguity)。
  • 文化的かつ「美的」な効果のために「差異」を利用する。(「細部にこだわらないビジュアルな効果、混ぜた色と混ぜていない純粋な色を使った短い『途切れた』筆さばき─それまでの習慣のように滑らかにとけあうようではない─、写真のような瞬間的作用の賞賛」ノエミ・ゴールドマン『クロード・モネ、その美術館』2010)
  • 言語は偶然のもの、話者は美的主題となり、言語は完全に形作られた目的ではなく、美しい装飾物となる。
  • 民族的(エスニック)な慣習遵守から言語を解放する。好きなように言語をあやつる。ある言語を知っていることはそのエスニシティーを保証はしないが、アソビや演じるエスニシティーの可能性を開く。
  • クール(かっこいい)とは、伝統的なエスニシティーと言語のつながりの方向を直し、コース変更をさせるものである。

脚注

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参考文献

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  • Maher, J. C. (2005) Metroethnicity, Language, and the Principle of Cool. International Journal of Sociology of Language 175/176: 83-102.[1]
  • Maher, J. (2010). 'Metroethnicities and Metrolanguages'. The Handbook of Language and Globalizaton: 575-591. Wiley-blackwell.[2]

外部リンク

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  1. ^ Maher, John C. (2005-01-18). “Metroethnicity, language, and the principle of Cool”. International Journal of the Sociology of Language 2005 (175-176). doi:10.1515/ijsl.2005.2005.175-176.83. ISSN 0165-2516. https://doi.org/10.1515/ijsl.2005.2005.175-176.83. 
  2. ^ Maher, John C. (2010-10-07). The Handbook of Language and Globalization. Oxford, UK: Wiley-Blackwell. pp. 575–591. ISBN 9781444324068. https://doi.org/10.1002/9781444324068.ch26