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ナノプシャン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
"ナノキッド"
(ナノプシャンの一例)
ナノキッドの構造式
識別情報
PubChem 11353257
特性
化学式 C39H42O2
モル質量 542.75 g mol−1
外観 粘りけのある黄色固体[1]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ナノプシャン: nanoputian)とは、アメリカ合衆国テキサス州にあるライス大学ナノテクノロジー研究センターのジェームス・ツアー(James M. Tour)の研究グループによって合成された、人間のような形をしている芳香族化合物につけられた呼び名である[1][2]。子供達にナノテクノロジーの世界を知ってもらうための化学教育プロジェクトの一環[3]として発表され、科学雑誌"Journal of Chemical Education"の表紙も飾っている[4]

ナノプシャンの名は、10億分の1を表す接頭辞の「ナノ」と、『ガリバー旅行記』に登場する小人の国・リリパット王国の住人を意味する「リリプシャン」を掛け合わせた造語で、「ナノメートル世界の小人」という意味を表す。実際ナノプシャンの身長は約2nmほどである。

基本骨格は薗頭カップリングを利用して構築される。分子の部分構造を入れ替えることで、人形のポーズや帽子が変わったさまざまなナノプシャンが合成された。例えば頭部はアセタール構造であるため比較的簡単に取り外しができ、この部分を変換することで王様、パン職人、アスリート、博士など様々な職業のナノプシャンが作られている。足の位置にチオール基を持つナノプシャンは金板表面に付着しながら並ぶことができる。

バリエーションとして、バレエダンサーの形をとった「ナノバレエダンサー」、ナノプシャンたちが互いに手をつないだような形の「ナノプシャンポリマー」もある。

参考文献

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  1. ^ a b Chanteau, Stephanie H.; Tour, James M. (2003). “Synthesis of Anthropomorphic Molecules:  The NanoPutians”. The Journal of Organic Chemistry 68 (23): 8750–8766. doi:10.1021/jo0349227. 
  2. ^ Chanteau, Stephanie H.; Ruths, Troy; Tour, James M. (2003). “Arts and Sciences Reunite in Nanoput: Communicating Synthesis and the Nanoscale to the Layperson”. Journal of Chemical Education 80 (4): 395. doi:10.1021/ed080p395. 
  3. ^ Nanokids”. ライス大学. 2003年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月24日閲覧。
  4. ^ “Table of Contents”. Journal of Chemical Education 80 (4). (2003-4). http://pubs.acs.org/toc/jceda8/80/4. 

関連項目

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  • ナノカー - 構造式が車に似ている。ツアー教授の研究グループが開発。
  • ペンギノン - 構造式がペンギンに似ている。

外部リンク

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