トレーサー

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染料をトレーサーとして使った事例。

トレーサー(tracer)とは、液体など流体の流れ、あるいは特定の物質代謝などで化学変化する場合を含む)を追跡するために使われる、微量添加物質や性質である。追跡子(ついせきし)ともいう。

概要[編集]

トレーサーとは具体的に、(大量の)インクなどの色素薬品放射性同位体、煙などの微粒子などを示す。これらを実験対象物に添加し、あらかじめ想定しておいた範囲内で化学的検出手法、紫外線ガンマ線カメラ等を用いて添加物を検出し、伝播の状態や範囲を追跡調査する。

また、物質以外に、温度など一定時間保たれる性質も、条件は限られるがトレーサーとして使用できる。物質のトレーサーも、「濃度」という性質と考えることもできる。

利用[編集]

注意点[編集]

人体や地下水等で放射性同位体や大量の塩を使う際には、人体や環境に影響のでない規模で慎重に行う必要がある。

類似の技術[編集]

同位体ラベリングは、同位体トレーサーのように同位体を使うが、流体に混入させるのではなく、分子の中で置き換えるという違いがある。

関連項目[編集]